JFL 第8節 高知ユナイテッドSC 戦プレビュー


第5節 高知ユナイテッドSC 0-2 HondaFC 感想

最初に結果だけを見てHondaFCが2得点上げていたので、おそらく圧倒して勝ったんだろうなと勝手に試合前予想したのだが、実際に試合を見てみるとそれはかなり違っていた。この試合をコントロールしていたのはむしろ高知で、HondaFCのお家芸であるエンジン全開フルスロットルの押し込んだ攻撃は、全くブーストが上がってこないままほとんど影を潜め、ゴールを奪った2得点もどちらかといば幸運によるものが大きかったように思える。それを証拠に、ゴールシーンでの監督は全く喜んだ素振りも見せずにただ頭をかかえていたからだ。そのため、HondaFCらしい崩しが見えたのは30分のチャンスぐらいだった。それでは高知のプレッシングが90分間終始効いていたのかというと、後半から得点が入る78分までは確かに積極的な姿勢が高知に見られていたのだが、それ以外はそこまで迫力あるプレッシングをかけられていなかった。しかし、中盤から最終ラインにかけて巧みに連動して守り、HondaFCの攻撃から未然に防いでいるように感じた。それだけに、高知としては68分の相手陣内でのポジトラから、左WBの16番が左サイドの高い位置まで走り、そこからのクロスに右SHが飛び込んだが決定機を決めきれす敗戦したのは見ていてとても残念だった。

第6節 ヴェルスパ大分 0-1 高知ユナイテッドSC 感想

大分の攻撃は、左CBの3番を起点にロングボールを多数入れて相手陣内へ進入し何本かシュートを放つも、高知の長身が並ぶ3バックの鉄壁な守備に要所を阻まれ、決定的な場面をほとんど作れないまま時間が過ぎていき、終わってみれば無得点となった。一方高知は、前後半の立ち上がりの10分程は、前線5人が積極的なプレッシングでショートカウンターを狙っていたが、それ以外は、大分のロングボールの対応にミドルゾーンで構えることが多くなった。そのため、攻撃についてはGKのロングボールからの組み立てが中心となっていたので、高知もそこからボールを運んで前進を試みるものの決定的な場面を作れず、お互いロングボールを蹴り合う単調な展開が続いていた。しかし67分、大分のロングボールの対応後に、高知陣内からCHの6番を起点にして、左WBの16番が広大に空いていた左サイドを相手陣内の左ポケットまで一気にドリブルで運び、CFの11番へスルーパスをして見事にゴールを奪い取り決勝点を上げた。この1発の速攻を決めきった高知がそのまま最後まで守りきり、高知としては開幕以来の2勝利目を上げた。

天皇杯 高知県代表決定戦
高知ユナイテッドSC 2-0 KUFC南国

ハイライト動画のため内容はほとんど分からなかったが、おそらくは高知が一方的に相手陣内へ押し込んでゲームを進めていたのではないかと思える。それはCFの11番が先制点を決めた67分、喜びより先に安堵感に包まれた表情を浮かべていたからだ。その後CFの11番が2得点目を上げて見事に高知代表の座を決めた。

第7節 高知ユナイテッドSC 1-1 ヴィアティン三重

5/1㈰に行なわれる予定だったが選手の体調不良により中止となり、5/11㈬の平日午後開催を余儀なくされたこの試合。しかも、試合前には降雨という悪条件が重なってしまったために、観客数も150人と平均観客動員という観点からみても非常に厳しい試合となってしまった。しかし、試合内容は全く違っていた。悪条件が重なるなか選手達はとても熱い試合を見せてくれた。そのことに試合内容どうのこうのよりもまずは感謝したい。そして、まだこの試合を見ていない人がいるならぜひとも見てもらいたい。それはYou Tubeの再生回数を伸ばすことがせめてもの選手達へのエールとなるからだ。

さて、この試合は立ち上がりに高知がセカンドボールの回収率が高く、3CBの中央の10番を起点に高知ペースでスタートした。しかし、15分過ぎてくると最終ラインを正三角形とした三重が、しっかりと後方から繋ぎチャンスを幾つも演出して試合をリードしていった。後半に入ると高知のプレッシングの強度が上がり、ショートカウンターからチャンスを作り出す場面が次第に増え、82分、サイドの揺さぶりから右WBの28番の素早いクロスにHTから替わって入ったCFの9番が、背面からの技ありのワンタッチシュートが見事に決まって先制点を上げた。ところが、前節の奈良戦でもみせた三重の驚異的な粘りが、90+4分にまたしても炸裂して怒涛の同点ゴールを上げた。そこから高知も切り替えが早く、あわや決勝点かと思われたシュートが無念にもゴールポストへ当たり、重ねて打ったシュートも相手のGKのスーパープレーによって阻まれドローとなってしまった。高知のホーム初勝利への執念を強く垣間見た、とても熱い素晴らしい試合だった。


vs 高知ユナイテッドSCプレビュー

この3試合を見てみると高知の基本フォーメーションは3-4-3。攻撃時は三重戦以外はおそらく3-3-3-1で、GKはほとんどロングボールを蹴るところから始めていた。ビルドアップ時はCHの6番を起点に縦に速い速攻よりもさらに速いイメージで両WB、特に左WBの16番が左サイドを駆け上がって自陣からカウンターでチャンスを作っていくスタイルが目立った。守備時は5-4-1で、前後半の立ち上がりにみせたハイプレスの時は、前線5人が相手の最終ラインを掴みに行っていた。しかし、高知の守備に関していえば5-4の2ラインが強固にブロックを形成し、概ねミドルゾーンまで相手を引き寄せておいてから、最終ラインの長身の3CBが体を張ってボールを掻き出すことに専念している場面が多くあった。この3CBの守備の安定こそが高知の最大の特徴かと思われる。

そんな高知の要注意選手が左WBの16番。三重戦での出場はなかったが、その他での試合では彼からの攻撃のスイッチのスピード感はとても強力で、左サイドをドリブルで駆け上がられてしまうと、そう簡単に誰も彼を止められないだろう。しかも、そこから絶妙なところへ正確なアーリクロスが入ってくるので、対応するDFは相当厳しいものになる。見ている側からしてみれば、この彼とDFとのマッチアップは非常にスリリングな勝負となるので楽しみではある。他にも彼からのリスタートもチャンスを数多く作っていた。彼が出場すれば奈良クラブにとって驚異になるのは間違いない。

もう一人の要注意選手がCHに位置することが多い6番の選手だ。三重戦以外の攻撃はほとんど彼から起点となることが多く、そのパスセンスはピボットとしては素晴らしい才能の持ち主だ。それと同時に守備能力もとても高く、ネガティブトランジションから彼の即時ボール奪取により、高知の危なくなる場面から幾度もなく未然に救いそこからショートカウンターへと攻撃に転じていった。

最後の一人は、三重戦で開幕戦以来のスタメン起用となったCBの10番である。三重戦では攻撃の起点を作っていただけにとどまらず、守備の統率力はもちろん、リーダーとしてチームの精神的支柱をみなっているように感じたので、彼の経歴を調べてみるとそれはすぐ理解した。ここでは改めて書かないが、もし興味がある方は調べてみるとよいかもしれない。彼のような選手がピッチで活躍するのを間近で見られるこのJFLというカテゴリーは、本当に意義のある素晴らしいものなのだと改めて実感した。その他にもGKの1番、右WBの28番、CFの11番と9番とやはり土佐は強者揃いだ。


このように、高知も奈良クラブにとってとても強敵だということが分かる。しかも、アウェイとなると移動も含めかなり難しい試合になると予想される。そんななか奈良クラブが試合をリードして進めていくためには、開始早々は高知からのハイプレスを上手く回避して、GKや両CBなどがCFへシンプルにロングボールを入れてゴールを奪いにいくことだと考える。先述したように、高知の長身の3CBを始めとする強固なブロックはそう簡単には崩せないだろう。しかも、ボール奪取されてからのカウンターは本当に要注意だ。そのため、大分もスカウティングの結果、ロングボール中心で攻撃を組み立ててきたのだろう。高知の最終ラインを押し下げる意味でも単純だがもっとも効率的な攻撃ではないかと考える。三重も15分〜45分までの好機に得点が入っていれば、その後はもっと追加点を上げて勝っていたと思われるので、奈良クラブも早い時間帯にゴールを奪うことが勝利の第一条件になると考える。それぐらい高知のカウンターは非常に危険だ。

もしも60分を過ぎて0-0のスコアだった場合は、HondaFCのようによほどの幸運に恵まれないと、守備意識の高まった高知から奈良クラブが押し込んでゴールを奪うことは厳しいだろう。それでもそこからゴールを奪うためには、サイドを起点にして、60分過ぎた辺りから下がり気味になる高知の最終ラインの間へIHが強引に入っていって、CFや両WGが空けたスペースを付いてシュートを打てるかに決まってくる。繰り返しになるが守備が強いチームには先制点がやはり重要だ。

それ以外に攻撃で高知からカウンターを防ぐためには、これまでの奈良クラブによくあった不用意なバックパスからのパスミスだ。高知からすると、奈良クラブがパスミスをするところを虎視眈々と必ず狙ってきているので、これは絶対に避けなければならない。そのためには、カウンターを過剰に恐れず最終ラインをある程度は押し上げ、例えパスミスしてもセカンドボールをすぐに回収できるようにコンパクトに保つことが大切だ。

守備に関していえば出場するかは分からないが、高知の左WGの16番、CFの6番、CBの10番の選手からカウンターの起点を作られないように、彼らをマークする選手は縦と外へのパスを出されないようプレッシングすることに気を付けたい。そして、ネガティブトランジション時には森田選手を中心に、いかにして早いタイミングで高知のカウンターの根を潰すかにかかってくるだろう。それでも高知がカウンターを仕掛けられた時は、勇気を持って最終ラインを押し上げてオフサイドで対応できればと考える。そして、自陣深くまで攻め込まれた時は、新宿戦の2失点目のような最終ラインと2列目の空いたスペースを使われないためにも、しっかりと連動して相手にフリーのような状態でシュートを打たれないようにすることが重要だ。

そうだとしても、高知の高速カウンターを防ぐことは難しいかもしれない。そのため序盤で先制点さえ取っていれば、70分過ぎた辺りから後方に重心を傾けながらクレバーに試合を進めることが可能になる。そこから逆に奈良クラブがカウンターを狙うチャンスも出てくるかもしれない。やはり先制点が鍵となるのは間違いない。遠路はるばる高知まで訪れるファンサポーターたちのためにも、是が非でも勝ち点+3を獲得してもらいたい。そして、高知の名物はかつおのたたきだけではない!TVで話題の味噌カツラーメンと鍋焼きラーメンとチキン南蛮オーロラソースを肴に勝利の美酒に酔ってもらいたい!

得点予想は今回はリアルに、1-0!!!!!!!!!!!!!
で、奈良クラブのアウェイ勝利!!!!!!!!!!!!!

バモバモ奈良クラブ!!!!!!!!!!!!!!!!!
まだまだまだまだこれからだ!!!!!!!!!!!!!!


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