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Z世代に選ばれる会社を目指して

人口減少により世の中の労働力が不足していく日本において、年代で人材を選り好みする余裕などありません。ホワイトカラーの労働力には余剰が生まれるという予測もあるようですが、未来のことはさて置き、なんだかんだ慢性的に人が足りていないという会社も多いはずです。人手不足に悩んでいるのであればなおさら、世代を超えた共存を図る必要があります。そこで今回は、Z世代に選ばれるのはどのような会社なのかを考えてみたいと思います。

Z世代が重視するのは?

Z世代は多様性の尊重を重視しています。ジェンダーや性的指向はもちろんのこと、個人の特性それぞれが認められることは彼らにとって最低限であり当たり前です。そのような価値観を持つZ世代に対して、どのような訴求をすれば働いてみたい会社だと感じてもらえるのでしょうか?今回は以下2つのポイントに絞り込んでみました。

  • 選択肢への安心感

  • 自分らしい働き方のイメージ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

選択肢への安心感

Z世代は自主性を重んじられて育った世代です。つまり、自ら選択することが許されない状況に対して違和感を覚えやすい世代であるともいえます。よって彼らは、自分が理想とする、あるいは必要とする働き方に合わせて幅広い選択肢が用意されている会社に魅力を感じるのではないでしょうか。幅広い選択肢とは例えば次のようなものです。

  • 出社しても在宅勤務でもどちらでもOK(出社義務はない)

  • コアタイムさえ勤務していれば、出勤・退勤のタイミングは自由

  • 所定労働時間をこなせば日々の勤務時間は完全に自由

  • 飲み会などに対して同調圧力がない

幅広い選択肢を用意しておくと、Z世代のみならずすべての世代にとって働きやすさをもたらします。身近な事例として挙げられるのが、子育てと仕事を両立させたいというケースです。出社必須で勤務時間も固定となると働ける時間が制限されてしまいますが、勤務時間が自由であればお迎えや食事時に少し中抜けして、落ち着いた時間に仕事をするということができるため、働く時間を無理に減らす必要はありません。また「周りに人がたくさんいると作業に集中しづらい」「身体的な障がいで物理的な移動が大変」などの特性に対して柔軟にこたえられるので、雇用の間口を広げることにもつながるといえます。ここで重要なのは、企業規模や会社の知名度がそれほど重視されないという点です。Z世代は働き方の質に着目する傾向があるようです。

これは中小企業にとってはチャンスだといえます。大手としてのブランドがなくても、優秀な人材を獲得できる可能性が高まっているからです。(ほぼ)Z世代の私自身も、有名企業からの内定を断って今の会社を選びました。じっくりと吟味した上で、自分の求める働き方ができそうだと感じたからです。名の知れた大企業ではありませんが、なるべく長く今の会社で働き続けたいと思っています。高校や大学の同級生には有名企業に就職した子も多いのですが、全員が理想の働き方を実現できているわけではありません。「深夜まで残業つらいし上司は話通じなくて苦痛。でもせっかく誰もが知ってる会社に入れたからもったいなくて辞められない」という愚痴をこぼしていた友人もいました。そんな話を聞くたびに、ネームバリューよりも働きやすさを取ったのは正解だったのかもしれない、と感じます。

自分らしい働き方のイメージ

企業の採用担当者であれば「なるべくたくさんの就活生に会社のことを知ってもらいたい」と考えるのは当たり前のことです。しかし、”知ってもらう”の方向性を誤ってはいけません。自社の良いところをしっかり伝えたいという気持ちは分かりますが、最終的には「働いてみたい」と思ってもらわなければ人材獲得にはつながらないですよね。では「働いてみたい」と思ってもらうにはどんな情報が必要でしょうか。
あくまで個人的見解ですが、その答えは…

就活生が理想とする働き方

自社における実現方法

をセットで提示してみることではないでしょうか。理想とする働き方は多種多様で、正確に把握するのは困難ですから、ここは想像で大丈夫です。就活生が希望するであろう方向性に無理して合わせるのではなく、自社の特徴から逆算して考えてみると良いでしょう。
例えばフレックスタイムを導入している会社であれば、「朝が苦手なので出勤時間が遅めだとうれしい」という理想とマッチします。自社の良いところやポジティブな側面だけでなく、あえて短所から逆算するという手もあります。平均残業時間が多かったり休暇を取る余裕があまりなかったりするのであれば、「充実感をもってバリバリ仕事をこなしたい」「ハードワークで自分を鍛えてみたい」「仕事に没頭したい」という理想を持つ人にとってはかえって長所に映るかもしれません。
うちはこんな会社ですよという基本的な情報も、もちろん大事です。それにプラスして「じゃあおたくの会社ではどんな働き方ができるの?」「それはうちらの理想とマッチするの?」といったような疑問に答えてあげると、就活生も自分自身が働くときのイメージを持ちやすいはずです。

まとめ

本記事は当初Z世代にフォーカスするつもりでしたが、結果的には世代を問わず当てはまる内容になりました。(ほぼ)Z世代当事者の意見が少しでも、皆さまの採用活動の参考になれば幸いです。

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