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Kendrick Lamar - good kid, m.A.A.d city解説

こんにちは。

本日は、現代を走るトップラッパーであるKendrick Lamarのデビュー作である、good kid, m.A.A.d cityを解説していきます。

To Pimp A Butterflyの解説記事も良かったら是非





はじめに

ところどころWikipediaから拝借していますが、日本語版のgood kid, m.A.A.d cityのページを作ったのは僕ですので、許してください。


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証拠画像

(追記)
次のアルバムのTo Pimp A Butterflyも解説記事を書きましたので、ぜひご覧ください。


概要

そもそもこれは前提論になるのですが、アメリカ含む洋楽界隈では、アルバムは曲の集合体ではなく、一つの作品であるという意識が日本よりもかなり強いです。
そして、その文化の一つの発露として、コンセプトアルバムという概念があり、これは「アルバム一つでストーリー仕立てになっているもの」を指します。

本アルバムもそのうちの一つです。というか、Kendrick Lamarは全アルバムがコンセプトアルバムです。

デビュー作であるgood kid, m.A.A.d cityのストーリーですが、簡単に言うと「超治安の悪い街で生まれた真面目な少年であるケンドリック(通称: K-Dot) が、同調圧力と戦って恋愛や悪事を働きながら何とか生きる」という、自伝のようなストーリーになっています。

超治安の悪い街、m.A.A.d city、コンプトン
m.A.A.dは3つの意味が重なっており、

・mad(狂気的)
・my Angry Adolescence divided (分断された怒りの青春)
・my Angels on Angel dust (説明が難しいんですが、Angel dustはコカインの一種で、Angelsというのはこの狂った街で一度社会的に死を経験している自分への暗喩って感じです)

です。

当記事で灰色で引用しているところは全て歌詞、およびその和訳です。


1曲目:Sherane a.k.a Master Splinter’s Daughter

物語は、Sheraneという女の子についての話から始まります。

ケンドリックはこの時点でシェレーンと知り合って数ヶ月です。彼は彼女とパーティーで知り合い、そこでいちゃついたり電話番号を交換したりしていました。

I met her at this house party on El Segundo and Central
エルセグンドとセントラルのホームパーティーで彼女に会った
She had the credentials of strippers in Atlanta
彼女はアトランタで名の知れたストリッパーで
Ass came with a hump, from the jump she was a camel
お尻が魅力的で、ラクダみたいにボンってなってて
I want to ride like Arabians, push an '04 Mercedes-Benz
アラビアンみたいにまたがりたくなったもんだ、04式メルセデスをのせて
"Hello, my name is Kendrick," she said, "No, you're handsome"
「どうも、ケンドリックです」「あら、素敵な人」
Whispered in my ear, disappeared, then found her dancin'
そう囁いて姿を消した後、踊っている姿をみつけた

二人は夏の間も連絡を取り合い、親密になったのですが、そこはコンプトン。一筋縄ではいきません。彼女の家族はギャングだったのです。

We know a lot 'bout each other, her mother was a crack addict
俺らは互いをよくわかるようになった、彼女の母親はクラック(麻薬)中毒で
She live with her granny and her younger two brothers
おばあさんと二人の弟と暮らしているみたいだ

I'm two blocks away, two hundred and fifty feet
俺は彼女の家から通り二つ挟んだところ、250フィート
And six steps from where she stay, she wavin' me 'cross the street
そっからさらに6歩ほど離れたところに住んでいる。彼女が俺に手を振って
I pulled up, a smile on my face, and then I see
俺は車を止めた。俺はうれしくて微笑んだんだが
Two niggas, two black hoodies, I froze as my phone rang
2人の黒いパーカーを着た黒人がこっちを見てたんだ。携帯電話が鳴って悪い予感がして凍りついた


タイトルの "Master Splinter"は、Sheraneの父親のギャングとしての地位を意味しています。


2曲目:Bitch Don't Kill My Vibe

このアルバムはストーリーにそこまで関係ありません。

これから始まるぜ、こんな中で育ってきて俺は今ラッパーとして大成してんだ、邪魔すんなよ、みたいな感じです。

めっちゃくちゃいい曲です。

もともとはレディー・ガガとのコラボ曲の予定でしたが、金銭面の折り合いがつかず実現しませんでした。

その後、ガガの手によってコラボバージョンも公開されています。


3曲目:Backseat Freestyle

3曲目からは、普段ケンドリックがどのように過ごしているかが綴られます。

Bitch Don't Kill My Vibeのアウトロで、ケンドリックは仲間にラップするよう頼まれます。

Nigga, I got a pack of blacks and a beat CD
おい、ブラックミュージックとビートのCDあるからよ
Get yo' freestyles ready!
フリースタイルしてくれよ

そしてそこでやった車でのフリースタイルがこの曲です。リリース当時のケンドリックの心情ではなく、この街にいたころのケンドリック(16歳ぐらい)の心情が表れています。
むずかしいことは何も気にせず、人生と、お金、女、目の前にあるものだけを気にしている状態です。

現在の知性を感じるケンドリックではなく、欲望丸出しで面白いです。
サビこれですからね。

All my life I want money and power
人生でほしいのは金と権力
Respect my mind or die from lead shower
俺の心を尊重するか鉛の嵐で死ね
(鉛の嵐は、弾丸の嵐と、歌詞を書く鉛筆の嵐のダブルミーニング)
I pray my dick get big as the Eiffel Tower
俺のチンコがエッフェル塔ぐらいでかかったらいいんだけど
So I can fuck the world for seventy-two hours
そしたら世界を72時間犯してやる


4曲目:The Art of Peer Pressure

そんな感じで楽しくやっていたケンドリック。しかしそこは残念ながらm.A.A.d city。悪事なしでは乗り切れません

普段どういう悪事をしていたかというのは、この曲によく書かれています。

Peer Pressureというのは同調圧力のことです。
悪いことをしろという同調圧力について描かれた曲ですね。

Me and my niggas four deep in a white Toyota
俺らは白のトヨタ車に乗って
A quarter tank of gas, one pistol and orange soda
ガソリンは1/4しか残っていない、そしてピストルとオレンジソーダ
Janky stash box when the federales'll roll up
ドラッグ、それらを隠すための箱を持って
Basketball shorts with the Gonzales Park odor
ゴンザレスパークでバスケをして
We on the mission for bad bitches and trouble
女と"ミッション"をこなすんだ

銃がオレンジソーダとガソリンと一緒に出てきたというのは、それほど彼らにとって銃が日常であることを示唆しています。
そんな彼らと一緒にいると、自然と(やりたくなくても)犯罪に手を染めるようになるのです。

we pulled up on a bunch of workin' girls
売りの女の手を引いて
And asked them what they workin' with
何やってんだなんてからかって
Look at me, I got the blunt in my mouth
俺は葉っぱを吸ったりなんかしちゃってさ
Usually I'm drug-free, but, shit, I'm with the homies
麻薬なんかやんねえのに、くそ、俺は今仲間といるから仕方ねえだろ

そして、彼らは犯罪について恥じるわけではなく、むしろ誇りに思っているんです。

Braggin' 'bout the episode we just had
武勇伝みたいにあったことを自慢して
A shot of Hennessy didn't make me feel that bad
ヘネシーをワンショット飲んだって何も感じないだろ?
(それぐらい犯罪を犯すのが当たり前で、今更何も感じないということ)
I'm usually a true firm believer of bad karma
Consequences from evil will make your past haunt ya
悪いことをしたらしっぺ返しをくらうってかたくなに信じていたはずなのに

さて、最初に書いた”ミッション”というのは曲のアウトロでも出てきます。

Look, here's the plan, luv
いいか、これが計画だ
We gon' use the kickback as a alibi, wait 'til the sun go down, roll out,
ここで遊んでたってのをアリバイにして、太陽が沈むのを待って
complete the mission, drop K. Dot off at his mama van, at the park
”ミッション”をこなして、公園でK-Dot(ケンドリックのこと)を降ろすんだ

遊びながら悪いことをし、同調圧力で逃げる雰囲気にさせてくれなかったわけですね。"ミッション"の内容は何かというのは、この曲の終わりにも書いています。

Pull in front of the house
家の前に車を止めろ
That we been campin' out for like two months
俺らは二か月間この家を張ってた
The sun is goin' down as we take whatever we want
太陽が沈んだら何でも奪いに行くぞ

そう、家宅侵入ですね。その様子は次の曲Money Treesに詳細に書かれています。


5曲目:Money Trees

Uh, me and my niggas tryna get it, ya bish (Ya bish)
俺らは"それ”を手に入れようとしてんだ
Hit the house lick: tell me, is you wit' it, ya bish? (Ya bish)
家を襲って大金を奪う;おい、お前は知ってるか?
Home invasion was persuasive (Was persuasive)
家宅侵入ってのは魅力的だろ
From nine to five I know it's vacant, ya bish (Ya bish)
9時から17時ってのは大体の人間は仕事をしてるから空き家なんだよ

同時に、KendrickはSheraneに恋をしている様子も綴られています。そう、Sheraneは、一曲目Sherane a.k.a Master Splinter’s Daughterで出てくるKendrickの幼馴染で、ギャングの娘でしたね。

Money Treesの中では、Sheraneとやった結果性病になったなんて書かれています。

Dreams of livin' life like rappers do (Like rappers do)
ラッパーが送るような人生を夢見てさ
Back when condom wrappers wasn't cool (They wasn't cool)
ゴムつけてヤるなんてカッコ悪いじゃねえか
I fucked Sherane and went to tell my bros (Tell my bros)
俺はSheraneとやって仲間に自慢した
Then Usher Raymond "Let It Burn" came on ("Let Burn" came on)
そしたらタイミングよくUsherのLet it burnが流れたんだ

そんな感じで仲間と悪いことを(同調圧力下で)やりながら、Sheraneとの情事も楽しんでいたKendrick。
Sheraneをどのように思っていたかが次の曲に描かれています。


6曲目:Poetic Justice

この曲では、Kendrick Lamar最大のライバルであるDrakeをフィーチャリングし、Sheraneにささげた曲になっています。

内容は本当にラブソングっぽい感じです。

You live life on an everyday basis
With poetic justice, poetic justice
詩的な正義感のもとに生活を送ってる
If I told you that a flower bloomed in a dark room
Would you trust it?
君が俺にとって暗い部屋に咲く一輪の花のようだと言ったら
信じてくれるかい?


この曲のラストのセリフ部分は、1曲目のSherane a.k.a Master Splinter’s Daughterとリンクしています。まず1曲目のほうでは

I'm two blocks away, two hundred and fifty feet
俺は彼女の家から通り二つ挟んだところ、250フィート
And six steps from where she stay, she wavin' me 'cross the street
そっからさらに6歩ほど離れたところに住んでいる。彼女が俺に手を振って
I pulled up, a smile on my face, and then I see
俺は車を止めた。俺はうれしくて微笑んだんだが
Two niggas, two black hoodies, I froze as my phone rang
2人の黒いパーカーを着た黒人がこっちを見てたんだ。携帯電話が鳴って悪い予感がして凍りついた

そしてPoetic Justiceのラストでは、その二人の男から話しかけられるのです。

"I'm gon' ask you one more time, homie
もっかいだけ聞くぞ
Where is you from? Or it is a problem."
どこから来た?言えねえのか?
"Ayy, you over here for Sherane, homie?"
Sheraneのために来たのか?
"Yo, I don't care who this nigga over here for
If he don't tell me where he from, it's a wrap! I'm sorry."
どこから来たか言えねえんならフクロにするぞ、悪いが
"Hol' up, hol' up, hol' up, we gon' do it like this, okay?
こんな風にな、いいか
I'ma tell you where I'm from, okay?
俺がどこから来たか言うから
You gon' tell me where you from, okay?
お前もどこから来たか言うんだ
Or where your grandma stay, where your mama stay, or where your daddy stay, okay?"
それからお前のばあちゃん、母親、父親がどこ出身かもな
"Enough with all this talkin'."
もうこの話は終わりにしよう
"Matter of fact, get out the van, homie! Get out the car before I snatch you out that motherfucker, homie!"
まあなんでもいいんだ、車を降りろ、殺すぞ、早く降りろクソが!

なんでこんなに出身を気にしているかというと、Sheraneはギャングの子供であり、別のギャングから手を出されると困るからです。
二人の男はそのギャングに所属している者たちで、妨害しようとしているわけです。


7曲目:good kid

そして次の7曲目good kidはこのアルバムのタイトルの半分でもあります。

この曲では、前曲の最後でケンドリックがパーカーを着た二人の男にシメられた直後の余韻が描かれています。これがアルバムのテーマである「realization」のきっかけとなり、最終的にはケンドリックがこの街から抜け出す決意を固めることになります。

ケンドリックはコンプトンでは珍しい、ギャングに所属しない良い子なのです。それゆえの障害・葛藤に悩まされました。

For the record, I recognize that I'm easily prey
ようは、俺は簡単に標的になるってわかったんだ

But what am I 'posed to do when the topic is red or blue
話題が赤や青の時はどうしたらいいんだろう?
And you understand that I ain't
分かっているだろうが、俺はどっちでもないんだ

赤・青というのは、コンプトンに存在するギャングの対立のことです。
赤はBloodsを、青はCripsを指します。

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こういうのはおかしいと、気づき始めるのです。

Mass hallucination, baby
集団幻覚
Ill education, baby
異常な教育
Want to reconnect with your elations?
もう一度恋人と会いたいか?
This is your station, baby
ここが居場所だよ

余談ですが、この曲のみ一切暴力的な表現が使われていません。
good kidを表す曲として、意図的にそうしていると言われています。


8曲目:m.A.A.d city

8曲目はタイトルのもう半分、m.A.A.d cityです。

この曲も前曲の続きで、まず冒頭いきなりかなり怖いです。

If Pirus and Crips all got along
もしBloodsとCripsが和解したら(Bloodsの起源的なのがPirus)
They'd probably gun me down by the end of this song
あいつらはこの曲が終わるあたりで俺を撃ち殺すだろう
Seem like the whole city go against me
町全体が敵みたいだ
Every time I'm in the street, I hear—
Yawk! Yawk! Yawk! Yawk!
道を歩く度、聞こえるんだーYawk! Yawk! Yawk! Yawk!
Man down, where you from, nigga?
おい降りろ、どこ出身だてめー
Fuck who you know—where you from, my nigga?
てめーだれだ、どこからきたんだ
Where your grandma stay, huh, my nigga?
お前のばあちゃんはどこ住んでんだ?
This m.A.A.d city I run, my nigga
この街は俺のもんなんだよ

そう、これはPoetic Justiceでケンドリックがパーカーの男に言われたことと同じですね。

Brace yourself, I'll take you on a trip down memory lane
覚悟しててね、昔の記憶をたどっていくから
This is not a rap on how I'm slingin' crack or move cocaine
これはクラックやコカインを礼賛するようなラップじゃない
This is cul-de-sac and plenty Cognac and major pain
これは袋小路とコニャックと大きな痛みの話で
Not the drill sergeant, but the stress that weighin' on your brain
訓練係軍曹の話ではなく、脳にのしかかるストレスの話だ

"trip down memory lane "は回想の決まり文句ですが、ラップでは穏やかでない場面でも使われることがあり、有名どころだとNasの超名盤であるillmaticに収録されているMemory Laneです。

そして、ギャングスタ・ラップというジャンルがあるのですが、これは「俺はこんな悪いことしてきたぜ!」と自慢するようなラップのことで、ヒップホップでは超主流です。なのでクラックやコカインといった麻薬を礼賛する曲は非常に多いのですが、ケンドリックはgood kidなので、この曲はそうではないと言っています。

クラックを礼賛する曲の代表例

そして後半部分のこれは一見意味不明です。

This is cul-de-sac and plenty Cognac and major pain
これは袋小路とコニャックと大きな痛みの話で
Not the drill sergeant, but the stress that weighin' on your brain
訓練係軍曹の話ではなく、脳にのしかかるストレスの話だ

コニャックは酒の一種です。これについては次の曲の"Swimming Pools (Drank)"で詳しく書かれています。

メジャーペイン(Major Payne) は、1995年のコメディ映画で、主演のDamon Wayansは、中学生や高校生を訓練することを任務とした訓練係軍曹を演じています。

そういう楽しい話ではなく、脳にストレスとして降りかかるようなメジャーペイン(major pain)なんだと言っているのです。"weighin”と”Wayans"もかかっていますね。

hope euphoria can slow dance with society
陶酔薬が社会からの虐待を和らげてくれるといいんだけど 
the driver seat the first one to get killed
運転席にいるやつは最初に撃ち殺される
Seen a light-skinned nigga with his brains blown out
At the same burger stand where *beep* hang out
とあるやつ(名前が隠されている)がたむろしてたバーガー屋で浅黒の友達が脳みそを撃ち殺されるのを見た
Now this is not a tape recorder sayin' that he did it
そいつがやった!と吹聴するわけじゃないけど
But ever since that day, I was lookin' at him different
それ以来見る目は変わった
That was back when I was nine
9歳の時の話だぜ

怖すぎる。9歳で人が脳天撃たれるとこ見ます?普通。

しかし、そんな犯罪が日常すぎて、街の人たちもそれに慣れてしまっているというのです。

we adapt to crime
犯罪に慣れちゃって
Pack a van with four guns at a time
With the sliding door, fuck is up?
スライドドアのミニバンに4丁の銃をのせた、なんか問題あるか?

Money Treesでも、仲間とバンに乗って家宅侵入していましたが、それが日常だったために止まらなかったわけです。
とにかく犯罪に慣れてしまっているのです。

また、このラインは超大物ラッパーJay-Zのデビューアルバム(1996年発売)に収録されているCan I Liveという曲の引用となっており、当時から状況が変わっていないことが暗喩されています。

Easily explain why we adapt to crime
俺らが犯罪に慣れてしまった理由は容易に説明できる
I'd rather die enormous than live dormant, that's how we on it
退屈に生きるよりかは派手に死んだ方がマシだって、みんなそう思ってんだ

ケンドリックはそんな異常な街で良い子としてなんとか生き延び、高校に入学します。
ちなみにコンプトンの高校卒業率は57%しかありません

Fresh outta school 'cause I was a high school grad'
高校卒業したばかりのピッカピッカの男だけど
Sleepin' in the living room of my momma's pad
ママの家のリビングで寝ているんだ

これは、同じくコンプトン出身でギャングスタ・ラップの大御所、Ice CubeのA Bird in the Handと対比させています。

Fresh out of school 'cause I was a high school grad
高校卒業したばかりのピッカピッカの男だけど
Gots to get a job 'cause I was a high school dad
高校の時パパになっちまったもんだから仕事を探さなきゃなんねえ

そしてどっちが普通かというと、コンプトンでは後者なのです。

My pops said I needed a job, I thought I believed him
父親が働けっていうから、確かにって思って
Security guard for a month and ended up leavin'
警備員を一か月やったけどやめたんだ
In fact, I got fired, 'cause I was inspired by all of my friends
実を言うと首になったんだ、なんでかというと
To stage a robbery the third Saturday I clocked in
友達に誘われて第三土曜日に強盗したからだ

ケンドリックもPeer Pressureの下で、good kidだったのが染まっていってしまいます。

If I told you I killed a nigga at sixteen, would you believe me?
俺が16歳で人を殺したって言ったら信じるか?
Perceive me to be innocent Kendrick you seen in the street with a basketball
バスケットボールを持った清廉潔白な少年として受け入れてくれるのか?

ここでの殺しは比喩的なものですが、幼少期に彼を取り巻く暴力や汚職によって、幼少期に無実性というのを失ってしまったことを殺しと言っていると考えられます。

ようは

Kendrick a.k.a. "Compton's Human Sacrifice"
ケンドリック、別名「コンプトンの人身御供」

だったのです。
good kidだったケンドリック・ラマーは、コンプトンというm.A.A.d cityの生贄になってしまったのです。


9曲目:Swimming Pools (Drank)

9曲目は、8曲目でもコニャックとして出てきたお酒についての曲です。

m.A.A.d cityで育ってきたケンドリック。大人はどのような生活を送っていたかというと

Now I done grew up 'round some people livin' their life in bottles
俺はそこらに空き瓶が転がっているような大人に囲まれて育ってきた

とあるように、酒におぼれた大人に囲まれて育ち、そうして自分も大人になってお酒におぼれる側になってしまいます。

4曲目にあったように、同調圧力も半端ではありません。それはお酒も例外ではなく、これはその同調圧力とアルコールを関連付けて綴られた曲で、(子供でも)酒を飲まなければいけないという社会的な圧力と、抵抗する自分の内省的な感情を書いています。

サビを見てみると

Nigga, why you babysittin' only two or three shots?
お前、なんで2,3のショットを赤ん坊みたいに飲んでんの?
(飲むスピードが赤ん坊のミルクみたいに遅いぞ、もっと早く飲めという意味)
I'ma show you how to turn it up a notch
どうやるか見せてやるよ
First you get a swimming pool full of liquor, then you dive in it
酒のプールを作って飛び込むんだよ

このように、仲間はとことん酒におぼれ、それにケンドリックを引きずり込もうとしているのがよくわかります。

さて、ここまでのストーリーをまとめてみましょう。

ケンドリックは、m.A.A.D cityで育ったgood kidです。しかし、同調圧力が半端でなく、家宅侵入をしたり強盗をしたりしてしまいます。Sheraneという子と恋に落ちましたが、彼の家族はギャング。車にいるときにフードの男たちに〆られます。

概要はこんな感じです。
実は、この曲のアウトロから大きく展開が変わります。

Dave, you good?
デイブ、大丈夫か?
Dave? Dave, say somethin' – Dave?
デイブ、デイブ、なんか言えよ、デイブ?
These bitch-ass niggas killed my brother!
あいつら俺の弟を殺しやがった!

ケンドリックとその仲間たちが(ケンドリックは同調圧力に負けながら)悪事をしていた結果、仲間の弟が殺されてしまうのです。

これがケンドリックの心を変える大きなきっかけとなります。


10曲目:Sing About Me, I’m Dying of Thirst

この曲は2部作で、本当はPart1にはMVがあるのですが、日本からだと見られないので一応URLだけ貼っておきます。

1パート目、「Sing About Me」では、前曲で殺されたデイブの兄の視点からケンドリックに語りかけています。

I'm hopin' that I can borrow
A peace of mind, I'm behind on what's really important
平和な心とまともな判断力を借りたいんだ、本当に大事なことからは取り残されていて
My mind is really distorted
心は引き裂かれている
I find nothing but trouble in my life
困ったことばかり

pieceとpeaceの同音異義語でいろんなことを意味させています。

Peace of mindとは、精神的なストレスや不安がないこと、Piece of mindとは、ケンドリックの合理的な判断力を指しています。

ケンドリックはまた、同音異義語のborrow(借りる)とburrow(掘る)も使っています。
悲惨な状況からの脱出ルートを掘りたいという願いを表現していますが、同時に地下に行くことで絶望や死も暗喩しています。

ちなみにpeace of mindは、銃を意味するスラングでもあり、ギャングの抗争や死に満ちた生活も暗喩しています。ケンドリックヤバすぎる


I know exactly what happened
何が起きたかわかってる
You ran outside when you heard my brother cry for help
ケンドリックは俺の弟が泣きながら助けを呼ぶのを聞いて車から飛び出てくれたんだよな
Held him like a newborn baby and made him feel
そして赤ちゃんを助けるように抱いて
Like everything was alright in a fight he tried to put up
戦った結果全部大丈夫だったかのように感じさせて
But the type of bullet that stuck
でもその銃弾は最悪だったんだ
Had went against his will, that's blood spilled on your hands
意思に反して死んでしまって、血がケンドリックの手に垂れてきたんだ

前述のデイブは、ケンドリックの腕に抱かれたまま死んでいます。
その様子を克明につづっています。

I got 'em and I ain't give a fuck
わかった、「どうでもいいや」っていう
That same mentality I told my brother not to duck
そういうメンタリティーが弟を殺して、それが悪循環なんだ

m.A.A.d cityで育ち、犯罪に慣れきっているものが「どうでもいいや」という精神性で殺し、その復讐としてまた「どうとでもなれ」と殺す。そういった繰り返しが治安を悪化させるループになると指摘しています。

このように、デイブの兄は弟を銃殺されたことで暴力についてかなり悟った態度となり、それをケンドリックに対して語りかけているのです。

ただ、そんな簡単に復讐心が抑えられるはずがありません。
結局、デイブ兄は復讐を決意します

My plan's rather vindictive
俺の計画はむしろ執念深い
Everybody's a victim in my eyes
誰もが殺す対象に見える
When I ride it's a murderous rhythm
俺が運転すればそれは殺人のリズムだ

そして、最後にケンドリックにお願いをしますが…

And I love you 'cause you love my brother like you did
俺はケンドリック、お前が大好きだ、お前が俺の弟を好きでいたように
Just promise me you'll tell this story when you make it big
お前が大物になった時この話をしてくれるって約束してくれよ
And if I die before your album drop, I hope— [Gunshots]
もし俺がお前がアルバムを出す前に死んだら、その時は…(銃声)

そう、デイブの兄はお願いの途中で撃ち殺されてしまうのです。

Promise that you will sing about me
俺のことを歌ってくれるって約束してくれ
I said when the lights shut off and it's my turn to settle down, my main concern
明かりを消して寝る頃になったら
Promise that you will sing about me
俺のことを歌ってくれるって約束してくれ

寝る頃になったら俺のことを歌ってくれと言うのがどういうことかというと、ヒップホップにはNasがN.Y. State of Mindという曲で書いた sleep is the cousin of death (死は睡眠のいとこである)というウルトラ有名なラインがあり、ようは俺が死んだら俺のことを歌ってくれよって繰り返しお願いしている格好になります。

2番では、キーシャという登場人物とその姉が出てきて、この人は対照的に自分のことを曲として書かれたことをかなり嫌がっています

You wrote a song about my sister on your tape
And called it Section.80
お前、私の妹(キーシャ)についての曲をSection.80ってアルバムの中で書いてたな
The message resembled "Brenda's Got a Baby"
あれ、Brenda's Got a Babyにそっくりな曲だったけど
What's crazy was I was hearin' about it
聴いてて狂いそうになった

Section.80ってのは、インディーズ時代にケンドリックが出したアルバム。
キーシャについての曲はKeisha's Songというもので、若い売女がレイプされて殺されるという内容です。

それが、2Pac (ケンドリックが最も崇拝する伝説的ラッパー)のBrenda's Got a Babyに似てて、非常に不快だったと言っているのです。

しかもこのキーシャの姉も曲中で死んでしまいます。

3番では、ケンドリックは自身を振り返り、自身の死について考え始めます。

Sometimes I look in the mirror
俺は時々鏡をみて
And ask myself: Am I really scared of passin' away?
自分に問いかけるんだ、「本当に俺は死ぬことを恐れているのか?」って

I wrote some raps that made sure that my lifeline reekin'
ラップを書いて自分の生命線を確認した
The scent of a reaper, ensurin' that my allegiance
死神の臭いがしたんだ、たぶん俺は
With the other side may come soon, and if I'm doomed
もうすぐ裏側(死後の世界)に行っちまうんだろうなって、それが運命なんだよ

And I'm not sure why I'm infatuated with death
なんで俺が死を恐れているかよくわかんないし
My imagination is surely an aggravation of threats
想像することでより悪化している気がする

そしてケンドリックは、自身が死にたくないのはなぜか、それはラッパーとして大成するという夢があるからであること。一方で、夢は寝るときに見る方の意味もありますが、前述の通り睡眠は死のいとこでもあるので、自分が生と死の狭間にいる存在であると悟るのです。

Maybe 'cause I'm a dreamer and sleep is the cousin of death
俺は夢想家だから、そして睡眠は死のいとこだからさ

そしてだからこそ自身の経験をラップしていかなければならないと覚悟します。


ここまでがパート1。続いてパート2「I'm Dying of Thirst」です。

Tired of runnin', tired of huntin'
走るのに疲れた、やり合うのに疲れた
My own kind, but retirin' nothin'
俺のことだが、何も得られないだろ

ケンドリックは終わりのない暴力のサイクルに飽き飽きしています。特に現在進行中のCripsとBloodsの間のギャングの対立とそれに伴う暴力にはうんざりなのです。

How many sins? I'm runnin' out
どんぐらい罪を犯した?逃げ出したくなる
How many sins? I lost count
どんぐらい罪を犯した?もう数えきれない

最後、デイブの死に対する怒りを抑えられないケンドリックとデイブ兄は、おばあさんに出会います。

Fuck! I’m tired of this shit!
クソ!もううんざりだ!
I’m tired of fuckin' runnin', I’m tired of this shit!
走んのもうんざりだ、こんなクソな人生もうんざりだ!
That’s my brother, homie!
弟だぞ!死んだのは!
Young man, come talk to me! Is that what I think that is?
おばあさん「ちょっとそこの若い人、どうしたの、本当にそう思ってる?
I know that's not what I think that is
そう思ってないでしょう
Why are you so angry?
なんでそんなに怒っているの?
See, you young men are dying of thirst
あなたたちはのどが渇いて死にそうなのよ。
Do you know what that means?
どういうことかわかる?
That means you need water, holy water
あなたたちには聖水が必要なの。
You need to be baptized, with the spirit of the Lord
神のご加護のもとで洗礼を受ける必要がある。
Do you want to receive God as your personal savior?
救護者として神のご加護にあずかりたくない?
Okay, repeat after me:
…うん、繰り返して
"Lord God, I come to You a sinner."
神様、私は罪を犯しました。」
(Lord God, I come to You a sinner)
ケンドリックたち「神様、私は罪を犯しました。」

以下、神に罪を告白するのが続く

おばあさんのもと、ケンドリックとデイブ兄は神に罪を告白することになります。

時系列を考えると、この女性との会話はデイブが死んだ直後、デイブの兄が復讐を決意する前に起こっています。
つまり、デイブの兄は、おばあさんと信仰、そして暴力は負のループしか生まないという悟りにもかかわらず、最後にはデイブ兄自身を殺すことになった復讐の道を辿るのを止めることができなかったということです。

これは、信仰だけでは人を救うことはできないということ、あるいは真に信仰していなければ祈っても意味がないということを表しています。


11曲目:Real

このような経験をしてきたケンドリックが何に気づいたのか、ということを描いた曲です。

The days I tried to cover up and conceal
隠蔽して隠そうとした日々
My pride, it only made it harder for me to deal
プライドは、対処を難しくしただけだ

若い時は同調圧力に負けて自分のことを隠し続けてきたgood kid、ケンドリックが、ついに街の異常性に気づきました。

You're living in a world that come with plan B
プランBの世界に住んでいた
Cause plan A never relay a guarantee
ここではプランAは保証されないし
And plan C never could say just what it was
プランCは何かよくわかんねえから
And your plans only can pan around love
そしてお前は愛なしでは成立しないんだ

But what love got to do with it when you don't love yourself?
自分を愛していないのに、愛は何のためにあるの?

When living in a world that come with plan B
プランBの世界に住んでるときは
A scapegoat cause plan A don't come free
スケープゴートのせいでプランAは手に入らない
And plan C just an excuse like "because"
プランCは言い訳でしかないよな
Or the word "but," but what if I got love?
「なぜなら」とか「でも」とか言ってさ、まずは人を愛することが必要なんじゃないか

Should I hate living my life inside the club?
クラブにいる人を憎むべきか?
Should I hate her for watching me for that reason?
そういう目で俺を見てくる女を憎むべきか?


コンプトンでは、みんなが自分の欲しいもの(プランA)が簡単に手に入らない世界に住んでいます。大抵の人は自分のスケープゴートである(プランB)に住んでいるんですが、自分の手に負えない理由(差別など)でプランAにたどり着けないからとか、悪事に浸るなどして、言い訳を作ってプランBを謳歌しています。

そしてそれを救うのはであると気づいたのです。
愛は、人はもちろん、自分を愛することも非常に重要です。

一方で、彼が愛するものを憎むべきかどうかという葛藤もあるのです。クラブにいる人たちや、自分のことを好きでいてくれる女性は、愛する存在ですが、同時に、今までずっと彼に同調圧力や悪影響を与えてきた人たちでもあります。

結局結論としては

I do what I wanna do
俺はやりたいことをやる
I say what I wanna say, when I feel, and I
言いたいことを言って、感じたいときに、そして
Look in the mirror and know I'm there
鑑をみて自分を確認して
With my hands in the air, I'm proud to say yeah
手を掲げて、自分を誇りに思うんだ
I'm real, I'm real, I'm really, really, real
俺はリアルなんだ、本当に、俺はリアルなんだ。

リアルとは何か。それはこの曲で挟まれる父親からの電話に描かれています。

Real is responsibility.
リアルとは責任だ。
Real is taking care of your motherfucking family.
リアルとはお前の家族を背負うことだ。
Real is God, nigga
リアルはだ、わかったか?

そして彼は、自分がリアルであり、自分の作る音楽こそが自分そのものであるということを悟り、心に決めることになります。

Sing my song, it's all for you
俺の歌を歌おう、それが俺のすべてだ

最後は、決意を固めたケンドリックに対する母の留守電メッセージで締められています。

"If I don't hear from you by tomorrow, I hope you come back and learn from your mistakes.
母「明日までに連絡がなかったら、戻ってきて失敗から学んでほしい。
Come back a man, tell your story to these black and brown kids in Compton.
戻ってきてコンプトンの黒人と茶色の子供たちに自分の話をして
Let 'em know you was just like them, but you still rose from that dark place of violence, becoming a positive person.
お前も彼らと同じように暴力の暗い場所から立ち上がって肯定的な人間になったと伝えなさい。
But when you do make it, give back with your words of encouragement, and that's the best way to give back. To your city...
だが成功したら、励ましの言葉で恩返しをしなさい。それが街に恩返しをする最善の方法だよ
And I love you Kendrick, if I don't hear you knocking on the door you know where I usually leave the key. Alright? Talk to you later, bye.
そしてケンドリック、愛してる。ドアをノックする音が聞こえなかったら... いつもどこに鍵を置いているか知ってるでしょ?また後でね、バイバイ。」


12曲目:Compton

最後は、このコンプトンという街についての曲です。
エピローグですね。この曲だけ現在のケンドリック・ラマーの視点で、物語を振り返って今どうあるかという感じの曲です。

これがまた憎い演出で、コンプトンを、そしてギャングスタ・ラップを代表するラッパーでありプロデューサーであるDr.Dreとのコラボになっています。


Now everybody serenade the new faith of Kendrick Lamar
今誰もがケンドリック・ラマーの新たな信頼を祝っているんだ
This is King Kendrick Lamar
これが王者ケンドリック・ラマーだ
King Kendrick and I meant it, my point intended is raw
ケンドリック・ラマー、俺が伝えたいのは生々しい現実さ

ケンドリック・ラマーはデビュー前からそのスキルを絶賛されており、Dr.Dre、Snoop Doggなどの超大物の賛辞を受けながらデビューしました。
そしてこのアルバム、および前曲Realで決意したように、自分の生々しい経験を伝えていきます。

And the chapter that read at 25 I would live dormant like five in the morning
聖書の25章のように仲間と平和に暮らすんだ

Compton, Compton, ain't no city quite like mine
コンプトン、こんな町は他にないぜ

そしてDr.Dreの語るコンプトンは

Still I'm at it, peel the plastic off it, you can feel the magic
俺はまだここにいるよ、みんな変なレッテルを貼ってるが優しさもあるんだ
Still I'm laughing at the critics talking, I can see 'em gagging
批評家がバカなこと言ってると笑えてくるぜ

It's the murder cap' and I'm captain at birthing this gangsta rap
殺人的な街で、俺はそのギャングスタ・ラップのリーダーだからな

So tell that gangster throw his set high
ギャングスタがみんなをハイにさせて
Roll it up in a blunt, I'mma take you on the next high
大麻をまいて、また別のハイを経験させる
I did exactly what I wanted that's what made them checks fly
俺はやりたいことをそのままやって大金を稼いだんだ

Dr.Dreの偉いところは、このアルバム通してみると「ギャングスタ・ラップなんかやってごめん」みたいになってもよさそうなところを、きちんとギャングスタ・ラップをレぺゼンしているところだと思います。


Now we can all celebrate
今俺たちは祝うことができるんだ
We can all harvest the rap artists of N.W.A
N.W.A (Dr.Dreが所属していたコンプトンの伝説的グループ)の恩恵を授かることができる
America target our rap market, as controversy and hate
アメリカは俺らヒップホップ界を議論の的にしてるけど
Harsh realities we in made our music translate
俺たちがいるこの厳しい現実が音楽を変えちまったのさ


こうしてコンプトンをしっかりレペゼンして、Dr.Dreなど超大物からそのDNAを受け継いだケンドリック・ラマーは、前曲Realで悟ったリアルを基に、自分たちの現実をしっかり綴ることを決意したのでした。


この曲の最後に、ちょっとしたセリフがあります。

Mom, I finna use the van real quick!
母さん、ちょっと車借りるね!
Be back, 15 minutes!
15分で戻るから!

これは、1曲目Sherane a.k.a Master Splinter’s Daughterでも実は言及されており、

Please leave your message for three-two-three
Record your message after the tone
ピーと言う音が鳴りましたらメッセージをどうぞ
Kendrick, where you at?
母「ケンドリック、どこにいるの?
Damn, I'm sittin' here waitin' on my van
車使うんだけど
You told me you was gon' be back in fifteen minutes
15分で戻るって言ってたじゃない」


というわけでこっからまた1曲目に戻って楽しむこともできるんですね。

さらに、今回は解説しませんがこのアルバムのボーナストラックはぴったり15分になっています。どこまですごいんだケンドリック・ラマー。


まとめ

以上、超絶に長い記事でしたが、ケンドリック・ラマーのメジャーデビュー作であり大傑作、good kid, m.A.A.d cityを解説させていただきました。
いかがでしたでしょうか。

この記事書くの5時間ぐらいかかったので、他のアルバムは解説しませんが、ケンドリック・ラマーは全作品が名作で有名ですので、他のも聞いてみてくださいね。


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