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エッセイ

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#元気をもらったあの食事

財布を忘れた父がいのちの味をおしえてくれた

財布を忘れた父がいのちの味をおしえてくれた

「父さん、また財布忘れたって」

「財布忘れた」これは父と私の間の合言葉だ。

美味しくてありがたくてわざとらしい合言葉。

高校3年生の秋。
数学で過去最低点を取った。

頭を抱えていたのは…母だった。
当の私は、だろうな!という感想しかない。高1からジリジリと付いていけなくなってきたものが、露呈したというだけだ。

頭を抱えた数時間後に母は、医大生の家庭教師を手配していた。受験生であることにピ

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