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「久々にさんふらわあ号の乗船時間くらい長い文章を書いてしまった。」

どうも、仁です。

特に日や曜日を気にすることなく日々を過ごしていると、
一週間って驚くほどあっという間なのに、
毎週この曜日にやろう、って決めてみると一週間て長く感じるんですね。

確かに、読んでる週刊連載の漫画が熱い展開の時、
一週間って果てしなく長く感じるものなぁ。

一週間を大事に生きるって、
決まった曜日に何かルーティンを設けると
いいのかもしれませんね。

だから海上自衛隊は、
海に出ると曜日感覚がかなり狂うそうで、
それを律するために毎週金曜は必ずカレーを食べるそうですね。
海軍カレーはそこからきてるとか何とか。。。

そんな話の流れで、ところで。。。
毎週月曜更新のルーティンで始めた
今週のコラムです。

あなたは船旅をしたことがありますか?

ここでいう船旅は、
例えば東京から伊豆大島とか、
新潟港から佐渡島、瀬戸内海の離島への渡航、
沖縄本島から石垣島など、

数時間で済むものではなく、

半日以上、なんなら一泊を船上で過ごす、そのレベルの船旅を
指させてください。

おそらくですが、
あまり経験した人は多くないんじゃないかなって思います。

なんせ、格安飛行機の台頭をはじめ、新幹線も早くて便利ですから。

なにかと”時間を金で買う”という考え方が優位に立ちやすいこの世の中。

船旅というのは言わばその真逆を行くようなスタイルである。

自分自身は、大学が北海道だったので、
車で北海道~東京をよく行き来していた。

当然ながら地続きでは行けないので、
どうやってもどこかで航路を挟まないといけない。

北海道から東京、及び関東圏にアクセスするのに1番と言っていい
航路は苫小牧港から茨城の大洗港までを繋ぐ「さんふらわあ号」が
メジャーなルートといえる。

そして、この航海時間は、18時間だ

なかなかじゃないでしょうか?18時間って。

1日の3/4を船の時間に費やすのだ。
東京から北海道なんて、飛行機使えば、
諸々かかっても2時間あれば着いてしまう。

極端な言い方をすると、さんふらわあ号が片道進む間に、
9往復出来てしまうわけだ。

とりあえず、未経験の方は、いかに果てしない時間乗ってるんだな、
ってのを、ここら辺で理解してもらえると助かります。

新幹線はなにかと途中停車駅が存在するし、
飛行機の国内線はだいたい2時間前後で目的地に着いてしまう。

だから感覚的に近いのは国外線の飛行機だろうか。
あれも遠い海外なら8~12時間かけて行くよね。

それに対しても18時間はやっぱりすごい数字だな。。。

で、乗船中はどう感じるかって言うと、


どうしようもなくそこに居なきゃいけない18時間


これが終始付きまとう感覚だった。

当たり前だが途中下船なんてできない、
一度甲板に出てみれば、果てしない海が続く。

夜中に出てみると暗黒の海が無限に広がるようで、
純粋に恐怖しかない。

たまに陸地の電気の灯が見えたりするが、
温かみを感じるかというよりは、隔離された場所から見る、
知らない世界の営みといった感じだ。

ただもちろん、そんな船内、何もすることのない監獄ではない。

生活に必要な機能から娯楽まで、
いろいろ用意されている。

レストラン、食堂があるのはもちろん、
大浴場もある。

この大浴場がなかなか他では体験できないものがある。

常に波打っているのだ。湯舟が。

当たり前だ、船なんだから。
大きなカーフェリーなので、
三半規管が狂わされるような揺れはない。
(当方、乗り物酔いをしないので参考にならないかもしれないが、具合悪そうな人は見た事がなかった)

ただ、静かに、左へ、右へ、といった
大きなゆりかごのような揺らめきがあるだけだ。

その影響を、大浴場の湯舟は受ける。

静かに、左へ、、右へ、、、

ゆらゆらーっと波打つ湯舟。

「ああ、本当に船なんだな。」

と気の抜けた感想が出る。
しかし、そんな体験、他ではできない。
あれは面白い、格別な瞬間だ。

一度、高校の友達とその航路を共にしたことがあった、
その友達の感想はこうだった。


「こんなにたくさん寝たのは人生初だわ。」


そうなるのも仕方ない。
食べる、風呂に入る、
それ以外に目立ってできる事といえば、

ただひたすらに眠ること。

それ以外ない、というか、それができればかなり良い。

なんせ1度乗ってしまったら18時間どうしようも出来ないのだから。

その時間をどう使うか。
”ひたすら眠る”を大胆にやるのは大有りなのだ。


さてここまで、
急にさんふらわあ号の事を、
その航路時間並みに長々と語ったが、
ここで何を言いたいか。


人間、何もしないをするって大事だな。


って事です。

これを感じたのが、
先日、温泉にひとり浸かっていた時の事。

温泉、つまり入浴、これは立派な行為だ。

何もしていない時間とは言い難い。

しかしのところ、実際の行為自体がどんなもんか、
思い返してほしい。

1番活動するのは当然ながら着替えて、体洗って、体を拭いて、
とか、その辺の行為だ、

でも、特に温泉に至っては、それらはメインとはならない

なんたって、温泉に入りに来ているんだから、
そこがメインな他ない。

入浴中。

なにをしているか?

軽く伸びをしたり、体をもんだりとかする瞬間もあるだろうが、

だいたいは静止だ。

じっとしてる。
目を瞑る人もいる。
ぼーっとどこかを見つめる人もいる。
むしろキョロキョロする人の方が少ない。

何もしていないのだ。

まだ露天風呂ならいい方だ、
外の景色が見えるから(場所によるが)

しかし、見てはいるが、何もしていない。

これは、条件はだいぶ違えど、
さんふらわあ号の乗船時間に似るものがある。

どうしようもなくそこに居なきゃいけない時間。

温泉の場合は、いつだって入浴をやめられるけど
ほんの1~2分で出たらもったいないし
何しに来たか訳がわからない。
だから、じっと長く浸かるようにする、
(それでも湯あたりしそうな気配を感じたら出るが)

そう、ここら辺でもしかすると読者は察するかもしれないが、

自分は何かとジッとしていられない性分なのだ。

だからパチンコ、スロットというギャンブルは自分には向かない。
1度、友達の代打ちでやったことがあるが、
1時間で発狂しそうだった。。。

同じ場所にジッとしている、が苦手なのだ。

そんな落ち着きのない人間にも、
特に何かをさせるわけでもなく
その場にジッとさせる強制力を持つものが
二つある。

さんふらわあ号と温泉だ。

しかし、そこでこの落ち着きのないこの人間は
忘れていた事を気づかされるのである。


何しないをするって大事なんだぞ。


という事に。

「何もしない」は、停滞するとか、
それこそ何かに遅れを取るとかのマイナス要素ではない。

「何もしない」をすることによって、
せかせかと動いてきた脳や体、心を休ませる事ができる。

体の疲れはわかりやすい。
走り続ければ息が上がり筋肉疲労で走れなくなる。

脳もサインを出してくれる、眠気や疲労で。

しかし心はどうだろう。

分かりやすく「嫌だ」と思えれば良いが、
なにかと心はグレーで止めてしまったりする。
実際はブラックなのにどこか無理をしたり
自分をごまかしたりして、ブラックじゃないようにしてしまう。

それが溜まりに溜まってやっと爆発して
「ああ、自分嫌がってたんだな」と気づく頃には
手遅れになってしまっていることもしばしば。

物理的に、疲れたら立ち止まることはできても、
社会で生きてると、人生レベルで立ち止まることは
なかなか難しい。

だからこそ、忘れてはいけないのは


何もしないをする事。


なんだろうなと思った。


温泉に浸かることや、それこそさんふらわあ号、もとい船旅をするのは、
そう頻繁にできるものでもない。

どこか、景色のいい公園に行ったり、
落ち着くカフェでゆっくりコーヒーを飲んだり、

その形は人それぞれだけど、なにか「何もしないをする」
を、是非やってみたらどうだろうか。

もしかしたら「あーそうなんだ、自分、なんか生き急いでたかなぁ」とか
「焦ってたな」「もう少しゆっくりしてもいいんだ」とか
思えるかもしれない。


これが、先日、温泉につかりながら、
あーそうだなー大事だよなー
って思ったことでした。

思いがけず長い文章になってしまいました、
最後までお付き合いありがとうございました・

最後に、仁の「何もしないをする」のやり方の
最上級のおすすめを添えて、締めとさせていただきます。





さんふらわあ号に乗って大浴場に浸かる。



間違いない。


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