"ビタミンCやソラレンが日焼けの原因に"の誤解を解きたい!

ビタミンCの生理作用に「メラニンの色素沈着の緩和=日焼けして肌が黒くなるのを防ぐ」というものがあることは多くの人に知られているのではないだろうか?
その一方で「ビタミンCは日焼けの原因になるので朝にビタミンC美容液を塗ってはいけない」「果物を食べた後、ビタミンC(orソラレン)の血中濃度が高いまま日光を浴びるのは良くない」という情報も見かける。つまり、ビタミンC(orソラレン)を体に取り入れたあと紫外線を浴びるのは、日焼け・シミ防止の観点からみると逆効果というわけだ。

これらの誤解について今回は私なりに少し考察をおこなっていこうと思う。

まずはビタミンCがシミの原因になるというのは全くの誤解である。おそらく"ソラレン"という物質との混同だろう。ビタミンCを多く含む柑橘類などの食品にはたいていソラレンが含まれている。そこから起こった勘違いだと思われる。確かにソラレンは紫外線に反応して肌に影響を与える「光毒性」を持っている。

次に言いたいのがソラレンは(乱暴に言ってしまえば)シミの原因とはならないこと。
ここからは、駒沢女子大HPから全面的に引用。

美肌や美白のためには、日焼けやシミは避けたいですね。そんな時に気になる情報が、「ソラレンを多く含む食べ物」です。最近5年間で、ネット上の多くのサイトに、次のような情報を見かけるようになりました。

[ これは誤った情報です ]

・ソラレンを多く含む野菜
セロリ、パセリ、アシタバ、大葉、三つ葉、じゃがいも、きゅうり
・ソラレンを多く含むフルーツ
レモン、オレンジ、グレープフルーツ、みかん、キウイ、いちじく

そしてこれらの野菜やフルーツを朝食べると、ソラレンの影響で日焼けやシミの原因になるので、夜食べるのがお勧めとも書いてあります。

推定500~600かそれ以上のサイトに同じような記載がありますので、つい信じてしまいますよね。でもそれらのサイトの記述には、共通した怪しい点がいくつもあります。どのサイトも書き方が非常に似通っていることと、文献や信頼できる出典が一切引用されていないこと、そして何よりも実際の含量が何一つ書いてないことです。この状況から考えると、ある一つのいい加減な情報が、多くのサイトに拡散している可能性が非常に大きいと思われます。

美肌や美白の意識が高い人たちへ向けて

信頼できる文献を調査し以下に公表します。

https://www.komajo.ac.jp/uni/window/healthy/he_diary_teacher_20002.html

としてソラレン含有量一覧表を公開している。(キウイに関しては先生自ら測ってみたそう)詳しくはご自身でHPを確認していただきたい。
ほかにも日焼けに影響が出る閾値mgなどが丁寧に記されている。

ざっくり結論を述べると、ソラレンを比較的多く含んでいる食べ物に関してもキロ単位で食べない限りは無視できる程度である!

そして、この文章は以下のように締めくくられている。

上記のような真相を明らかにするのは、ずいぶんと大変でしたが、やっぱりキウイフルーツは、何一つ理由がないまま、ソラレンを多く含む果物に仕立て上げられたことがわかりました。どうにか真相が明らかとなり、また情報元の出版者様には公式にご訂正をいただき、このとんでもない濡れ衣は晴れました。しかし、ネット上に拡散した誤情報が消えることはありません。このだれも得をしない、そして、だれも幸せにならない誤情報を少しでも少なくするために、どうか皆さま、正しい情報の拡散にご協力をお願いいたします。

ソラレンに関しては私もずっと誤解をしていたので戒めをこめて、正しい情報の拡散に少しでも協力したいと思い、この記事を書いた。

レモンを顔に乗せたまま日光浴をしない限りは大丈夫じゃないかな。昔アンビリーバボーかなんかでプールサイドでオレンジで遊んで?パックして?日光性皮膚炎になった子供たちが紹介されていたから…

西山一朗(2020)「「果物や野菜に含まれるソラレンの量はどのくらい?」にお答えします【拡散希望】」駒沢女子大学

https://www.komajo.ac.jp/uni/window/healthy/he_diary_teacher_20002.html

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