ぼくの趣味は読書です。
みなさん元気ですか?暦です!
ぼくはとっても元気です。
みなさん趣味を楽しめてますか?
ぼくはとってもいい感じに楽しめています。
半分は辻村深月さんのおかげです。
なぜならぼくの趣味は読書だから。
今回はぼくが読書好きとなったあの日の思い出を赤裸々に語りたいと思います。
いわゆるエッセイです。
♢
「この本はぜったい、面白い」
そう念じながら一冊の本を手に取った。
『サクラ咲く
著/辻村深月』
羅列された活字を目の前にすると物怖じするくせに、「趣味は読書だと言えたらかっこいい」という幻想を捨てきれなかった当時のぼくは、たっぷり1ヶ月かけて文庫本を読んでいた。
背表紙のあらすじを見て、表紙の絵を見て、帯の煽りを読んで、本の厚さを確かめて
慎重に読めそうな本を選んでは、1ヶ月かけて読んでいた。
ぼくの好きなサクラが表紙にあったこと。
ぼくの好きな春が舞台であったこと。
本の厚みや裏表紙の文句を見て、これなら読めそうと選んだ。
しかし本番はここからだ。この後楽しめる1ヶ月になるか、読まなきゃという義務感にかられる1ヶ月になるかはこの本にかかっている。
「趣味は読書です」と言えるようになるためにも。でもできることなら楽に読み終わりたい。
だからこそ念じたのだ。
「この本は、ぜったい面白い」と。
♢
どうやらこの本は3部構成の短編集だ。
目次に書いてあるんだから当たり前にわかるのだけれど。
まず1部目は、、
転校生とリレーの練習と、
病気の少年とタイムスリップ?
なんとも独特な組み合わせだけど、、、
とにかく悠、君は病気を背負ってるのか。
白カビが原因の新種の喘息、、、100年の間に地球は目まぐるしく状態を変えていくってことか。
それでタイムスリップしてまでこの時代にきたんだ。しかもそのタイムスリップで、100年前を生きる朋彦たちを救うだなんて、なんて男らしいんだ。
君は間違いなく未来を変えたぞ。
第2部は、、
これにはスクールカーストを感じるな。
マチはさぞかし生きづらいだろうに。
琴穂、マチが似合わなそうでもなんでも陸上部くらい入らせてやってくれよ、、
自由研究のテーマをタイムマシンにするんだ。
タイムマシン、、タイムスリップ、、??
お、この章でもリレーの話題が出てくるのか。
アンカーが朋彦先輩。。朋彦"先輩"?!
朋彦ってあの、、?
いや待て、その前にこの「サクラチル」ってなんだ。手紙?マチとやりとりしてるのはだれだ?
そして最後に恒河が書いた手紙のたった一言がこんなに響くとは、、
第3部は
映画の話か。部員3人の同好会なんて、青春そのものじゃないか。
謎の本を探すだなんてますます楽しそうだけど、、新聞部の先輩、あんたはよくない。
自分の過去を○○から情報が入ってるんだけどとか言われながら詮索されるなんて、不愉快じゃないわけがないだろうが。
"学校はだれのものだ"
これには強いメッセージを感じる。
ところで一平のお父さんは薬の研究をしているのか。
しかも白カビが原因の新種の喘息に効く薬の研究?!ピンポイントすぎじゃない?!
というか一平の苗字は武宮で、そういえば朋彦の苗字も、、
じゃあそうゆう薬を作るんだって約束した昔の友だちっていうのは、、??
♢
なんだこの展開は。
なんだこの続きを読ませる魅力は。
切れる部分がない。
今日はここまで、のタイミングはどこにあるんだ?
このままだと明日には読み終わってしまう。
この手のタイプの恐怖心と初めて会った。
辻村深月。
これは間違いない。
ぼくは"いい出会い"をしたんだ。
困ったときに彼女に頼ればいいんだ。
読書が好き、とかっこつけたい。でも読書の手が進まない。そんなときには彼女の作品に頼ればいいんだ。
今日も本屋の「た行」の列を指でなぞる。
羅列された活字を目の前にして、少しソワソワした。
背表紙のあらすじを見て、表紙の絵を見て、帯の煽りを読んで、本の厚さを確かめて、少しワクワクした。
しかし本番はここからだ。じっくり時間をかけてこの世界に浸るか、あっという間に読み終わらせてどんどん次の世界を読んでいくかは、ぼくにかかっている。
「ぼくの趣味は読書だ。」
今ならそう言っても許される気がした。
だからこそ、確信を持って一冊の本を手に取る。
「
著/辻村深月」
この本はぜったい、面白い。
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