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【2023年最新】PMP(PMBOK第7版)取得の道のり①

1. はじめに

PMBOKが第7版になって以降、市販のPMP対策テキスト本の多くがまだ第6版のままであったり、インターネットで調べても情報が少なかったり、私はPMP試験の準備に非常に苦労しました。

そして2023年4月の初回受験で無事にAbove Targetを取得し、無事にPMP試験に合格できました。そこで今後受験される方の参考として、自分がPMP受験にあたって調べたこと、悩んだことをブログに残しておきます(なおPMBOKの第7版と第6版の違いは既に多くの情報が出回っているので、このブログでは割愛します)。

また本ブログでは、第7版に対応したPMP試験対策の情報が少ない中、なるべくお金をかけずに(PMBOK第7版も買わず、日本PMBOK協会にも加入せずにw)どのような準備を行い、私がAbove TargetでPASSをしたかの経緯をまとめたいと思います。ご参考になれば幸いです。

図:私のスコアレポート

2. 受験資格の申請

PMP試験の受験にあたっては、いきなりPMP試験の勉強に取り掛かれたのではなく、まずは
 ①プロジェクトマネジメントの経験年数
 ②35時間の公式なプロジェクトマネジメント研修の受講
といった2つの受験資格を満たすことが必要でした。

「①プロジェクトマネジメントの経験年数」については、受験者が大学卒業、又はそれに相当する資格を持つ場合は、「36か月のプロジェクトマネジメント経験」と「4,500時間のプロジェクトを指揮する立場での実務経験」が必要になります。 また、高校卒業資格を持つ場合は、「60か月のプロジェクトマネジメント経験」と「7,500時間のプロジェクトを指揮する立場での実務経験」が必要になります。

こちら自己申告制で、過去自身が従事したPJについて「期間」・「金額・人数規模」・「概要」・「どのように関与したか」などの情報を、PMP受験の際、英語で申請を行います(申請にあたってはPMPを主催するPMIという組織のページで、まずはマイアカウントの作成が必要です)。

図:PMP主催団体のPMIのWebページ
*自身のアカウントを作成すれば、
PMP試験のための受験資格の申請、
受験申込、試験結果の確認が行える。

また自身がPMでなくとも、PJリーダー、PJメンバーとして関与していた実績も申請して良いとされており、私は自身でまず日本語の概要を作成し、英語に翻訳して申請したところ問題なく、試験資格の審査は通りました(場合によっては監査などが入ることがあるらしいです)。

なお上記を申請する際、「②35時間の公式なプロジェクトマネジメント研修の受講」も必要になります。こちらは「PMP 35時間 研修」などのキーワードで検索してもらえると色々な研修・講習があるので、好きなものを受講して、研修の証明書を発行してもらえれば大丈夫です。私はUdemyで「PMP Certification Exam Prep 35 PDU Project Management Course」といったコースを受講しました。定価だと27,800円ですが、頻繁に割引しており、数千円で購入出来るのでタイミングを見計って購入するのがお勧めです。

参考:PMP Certification Exam Prep 35 PDU Project Management Course

なおUdemyの講座を受けながら気付いたのですが、Udemyの仕様で、最初から最後まで全て再生しなくても、飛ばして最後の数秒だけでも再生するだけでもその動画を見終えたことになります。つまり講座の全て動画を全時間視聴しなくとも、最後だけ再生するテクニックを駆使すれば、実質10分未満で上記Udemy講座を受講したことになり、受講証明書が発行出来てしまうのです…。言い換えると、「35時間の公式なプロジェクトマネジメント研修」を35時間かけずとも、受講したことになってしまいます。ただ動画の中身はPMP受験勉強で必要な内容を網羅しているため、飛ばしてしまうと後々改めて再度勉強しないといけず、飛ばす意味はあまりありませんが…、豆知識でした。

そして上記、PMPの資格要件を無事に取得できれば、いよいよPMBOKの第7版に対応した試験準備を行うことになります。本ブログでは文字数が長くなってしまったので…、改めて私が行った対策についてはパート2として執筆します。続く。

# 補足:PMP試験の動機

(受験対策に関係ないので読み飛ばして大丈夫です。)
「なぜPMPを受けようか」と思った理由として、近年BI・データサイエンスがITのみならず一般用語として広く普及しているかと思います。その影響もあっても私も類に漏れず、データ活用系PJのPMを任されることが数年前から多くなってきたためになります。

普段の業務でPM経験がありますが、基本的に従来のウォーターフォール型PJが主でした。そのためPMPの勉強を開始した時点では、最新PMP試験&PMBOK第7版で大きく取り上げられているアジャイル型PJについて「さっぱり分からない」といった状態でした。例えば、イテレーション・レトロスペクティブなどのキーワードレベルから聞き馴染みがありませんでした。

私の所感ですが「BI・データサイエンス系のPJは従来の業務改善・基幹システムの導入/改修PJと比べた際、要件変更が多く、そして早い」と痛感しています。例えば、ウォーターフォール型でのアプローチだとPJのアウトプットが出来る上がる頃には、ユーザーの求めていた要件も変わっており、加えてPJ発足当初で用意していたデータが古くなってしまっており、「せっかく作られたダッシュボードも使い物にならない」といった状況を社内外で多く見聞きしてきました。

そのため「データ活用系PJでは、ウォーターフォールではなく流行りのアジャイルの方が良いのではないか」と思うようになり、加えてアジャイルについて勉強するなら「せっかくだから資格を取ろう」と今回PMPを目指しました。ちなみにIPAでもプロジェクトマネージャ試験はあるのですが、こちらは従来のウォーターフォール型開発をベースとしたPM業務を想定された試験なので、アジャイルを学ぶにはPMP試験一択でした。

# 追記:PMPを勉強して役立ったこと

PMBOK・PMP試験対策の勉強をした後だから言えることなのですが、データ活用系PJって、実はハイブリット型(アジャイル+ウォーターフォール)が一番親和性があると思っています。

その理由として、データ活用にあたって、ざっくりのステップとして、まず①データ連携・蓄積 → ②BI・分析の手順になるかと思います。この際、
 ①データ連携・蓄積:ウォーターフォール(予測型)
 ②BI・分析    :アジャイル(適応型)
と求められるアプローチが変わると私は思っています。

例えば、BI・分析のフェーズではユーザーの要件が頻繁に変わりやすいため、アジャイル(適応型)のアプローチでスプリントを回して細かく開発していく方がユーザー要望を叶えやすい一方、そもそもBI・分析のためのデータを準備するには、基幹システムからデータ取得・蓄積を行う必要があります。このフェーズでは、基幹システムを運用するメンバーにデータを引っこ抜くための仕組みづくりを一緒に検討・開発してもらう必要があり、アジャイル的には動けず、ウォーターフォール(予測型)で動くことが多いです。

つまり何が言いたいかというと「アジャイル>ウォーターフォール」という図式がある訳ではなく、「アジャイルもウォーターフォールもPJを効果的にマネジメントするための手段に過ぎず、どちらかだけではなく両方理解してPJの性質に応じて適切なアプローチを実践できると良い」ということだと思います。これはPMPを勉強したからこそ気付けた視点だと思っています。

なお私はPMP試験とは別に「アジャイルってなに?」・「キーワードだけではなく、どうやってアジャイルでPJマネジメントするか事例を知りたい」と思い、以下の本を購入しました。登場人物が初めてアジャイルの一種であるスクラムといったベーシックな方式でPJをマネジメントします。理解すべきキーワードをストーリーで無理なく覚えられるのでお勧めです。中身も重たくなく1〜2時間くらいで読めます。

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