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1992年生まれ/少女サッカー(U-12)監督・コーチ/B級ライセンス/子どもたちに最…

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1992年生まれ/少女サッカー(U-12)監督・コーチ/B級ライセンス/子どもたちに最適な環境を!/主に女子サッカーおよび4種年代のサッカーに携わっていて、そこで感じたことを書いています。

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初心者の女の子がサッカーを始められないという事実

半年ほど前の話になります。 小学5年生の娘さんを持つお母さんから、体験希望のメールが届きました。 以下のような内容です。 「ガールズチームの体験をお願いしたく メールさせていただきました。 (お子さんの名前) サッカーがとても好きな女の子です。 小学校のFCなどでは、 女子ということもあり、なかなか、 入れていただけず。 サッカーの良い仲間を見つけられずにおります。 貴チームで、良い出会いがあれば 本当にありがたく思います。 (中略) どうぞ、宜しくお願いいた

    • 忘れ物

      「コーチ、忘れ物をしたので取りに戻っても良いですか?」 試合開始10分前、ピッチ脇のベンチについた途端、1人の選手(5年生)が私に聞いてきました。 その子はよく忘れ物をする子だったので、今回も荷物置き場にすね当てでも忘れてきたんだろうと思い、「うん、急いで行けば間に合うかな」と伝えました。 1分後、ダッシュで帰ってきたその子が持ってきたのは、アイシング用のクーラーボックスでした。 それはいつもチームみんなで管理し、試合の際は必ずベンチに持ってこようと言っている物です。

      • 相対評価より絶対評価

        指導者が選手を評価すること。 それは役割上、必要なことです。 選手を評価しなければ、指導をすることはできません。評価しないで全員に同じ言葉をかけるだけなら、AIにだってできるでしょう。 評価は必要なこと。 ただしこの「評価」という言葉を、「相対評価」として捉えてる人が多いのではないでしょうか。 特に小学生のスポーツ現場において、自分の知る限りは「相対評価」の方が現場に多く蔓延しているように思います。 A君とB君を比べてどちらが優れているのかを見るのではなく、 A君はA君

        • 大人の背中を見て育つ

          少し前の話になります。 昨年12月、群馬県にて開催された北関東大会に出場してきました。 本来8月に開催予定でしたが、延期に延期を重ね、スタッフの方の尽力によりようやく開催にこぎつけました。 目標としていた優勝には届きませんでしたが、成果と課題の見つかるとても有意義な大会でした。 ただ、その大会でひとつ残念なことがありました。 数チームにおいて、指導者から暴言ともいえる言葉、高圧的な態度が散見されたことです。 選手は技術があって上手な子も多かったですが、あんな中でサッカ

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        • 指導メモ
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        • 2019奮闘記
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          スキルだけを教わったって、なんの役にも立たない

          ※勉強ではなく、サッカーの話ですが、勉強の話も少しします。 たびたび発信していることですが、 コーン相手のドリル練習、ジンガ(リズミカルなボールタッチ)、派手なドリブルテクニック、ひたすらキックやステップのトレーニングなど、 スキルに特化したサッカースクールが、最近非常に増えています。 前からやや反対派でしたが、 最近は猛烈に反対派です。、 そういうところに通う時間があるなら、公園で誰かとミニゲームをやってた方がずっと良い。 私の指導しているクラブには男女のトップチー

          スキルだけを教わったって、なんの役にも立たない

          経験値がものを言う:カーリングを見て思うこと

          北京五輪のカーリング。 とても面白いです! ある意味でパズルゲームに近く、体だけでなくすごく頭を使うのが、魅力だと思います。 カーリングを見てて思うこと。 それは、経験値がものを言うということ。 元選手である解説の方が、 石が投げられてから次の一投の作戦を見つけるまでが、異常に速いんです。 きっとパターンを覚えていて。 おそらく、石の並びが過去と全く同じになることなんてないと思いますが、 膨大な経験値の中から瞬時に似たような状態を引っ張り出してくるのでしょう。 ロコ

          経験値がものを言う:カーリングを見て思うこと

          代償。小さな体に感じた大きな違和感

          小学4年生の子が体験に来てくれました。 男の子のチームで少しずつついていけなくなり、女子のチームを探していたらうちをSNSで見つけ、参加してみようと思ってくれたそうです。 そういう子は決して珍しくありません。 体験の日も5・6年生に混ざっても怖がらず思いっきりプレーしていて、楽しそうではあったので、ひとまず安心しました。 すぐに入会も決めてくれて、下の学年の子が入ることは、上の学年にとっても刺激になるので、非常に楽しみな気持ちです^_^ 実はその子を見て、1つ驚いた

          代償。小さな体に感じた大きな違和感

          かけもち

          うちのチームは、男子チームとの「かけもち」をしている子が多くいます。人数的には全体の半数ほどです。 女子単独で成り立つチームは少ないです。 地域によっては、女子チームの活動は月1回ほどで、それ以外は基本的に全員男子チームでプレー、なんていうところもあります。 今日、そのかけもちしている男子チームの試合を見に行ってきました! 会場をはしごして、かけもちしている8人中、6人のプレーを見ることができました。 全日本少年サッカー大会の予選でしたので、いわゆる「ガチな公式戦」と言

          どちらが真実?:中の顔、外の顔

          「明日の紅白戦が楽しみで、近所迷惑になるくらいの叫び声をあげながら飛び跳ねて喜んでいます。」 ある日、とてもおとなしい4年生の子のお母さんから、こんなメールが。 また別の日には、 「昨日〇〇にお腹蹴られた。お母さんにものすごく怒られてた…」 中学1年生のお姉ちゃんが、普段はおとなしくしている小学5年生の妹にお腹を蹴られたという報告。 「あいつは家で宿題やらなくて、サッカー禁止って言われることもあるからね〜」 お父さんから聞いた、真面目でしっかりタイプの4年生の意外な

          どちらが真実?:中の顔、外の顔

          株式会社の説明もするし、虫も捕まえられるし、なぞなぞもたくさん知っているサッカーコーチ

          「コーチ、株式会社って何?」 遠方での試合を終え、帰り道を走るバスの中で選手にふと聞かれました。 窓の外の看板を見て、気になったそうです。 社会科の教員を目指していたこともある私は、意気揚々と説明しました。 「会社を作るのには、お金が必要だよね。〇〇を買ったり、◇◇を買ったり。じゃあそのお金をどうやって準備するかっていうと、株を…」 話し終えると、 「なるほど!」 「あつ森に出てくる株ってそういう意味だったのか!」 と、質問した選手本人以外も含め、納得してくれたよう

          株式会社の説明もするし、虫も捕まえられるし、なぞなぞもたくさん知っているサッカーコーチ

          グラウンドに響き渡った声:立場や状況が人を変えていくという話

          2018年6月。 野球場2面分の芝生広場の端っこで、少女サッカーの試合が行われている。 第16回茨城県少女サッカー大会、決勝戦。 その前の試合でうちはすでに関東大会への出場を決め、僕はいくらか安堵していた。 僕の目から見て、このチームが関東大会に出られるかどうかはかなり際どいラインだと思っていたし、まさか決勝戦まで行けるとは正直思っていなかった。 負けても良いと考えていたわけではないけど、ここまで来られただけで充分、あとはどんな結果になっても受け入れよう。 そんな

          グラウンドに響き渡った声:立場や状況が人を変えていくという話

          試合が終わった瞬間、全員笑いながらグラウンドに倒れ込んだ話

          その光景を見た時、僕は最高の気分でした。 試合といっても、なにかの決勝戦というわけではなく、 練習の最後にやるゲーム。 しかし、11vs11の紅白戦でも、8vs8の大ゲームでもありません。 6年生2人、4年生2人、計4人のスクール。 その練習の最後に、コーチ2人が混ざって、計6人で3vs3の試合をします。 とにかくみんなが夢中になって、、、 真剣にやってるのに、面白くて、ついみんな笑顔がこぼれてしまう。 コーチも夢中になりすぎて、ゴールに入りそうなボールを思わ

          試合が終わった瞬間、全員笑いながらグラウンドに倒れ込んだ話

          主役と脇役:育ったから嬉しいのか、育てたから嬉しいのかという迷い

          僕は街のサッカークラブで指導者をやっている。 少年団で4年間、女子社会人チームで2年間、そして現在は女子小学生を指導して5年目になる。 指導者をやってて、最高に面白いと思う瞬間がある。 それは、選手の成長を肌で感じた瞬間。 「あ、〇〇は□□が上手くなったな」という瞬間。 あくまで個人的な意見なので、 人によっては違うかもしれない。 ただ、指導者をやってる以上、同じ感覚の人は多いんじゃないかと思う。 しかしある時、ふとこんなことを考えた。 「自分は選手が成長し

          主役と脇役:育ったから嬉しいのか、育てたから嬉しいのかという迷い

          Needs makes them better.(岩政さん)

          先日書いた表題記事の内容と同じことを、元日本代表DFの岩政大樹さんがおっしゃっていました。 以下のリンク先にある 「積み上げ型」ではなく「逆算型」というのがそれです。 動画までは拝見していませんが、 岩政さんも、「必要」を生み出すための練習を心がけているのかなと、勝手に思いました。 「考える余白を残す」というのも、とても勉強になる考え方ですね! しんご

          Needs makes them better.(岩政さん)

          Needs make them better.

          文法的に合っているのかどうかは知りません。笑 言いたいことは、 「必要があるから上手くなる」ということ。 ドリブル塾とか、 やたらドリル練習をたくさんやるチームとか 1vs1ばかりひたすら繰り返すスクールとか 最近増えています。 正直、やめてほしいです。 ボールタッチだけ上手くなっても試合では使えない。 コーンドリブルをしても、相手は抜けない。 1vs1ばかりやっていたら、ONは身につくけどOFFは身に付かない、グループ戦術が身につかない。 味方がいるこ

          Needs make them better.

          7人の選手たちの心情

          とても久しぶりに更新します。 1年ぶりくらいです。 今のクラブに正社員として就職して、1年目は日々の業務に追われ、noteを書く余裕がありませんでした、、、、。 入社から1年半が経過し、業務にも少しは慣れてきたので、もう少し更新できるように頑張りたいと思います! さて、もうすでに5月も終わりが近くなりましたが、 先の3月には、少女カテゴリーを担当してから5回目の卒業生を送り出しました。 スクール生 9名 チーム生 3名 の6年生が、羽ばたいて行きました。 し

          7人の選手たちの心情