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テストでカンニングが成功したおかげでスタンフォード大学へつながったと思っている話

前回の記事への皆さんの反応、ありがとうございます。この記事にも多くのスキをいただけることを願っています。

前回は私が中学受験の塾に通うことになった経緯をお伝えしました。今回は、その塾での出来事について詳しく綴ります。

塾に通い始めて、私は新しいタイプの友達をたくさん作りました。勉強に打ち込む人、いつも最前列で授業を受ける人、休み時間にはシャープペンシルの替芯ケースをおはじきにして遊ぶ人、友達のお箸を折る人など、さまざまな個性を持った人たちでした。しかし、私が特に仲良くなった友達は、やや不良気味で、あまり勉強せずに遊んでいる時間が多く、帰りの電車では必ずポテチを食べている人でした。ここでは彼をA君と呼びましょう。私とA君は同じ姓で、塾での出席番号も近かったのです。

塾では毎月、クラス分けのテストが行われていました。クラス分けのテストでは出席番号順に座席が決められるため、私はいつもA君の後ろに座ってテストを受けていました。頑張ってテストに取り組んでいましたが、私たちはいつも、下位三分の一くらいのクラスに属していました。しかし、半年ほど経ったある月のクラス分けテストの日、A君から驚くべき提案がありました。「隣の席のB君の答案をカンニングするから、見せてあげるよ。一緒にカンニングしよう。」B君は塾内でもトップクラスの成績を収め、いつも最上位クラスに所属している秀才です。カンニングが正しいことかどうかはわかりませんでしたが、私はよく考えずに「ありがとう」と承諾しました。A君は言った通りにテスト中にB君の答案をコピーし、後ろの席に座っている私に答案を見せてくれました。カンニングリレーが完璧に成功したのです。

成績発表の日、A君の努力が実り、なんと私とA君は成績上位者として塾の玄関に名前が掲示されることになりました。

私たちは完全に実力とは関係なく上位クラスにクラス分けされ、そこでは塾のトップ講師からの指導を受けることができました。下位クラスでも親切に指導してもらっていたはずですが、トップ講師の先生方の授業は私にとって理解しやすく、新しい学習分野の理解が深まりました。私はこの塾で新しいことを学びたいという気持ちで通っていたので、新たな知識を楽しみながら身につけることができ、勉強が楽しかったと覚えています。

翌月のクラス分けテストの日、A君は再びカンニングリレーをすることを提案してくれました。私は感謝の気持ちを伝え、その回のクラス分けテストでもカンニングを成功させました。その結果、再び私とA君は成績優秀者として塾の玄関に名前が掲示されました。

最上位クラスでは引き続き楽しくトップ講師の授業を受けることができましたが、ある日の授業後、学年主任の先生から私とA君が呼び出されました。私たちはなぜ呼び出されたのか心配しながら、少し心当たりがあったのでドキドキと小さな教室に向かいました。出頭した私たちを待っていたのは、学年主任の先生でした。先生は私たちの前に前回のクラス分けテストの答案を置いて言いました。「お前たちはカンニングしているんだろう!」と厳しく詰問されました。なんでも、二人の誤答した問題が完全に一致していて、間違えた解答も同じで、A君の隣でテストを受けていたB君の解答とも酷似しているとのことでした。完全な名推理でした。私たちは先生の気迫に怖気付き、ささやかな悪事をすぐに告白してしまいました。先生は最後に何と叫んだのか覚えていませんが、とりあえずドアを力任せにバタンと閉めて教室から出ていきました。

その日、帰り道の電車でA君と話し合い、カンニングをやめることを約束しました。当たり前です。その日のうちに、A君は親にも先生から報告があったため、家でも厳しく叱られたそうです。しかし、私の親には何の連絡もありませんでした。

次のクラス分けテストの日、私たちはもうカンニングをしませんでした。実力だけで問題に取り組みました。数日後、成績が公表され、私たちの成績はカンニングしていた時よりも下がってしまいました。当たり前です。A君は、元の下位クラスに戻ってしまいました。ところが、私はというと、なんとか最上位クラスにギリギリ残ることが出来たのです。

ロケットのように離陸した私の成績は、乱気流に揺れながらも、いつの間にか実力で高度を維持できるようになったのです。

もし楽しんでいただけたら、スキをいただけるととても嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。

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