なぜゲームデザイナーがリサーチカンファレンスでスタッフしてたのか
2022年5月28日に、RESEARCH Conferenceというイベントがありました。
「デザインリサーチやUXリサーチの実践知を共有する」という趣旨で今年初めて開催され、最終的にイベントページの参加登録者数は2500人超、オンライン配信されたトークの同時接続数は常時500人程度と大盛り上がり。
東京都副知事の宮坂さんをはじめとする登壇者の方々はもちろん、発起人・スタッフの方々もリサーチ分野で活躍されている方々ばかりで、今年が初めての開催とは思えないクオリティでした。そんなイベントに、なぜかスタッフとして参加していました。
テストプレイとユーザーテスト、けっこう似てる
きっかけは、ボードゲームのテストプレイについて考える過程で、リサーチというジャンルと出会ったことでした。
テストプレイとは、新しくゲームを作るときにプレイヤーが動かせるモノをつくり、実際に遊んでもらって、その様子を見たりフィードバックをもらって改善に役立てることです。
これをすると、デザイナーからは出てこなかったアイデアが加わったり、想定していなかったけどプレイができなくなるバグを消せたりして、ゲームはグッと良くなります。ボードゲームをつくる人なら、世界一のゲームデザイナーでも、初めてゲームをつくる人でも、テストプレイを当然のようにします。
それ自体は素晴らしい営みだと僕は思うのですが、当然やるだけに、みんな我流になりがちです。僕自身もそうです。このやり方は、本当に正しいんだろうか?という疑問がいつもうっすらと頭の隅にあります。
リサーチに興味をもったのは、そんな気持ちを抱えていた時でした。世代的にリサーチと聞くと「特命リサーチ」がパッと頭に浮かんだものですが、どうやらテストプレイで自分がやってることと似ていて、そしておそらくテストプレイよりは体系化されているようです。特に「ユーザーテスト」はテストプレイとほぼ同じことをしているように見えます。これを学べばテストプレイの質も向上していくのではという仮説が立ちました。
テーマを頼りに、運営スタッフに飛び込む
そうしてリサーチの本を手に取ったり、関連記事を見かけて読むようになったころ、RESEARCH Conferenceの開催を知りました。ぜひ参加したいぞと公式サイトを見にいくと、こんな言葉が書いてあります。
いいテキストやな〜と感銘を受けるとともに、その下のスタッフ募集の言葉が目に入り、ちょっと迷ってから、エイヤと応募しました。
何かを学ぼうとするなら、誰かの学びに貢献するのが一番の近道になる可能性が高いと考えているからです(noteを書いていると、特にそう思います)。あとテーマがSTARTなので、初学者なりに何かアイデアが提供できるのではないかと思ったのもあります。
そうして運営スタッフに加えていただきました。この時点で確か4月下旬だったので開催まではおよそ1ヶ月。
発起人の方々を中心に、登壇者の方々への声かけやイベント大枠の設計はされていましたが、その他の部分をフォローしていく役割です。僕は主にカンファレンス当日に学びを深めるためのmiro会場の体験設計チームでお手伝いさせていただきました。
素敵だと思ったのは、その設計過程にもまた、リサーチのプロセスが徹底していたことです。実質1ヶ月足らずの期間の中で、仮説⇨プロトタイピング⇨ユーザーテスト⇨再度プロトタイピングと反復し、開催ギリギリまで磨き上げていました。
リサーチに興味をもったのは、ゲームデザインにおけるテストプレイとの類似性からでしたが、こうしてその啓蒙、普及の最前線でお手伝いをさせていただくと、あらゆる新しいモノや体験を作る時に通じる手法としてテストやリサーチがあるのだと改めて理解できて良かったです。自分の仮説は間違っていなかったと思います。
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そうして迎えた当日は素晴らしいイベントになりました。登壇された方々のお話の内容については、登壇者・参加者の方々の積極的なTweetがまとめられているので、見逃した方は眺めてみてください。僕も当日はなかなか落ち着いて見られなかったので、後追い中です笑。
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そしてちなみに実はRESEARCH Conference、まだ終わっていません。本日5月31日の夜に、アフタートークイベントが開催されます。当日に参加された方も、ご都合合わなかった方も、ぜひ応募してみてください!
ナイスプレー!