見出し画像

読書完走#430『遊廓と日本人』田中優子 講談社現代新書 2021

江戸文化の光と影。吉原の遊廓にフォーカスし、「あってはならない場所」なのに人を魅了したその謎に迫る。

女性を搾取し人権を侵害した悪場所だった一方で、遊廓では踊りや三味線、和歌など日本文化が花開いた。全国から女性が集まる吉原で使われた遊廓言葉が標準語の原型になったと聞くと、少し複雑な気分だ。

東京五輪の森喜朗前会長の暴言で男尊女卑体質を露呈し、世界的にみても致命的にジェンダーギャップが大きい日本社会が古来、女性をどのように扱ってきたのか。本書から学ぶことは多い。

年末に放送の「鬼滅の刃」遊廓編をみた子供に質問されてもちゃんと答えられるよう、お父さんはこの本で予習しておこう。