36歳職歴無しニート浪人が大学卒業までに必要なお金を考える。

こんな記事に釣られてしまいました。

タイトルからして「もう詰んでるだろ…」という気持ちになりました。年金暮らしの親が相談に来たらしいですが、私が相談を受けたFPなら次男(36歳児)を一瞥してから「手遅れです」と言い放つだろうなと思いました。それはさておき、担当FPのアドバイス通り、志望先を薬学部に変える前提で彼の大学生活に関わるお金をざっくり考えてみましょう。もちろん大学生になれたら、の話ですが。

志望校の変更

まずはどこかに合格しないと話になりませんね。本文には次の記述がありました。

昨年までのセンター試験では、200点以上、合格ラインに点数が足りていない

15年何やってたのかなと言いたくなります。センター試験そのものが2021年からなくなったので次男はまさしく歴史の生き証人ですね。こちらのサイトで調べましたが、仮に相談時の第一志望を東京大学理科三類(前期ボーダー91%, 819点)とします。これに200点以上足りていないので現状600しか取れていないとすると、和歌山県立医科大学薬学部(前期ボーダー74%, 666点)あたりが必死こいて到達できるかというところでしょう。次男は志望先をこちらに変えて頑張ることとします。

入学金・授業料

さて、合格すると次に考えるのは入学金・授業料です。
令和3年版ながら当該学部の学生募集要項を見ると

入学金:564,000円(県外、下宿と仮定)
年間授業料:535,800円

とあるのでこれを使います。公式サイトにある入学金・授業料の減免を受けられればベストですが、現実案としては入学金だけでも親に出してもらうことになるでしょう(将来返せよ)。授業料については44,650/月なので奨学金(30,000円/月)という借金である程度対応するのが現実案でしょう。

住居費

次に生活の基盤となる住居ですが、寮はないらしいので、2021年から薬学部最寄りとなるJR和歌山市駅付近で探してみました。

Lei knot Wakayama 11階
賃料:1.78万円(管理費等6,000円)
敷金/礼金:無/無

凄いぞ和歌山。築34年とはいえ敷金礼金無し3万で住めるとは羨ましい。
これならアルバイトで賄える額でしょう。

まとめ

・入学金:564,000円
これは親から全額借り入れましょう。土下座です。

・授業料:3,214,800円(535,800 * 6年)
薬学部は6年なのですね。月割り44,650なので30,000円を奨学金で、残り14,650円をアルバイトで補います。この場合、6年間での奨学金総計は2,160,000円に膨れ上がります。

・住居費:23,800円
全額アルバイトで。

・食費など諸々の生活費
全額アルバイトで。

どうやら授業料の一部 + 住居費 + 食費をアルバイトで埋める必要がありますね。アルバイトすらせずに15年間現実逃避していた36歳が6年間続けられるか私は心配でなりません。

結論

面白半分で書き出したのですが、意外と現実的な落とし所が見えました。本事例で鍵を握るのは、親または長男が仕送りを数万出せるかどうかですね(たぶん無理でしょう)。アルバイトで稼ぐ必要額をどれくらい下げられるかで人生やり直し成功の確率が上がるでしょう。生活費含め全額奨学金はきついですが、借金であるというものの第一種であれば利息がないので、借入額をシミュレーションの額に抑え、無事に就職できれば何とか返せるでしょう。他に考えられるリスクとしては、(本文には書かれていませんが)健康状態からくるものと、周囲とうまくやっていけずに引きこもることが挙げられるでしょう。後者のリスクの顕在化により奨学金 + αの借金だけが残る結末がうっすら見えますが、本人の踏ん張りで覆してほしいものです。


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