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本を爆買い、音楽を爆聴き、眠剤、怪談

 俺はバカだ。積読を増やしてしまった。『エドワード・ヤンの恋愛時代』を武蔵野館で観て良い気分になっていたのが間違いだった(エドワード・ヤンの話はまた別の機会にするとしよう)。帰りに寄ったブックオフでまた古本に散財してしまった。永井荷風だの、ケルアックだの、ブラッドベリだの、果たして読むんだか。
 とは言え、ただ金を徒に使ったという訳でもない。小学生の頃に読んでいた懐かしい本に再会できた。アイザック・アシモフの『ユニオン・クラブ綺談』である。これは短編集なんだけど、独身貴族の集まるサロン的な集いで話される小話という設定が、妙に気に入っていた気がする。因みにこれはアシモフだがSFではない。俺はアシモフのSFの本は読んだことがないかも知れない。
 フィリップ・K・ディックの『暗闇のスキャナー』も買った。これはリチャード・リンクレイター監督のガンギマリ映画『スキャナー・ダークリー』の原作なのだが、原作本を売っているのを見たのは初めてだったので、気づいたら買っていた。俺が言いたいのは、ガンギマっていこうという事だ。
 河出文庫のコーナーがあったので、俺は吸い込まれていったが、そこで見つけたのが呉明益(ウー・ミンイー)という台湾の作家の『歩道橋の魔術師』という短編集だ。ケルアックも河出文庫の棚にあったが、ここの本は求道者には必須のラインナップだ。彼の名前は初めて知ったのだが、俺は河出文庫に全幅の信頼を置いているので、当然買った。
 気づいたら計8冊。3500円。映画が2本観れる。エドワード・ヤンのパンフレットも買っちゃったし。給料日だからって奮発しすぎるとすぐに有金が底をつく。金は天下の回りものというが、この散財は俺に返ってくるんだろうか。いや、そんな事を考えるだけ無駄だ。欲しい物は欲しい時に買う。何事もタイミングと勢いだ。

 何日か前のnoteにも書いた気がするけど、デヴィッド・ボウイとプリンスを毎日聴いている。スティーヴィー・ワンダーもこのローテーションに加えることにした。キャリアの全てのアルバムを聴くつもりだ。それはもう、爆聴きである。こんな事をして何になるのかと言えば、何にもならない。ただ俺は全部聴いたぞ、という事実を、自分の中に残したいだけかも知れない。
 この三者を選んだのには、殆ど意図は無い。多作で一通り聴くのに少し抵抗があるメンツを選んだ。気合いを入れて聴きでもしないと一生聴きそうに無いので、この機会に聴いてやるぞ!という事だ。
 他にもローリング・ストーンズとかフランク・ザッパとか、気軽に手をつけられなさそうなバンドもこれが終わったら聴こうと思う。これまで興味が無かったから聴いてこなかったと言えばそうなんだけど、聴いといて損は無いとも思う。でも正直ザッパとか、気が滅入る。果てしない道のりだ。好きな人がいるのは分かるけど、でも、教養として聴いてなきゃダメだよなあ…。
 何をグダグダ言ってんだ。

 家にいたところで、部屋で深夜の馬鹿力の過去回を聴いてボンヤリしていることが多いので、何か変わった事が起こるでもないし、暇を持て余している。人間時間だけがあると悪い事を思いつくもので、昨夜の俺は正にそれだった。
 夜更けに友人と電話をした後、例の如くボケーっとしてたのだが、ふと机に睡眠薬があるのを思い出した。眠剤はシンナーと同レベルの「低い」ドラッグだと思う。ついつい手が伸びてしまうが、こんなものは酒よりも質の悪い酩酊で脳を停滞させるだけだ。馬鹿馬鹿しい。

 未確認の会が主催する怪談会に行ってきたのだが、話を聴いている最中にこんな事を思った。怪談に出てくる数の桁を増やしたら面白いのではないかと。スケールがデカいと景気が良くて笑ってしまう。
 あのー、僕この前友達500人で心霊スポット行ってきたんです。地元から2000キロぐらい離れた所にある廃トンネルなんですけど…とか。あと700人岬(1人減ったところで分からない)とか。何を言っているんだ。

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