感覚脱失について
感覚障害とはなんだ⁉️
患者さんは感覚が脱失しているから運動ができない。そんなイメージはないでしょうか?
今回はそんな疑問に対して考えてみたいと思います。
感覚障害を脊髄損傷と脳血管障害の2つで考えてみたいと思います。
この2つの疾患の感覚障害。どちらも同じ感覚障害と捉えていいのだろうか?
答えは❌です。
なぜなのでしょうか?
識別感覚のような意識にのぼる感覚は皮質に情報を届けるが、痛み刺激は別の場所に行きます。
それはどこか?
中脳水道灰白質 脳幹網様体です。
これらは原始感覚と呼ばれ、意識に登らない生きるために必要な領域と呼ばれています。
ここに視蓋脊髄路という伝導路がある。
これは中脳の上丘から統合された運動機能として下行し能力を発揮することができる。
ここで言えるのは・・・皮質に上がらなくても脳幹で運動をコントロールすることができると言うことである。
視覚情報だけでなく
姿勢や体位の維持や運動
対象注視(Regard)
到達(Reach)
把握動作(Grasp)
視界に何かが写った時に、その方向を向ぬ
何か物が飛んできた時に、反応する
適切に物を理解し、上肢操作を行う
などにも関係してくると言われています。
脊髄損傷患者さんは脊髄が損傷されるので損傷レベル以下の感覚が全て脳に登らない。つまり原始感覚も識別感覚も機能しないと言うことである。
しかし片麻痺患者ではすべての感覚が皮質には登らないが原始感覚は脳幹部で機能することができる。
ここに大きな違いがある。
脊髄損傷患者は全ての感覚(原始感覚と識別感覚)が皮質に上がらないが片麻痺の患者さんは識別できる感覚は脳幹部では生きていても皮質が障害されるので識別を答えることができない。
原始感覚は元々意識に上がることがないので皮質が損傷されていても皮質を介さずに情報を統合し運動機能を発揮することができる。
あくまで識別ができない。皮質に届かない。ということである。
感覚脱失だから運動できない。姿勢調整できない。ということにはならないので勘違いしてはいけない。上丘以下で運動機能をコントロールできるからである。
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