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読書完走#416『破壊者たちへ』青木理 2021

行間から滲み出る怒りと失望。2012年以降、この国の民主主義と人倫を蹂躙してきた“破壊者たち”に対して、青木理氏は一貫して抗議の声をあげてきた。いまさら列挙するのも憚られる、国民を愚弄した悪事の数々。本書には2018年以降に書かれた論考が並ぶ。

政権のトップが国会の場で平然と嘘や詭弁を垂れ流し、強引に逃げ切りを図る風景が繰り返されてきた。青木さんの言う通り、ここまで真正面から政治や社会の倫理を破壊し尽くした政権が今までにあっただろうか。

今度の政権選択選挙は、あまりにも明らかに真っ黒な幹事長の言う「自由民主主義か、共産主義か」という話ではない。そもそも対概念になっておらず論外だ。

右か左か、保守かリベラルかという以前に「不正・腐敗政権を続けるのか、少しでもましな真っ当な政治を取り戻すのか」の選択だ。答えは自ずから明らかだろう。