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過ぎ越しの祭の定番家庭料理― 『マッツァ・ブライ』

イスラエルで現在祝われているペサハ(過ぎ越しの祭)。種の入っていない(非発酵の)パンであるマッツァ(マツァ)を主食にすることから、「マッツァの祭り(ハグ・ハマツォット、マッツァの複数形)」という別名も。
最初はペサハの夕食(セデル)の高揚感や、家族団らんでマッツァも美味しく感じられますが… 1週間それだけ、となると皆パンが恋しくなってくる訳です。「今日から1週間、パンの代わりにクラッカー」となると、次第にあの柔らかいパンの食感が欲しくなってきますよね。
そんなユダヤ人の「マッツァを使ってできるだけパンに近い食感を…」という、3000年来の悩みへの解決策が『マッツァ・ブライ』と呼ばれる、19世紀末から東欧をルーツにもちアシュケナジー系ユダヤ人によって作られ始めた、この料理。
「ペサハ料理」と言えば初日の夕食に並ぶ料理たちのイメージが強かったりするのですが、1週間続く祭りの期間トータルで考えるとこのマッツァ・ブライこそ「ペサハで最も食べられている家庭料理」かも知れません。
今回はそんな『マッツァ・ブライ』のレシピをご紹介したいと思います。


材料:

  • マッツァ 1.5枚 (マッツァとは20cm四方の大判クラッカーなので、プレーンクラッカーでも代用できるかと思います)

  • 卵 1コ

  • 水・牛乳 大さじ2

  • 塩・コショウ 少々

  • 油 少量

レシピ:

 

ボールの中でマッツァを適当な大きさに割り、大さじ2の水を加えてマッツァに吸わせる。マッツァの大きさは好みで、粉々にしたい人も居ればマッツァの感触を残したいので大きめに割る人や、4分の1に割ったマッツァ(クラッカーでいうと1枚ぐらいの大きさ)をそのまま使う場合も。 

 

溶き卵に牛乳大さじ2を混ぜたものをボールに加え、少量の水を吸ったマッツァと十分にあえ、塩・コショウで簡単に味付けする。(マッツァは塩が入っていないが、日本のクラッカーの多くは塩が入っているのでごく少量or要らないかも) 

 

こんな感じ

 

油をひいたフライパンで両面を焼き上げる。大きさも写真のように大判1枚で焼くパターンもあれば、せんべいサイズ・小さ目のマッツァ・ブライにする家庭も。ここも好み。

⑤ 

完成!!


マッツァ・ブライの食べ方:

ここでは塩・コショウを入れた、食事・主食としてのマッツァ・ブライを紹介しました。
しかし塩・コショウを入れずに、サワークリームと砂糖を混ぜたものやジャムをのせたり、メープルシロップなどをかけてフレンチトースト的な食べ方をするのも全然アリ!!
筆者的には「マッツァ(クラッカー)入りのオムレツ」、妻に言わせると「ユダヤ人のお好み焼き」みたいな感じかなと。 

朝にはジャム・クリームで甘め、そして夕食には塩・コショウを入れて―
など1日に違うバリエーションを食べることもあるなど、まさにペサハ期間中の「隠れた主食」がこのマッツァ・ブライだったりもします。
ユダヤ人やペサハ・イスラエル料理に興味のある方は、簡単なレシピですしぜひ作ってみて下さい!!

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