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城山文庫の書棚から090『コミュニティデザインの現代史』饗庭伸・山崎亮学芸出版社 2024

都市計画家である饗庭伸さんとコミュニティデザイナー山崎亮さんの往復書簡。市民参加型まちづくりの歴史を辿りながら時代を築いたキーパーソンを訪ねインタビュー。饗庭さんとは大学同期。自身が学んだ時期前後の動向も確認することができた。

行政が策定する都市計画に市民が参加するようになり、呼び方も柔らかいまちづくりへ。最近では横文字でコミュニティデザインとも呼ばれる。いずれもすべてを言い表せているのではなく、重なり合ったり補完しあったりする呼び方だと思う。

この界隈のトップランナーと呼べる自治体は横浜・神戸・世田谷だろう。早期に都市デザイン室など専任部署を立ち上げ、まちづくりファンド・まちづくりセンター・まちづくり条例の3点セットの原型を築きあげた。多くのキーパーソンも輩出している。

米寿を迎えた大御所・林泰義さんをはじめ、浅海義治さん、木下勇さんといったレジェンド達も今やアラウンド70。学生時代に薫陶を受けたまちづくりの生き字引達を訪問して記録を残した本書は、後世に伝えるべき貴重な学術資料となるだろう。