JFL 第10節 FC大阪 プレビュー

第8節 ヴィアティン三重 1-1 FC大阪 感想

小雨降りしきるなか、FC大阪の選手の体調不良により5/21㈯に代替試合が行なわれたこの試合。そのせいもあって観客数も594人という三重にとって観客動員的にも非常に厳しいものとなった。そのことを考えると、三重としてはホームで是が非でも勝たないといけないというゲームではあったが、前半は後方からボールを繋ぎ試合のペースを握るもののゴール前での迫力不足は否めず、FC大阪の速いトランジションの前に上手く対応することができなかった。そして、45分にリスタートから先制され前半は後手に回る展開となっていた。後半に入るとスイッチがようやく入ったのか積極的に前へ前へと推進力が上がり、その結果またしても右SB24番が右サイド深くの角度がないところから鮮やかにゴールを決めて同点に追いついた。一方FC大阪は、そんな三重に対して前半のような迫力が影を潜め、ブラジル人選手2人を含む計5人を交代でピッチに送り込んで勢いを寄り戻したい考えだったが、結局それは叶わず試合は1-1のドローで終了した。しかし、FC大阪のブラジル選手でもある右SH11番とFW9番の存在感は、終盤途中からの交代ではあったもののその存在感の違いをピッチ上で存分に見せつける格好となった。

第9節 FC大阪 3-2 高知ユナイテッドFC 感想

立ち上がりはお互いの様子を伺うような展開からスタートしたこの試合。FC大阪は三重戦で途中出場して初出場したブラジル人の11番が、彼の状況判断でトップやボランチやサイドなどポジションチェンジを行い、彼を攻撃の起点としてボールを集めてゲームを進めていった。高知もそこはしっかりと試合前にスカウティングができていたのか、彼を自由にさせることなく厳しいタイトなマークを徹底したことで、30分過ぎた辺りから、彼がボールに絡むことは少なくなりFC大阪の攻撃は散発的な状態となっていた。そして、中盤でなかなか連携が噛み合わないと監督が判断したのか、HTで彼を交代させた。後半に入ると、それまでバックラインを低めに設定していた高知が前から積極的に仕掛けたことで先に先制点を奪う。そこからはお互いがパンチアウトの如く打ち合いのシーソーゲームとなり、FC大阪は79分に入ったFW38番が90+4分に積極的なプレッシングでボールを奪い、ペナ内左側から素早いカットインで豪快にシュートを決め開幕戦以来のホーム初勝利を挙げた。一方高知は敗戦はしたものの、2得点目では左WB16番の左のアーリクロスからCF9番が鮮やかに決め、今期初めての複数得点を挙げたことは今後の期待へ繋がるゴールだった。

vs FC大阪戦プレビュー

この2試合を見てみるとFC大阪の基本フォーメーションはシンプルに4-4-2。前節の武蔵野と同じく攻撃時や守備時で決まった可変的なポジショナルプレーはほとんど見当たらず、攻撃時に2CBの間にどちらかのボランチが降りて入ってくることはよく見られた。そして、武蔵野とこれも同じく各選手達が各々その場その場で状況判断をして様々にポジションチェンジを繰り返して行ってくるので、奈良クラブとしてはマークの受け渡しが非常に苦労をするのではないかと思われる。攻撃については、GKがほとんどロングキックを蹴ることから始め、FW7番が主にターゲットマンとなってボールを収める。そこから左SB6番と右SH18番が両サイドからの速攻を主体としながらも、この2試合では最終ラインへバックパスをしたりするなどゲームを落ち着かせる遅攻も見せていた。守備については、前線からインテンシティの高いプレッシングをかけ、最終ラインもハイラインに上げて積極的にハイプレスでボールを奪うことを優先事項としている。しかし一方で、ただがむしゃらにプレッシングを仕掛けてくるだけではなく、状況次第では前線は相手のCHの位置でスクリーニングをかけて、2ラインはじっくりとミドルゾーンで待ち構えることも使い分けていた。相手に押し込まれた場合でも3ラインがしっかりと強固にブロックを形成して、長身の右CB35番がゴール前で対人能力が高い安定した守備を見せ、幾多のピンチも体を張ったプレーでゴールを死守していた。

そんなFC大阪の要注意選手が「走力こそがFC!」とFC大阪の関係者が言い放った言葉を代弁するかのような選手でもある、右SH18番だろう。とにかく彼の運動量は底知れずスタミナに関していえばJトップクラスといっても言い過ぎにはならないぐらいに、この2試合ではよく動き回っていた。もちろん走力だけではない。三重戦では右サイドから入ってきたボールに対して、果敢に進入してペナ内の密集した場所でも見事にゴールしてみせた。高知戦でも2得点に絡むアシストを決めており、まさにFC大阪のダイナモ的な存在となっている。また頭髪も金髪で、奈良クラブにはいないようなちょっとやんちゃな雰囲気も醸し出していて、広いピッチで動き回っているとひときわ注目を浴びる選手だ。子ども達に人気があるのも頷けるし、何より彼が走り回ることでスタジアムがヒートアップするのは本当に素晴らしいことだ。奈良クラブとしても彼を自由に動き回らせてはいけない。選手同士が上手く連携して彼をマークできるかがポイントだろう。

次の要注意選手が、ブラジル人の11番だろう。高知戦ではまだ他の選手との連携が不慣れなせいもあって、HTで交代することになってしまったが、この2試合での彼のポテンシャルの高さはもちろんJFLを軽く飛び超えていると感じた。ボールの収め方やトラップ、ポジショニング、パススピード、フィジカルの強さとその使い方、そしてシュート力。全てにおいてテクニックでは他の選手より圧倒的に勝っている。もし彼のインスピレーションと他の選手とが噛み合わされば、今後FC大阪はとんでもない次元へたどり着くのではないかと恐れている。奈良クラブとしては、彼がスタメンから出場するかは今のところは分からないが、高知と同じように彼に対してはかなり意識的にハードなマークを1人2人と続けていかないと、簡単に彼から決定的な場面を作り出されることになるだろう。

その他では、レフティの左SB6番。リスタートでの彼の左足から繰り出される正確無比なキックはとても素晴らしく、この2試合では直接ゴールは生まれなかったが、奈良クラブとしては自陣で無用なファールは絶対に避けなければいけない。そして、もう一人のブラジル人の長身大型FW9番。アクロバティックなゴールも過去に決めているらしく、彼が出場すればゴール前はかなり忙しくなるだろう。果たして奈良クラブは彼のシュートを抑えることができるのか?FW15番も裏のスペースへの飛び出しが素晴らしいと聞いている。GKから15番へのロングカウンターには要注意だ。

そんなFC大阪に対してどうやって奈良クラブが攻撃していくのか。その第一はFC大阪の土俵に乗らないことだろう。目まぐるしく回転するような、あまりにも速すぎるトランジション競争からは絶対に奈良クラブとしては避けるべきだ。これに付き合ってしまうと相手の思うつぼだ。必ず気をつけて欲しい。そのためには、速攻でCFへ一本槍にクロスを集中するだけではなく、時には最終ラインへバックパスなどを使ってボールを落ち着かせることも必要だ。そして、中盤の選手が人数をかけて相手陣内へ圧力をもって進入し、いかにして分厚い攻撃をFC大阪に対して仕掛けられるかにかかってくるだろう。CF以外のポジションの選手がゴール前で泥臭いゴールを奪う場面も見てみたい。それには素早くて正確な状況判断が選手達には試される。奈良クラブの選手達なら大丈夫だと私は信じている。ぜひとも勇気を持ってチャレンジしてもらいたい。他には浮き球に対してはSTがしっかりとボールを収めることも大切だ。

次に守備についてだが、FC大阪のようなトランジションに強みを持っているチームには、セカンドボールを取れるかがが非常に重要になってくる。先述したが、FC大阪はFW7番がターゲットマンとしてボールを収めてくる。彼との競り合いに負けてしまうと奈良クラブの最終ラインはずるずると後退してしまうことになってしまうので、絶対にFC大阪からセカンドボールをものにしたい。そのためには、FC大阪以上の熱さをもって球際で負けないことが重要だ。もちろんファールをもらってしまっては元もこうもない。体は熱く頭は冷静でなんとか対応してもらいたい。そして、もっとも重要なのはリスタート。三重戦の先制点でもそうだったが、FC大阪は第6節HondaFC戦になんと先に失点してから終盤に入ってアウェイで逆転勝利を収めている。そのとき2ゴールともリスタートからゴールを奪っていた。それだけにFC大阪のリスタートは危険だ。先述した左SB6番のキックは気をつけなければいけないが、ボランチの8番のキックも正確だ。そして、FW7番、長身右CB35番、左CB13番の頭にも最大の注意が必要だ。奈良クラブは岡﨑戦、三重戦、武蔵野戦でリスタートから手痛いゴールを奪われている。なんとかしのいでもらいたい。

最後に、FC大阪は全選手が本当に熱があり個の力を全面に押し出してくる、めちゃくちゃハートフルでソウルフルなチームだ。おそらくそれは、とにかくFC大阪の関係者が熱過ぎるハートをこれでもかっ!というぐらいに持っているからで、「走力こそがFC!」って叫ぶ姿が選手達へ広がっているからだろう。対して奈良クラブは、どちらかというとどこか落ち着いている印象を私は持ってしまっている。このFC大阪戦ではそんな私をぜひとも熱いプレーで見返してもらいたい!気持ちでは絶対に負けるな!魂のせて闘志を見せろ!阪奈ダービーor生駒山ダービーに負けは許されない!だから今回の得点予想は…

3-0で奈良クラブの勝ち!!!!!!!!!
バモバモ奈良クラブ!!!!!!!!!

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