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【試練の3番勝負】



 集団として成長したことを実感するために、そして個人として成長したことを実感するために、何か達成感を味わう方法はないだろうかと考えました。

 このまま夏休みをむかえても、きっと素敵な夏休みを過ごし、また楽しみに2学期のスタートさせることができるほど、前向きな心は育っているクラスの子どもたちです。

 しかし、そんな前向きな子どもたちだからこそ、突き抜けた力を身につける最大のチャンスだなとも思ったのです。

 その突き抜けた力を手に入れた経験は、きっと2学期以降の学校生活において、大きな自信となってその子自身を支えるものになるだろうと。

 集団として、個人として突き抜けた力をこの7月で手に入れよう。圧倒的な成果と達成感を手にして夏休みをむかえようというわけです。
 
 そこで、子どもたち上記の旨を伝えて、相談をもちかけました。

 このクラスの目標は?「かっこよくその先をめざすクラス」。すぐに返ってきます。
 
 この残り14日間の7月をどう過ごせば、「かっこよくなったなあ」「その先までいったなあ」となりますかね?

 少し考えました。

 子どもたちから出てきたはじめの言葉は「やり抜く」ということに関して。
 
 では、そのような姿になったら、やり抜いたと言えるのか。少し話し合いをすると、「ふりかえりの量」が、一つ上がってきた。

 ふりかえりは、質的な面も言わずもがな大切です。
 誰と、どん会話をして、どんな発見があったのか。自分の考えや変化はあったのか。今の気持ちはどのような気持ちなのか。どこで心が動き、どの理由はどんなことがきっかけだったのか。達成感をどこで味わったのか。喜ばしかった瞬間はどんな瞬間だったのか。その理由は、、、というように、その都度その都度いろいろな角度から、ふりかえりの質が向上するためのポイントを示したり、そのポイントをうまくおさえたふりかえりを紹介したりしています。
 
 そんな質的な面ももちろん大切ですが、質の向上に欠かせないのが量です。
 量質転化という言葉があるように、初めはとにかく量。量をこなすうちに、質が向上していくというものです。

 子どもたちは、「やり抜く」を考えたとき、限界をつくらず時間いっぱいふりかえりを描き続ける姿をイメージしたのでしょう。

 自分という尊い存在を見捨てないこととは、自分の可能性や能力を信じ、挑戦し続けることでしょう。

 だから、子どもたちは「ふりかえりの量」をあげたのだと思います。
 
 説明が遅くなりましたが、ここでいう「ふりかえり」とは、毎日書いている「けテぶれシート」における、1日のふりかえりです。

 
 その量を「やり抜く」のひとつの目安にすると。

 
 そうなると大切になってくるのが、目標設定です。
 
 これも子どもたちと話し合いながら進めました。

 
 結果、1日に10行書き続けることができたらやり抜けたと全員が胸を張って言えるということになり、それを基準にすることに。

 およそ10行。書くことが苦手な仲間にも寄り添って、8、9行かなという流れになりました。
 
 9行を25人が書いたら、1日でそうふりかえり行数が225行。残り日数はその時で、14日だったため、×14。

 つまり、3150行。

 そんな計算から、14日後。クラスのふりかえり総行数を3000行にすることを目標にしました。

 というわけで、1つ目の目標が決定。

 2つ目は、拍手回数を目標にすることになりました。
 
 これも「かっこよくその先をめざすクラス」を考えたときに、自分たちらしく仲間を大切に認めっているクラスだと考えたわけです。

 その話の流れから、「認め合うとは?」と話は進みます。
 
 その話し合いの中で、「拍手は、認め合った瞬間の代表的なものでは?」となりました。

 というわけで、拍手回数を目標とするわけですから、

 1日に10回拍手が起こると、14日後のそう拍手回数は140回。子どもたちは「もう少しいけるのでは?」という様子。
 
 ということで、1日の拍手回数を12回程度に設定。つまり、14日後のクラス総拍手回数12×14日で、およそ168回。それを受けて、目標は165回の拍手を巻き起こすことを目標とすることになりました。

 最後は、ほめほめカード。

 仲間の素敵な行動や感謝したいことを発見したら、カードに書いて届けるというもの。

 これも子どもたちと話し合う中で、「認め合う」とか「見捨てない」とかって、授業とかで発見するけれど、伝えきれてはないなということに気付いていきました。

 「誰1人として、見捨てないことが形として残るように、、、」「いいところを発見したら、その都度書いて届けるのはどうか!」と話してくれる仲間がいました。
 
 というわけで、ほめほめカードを活用することに。

 気になる目標は、3000枚。
 3000!?

 でも子どもたち口々に言うわけです。「その先を目指すクラスなのだから、限界を超えたい!」と。

 と言うわけで、書ける人を書けない人のそれぞれの気持ちに寄り添いながら、考えていきます。1人が8枚程度書いたとして、200枚。それが14日間。

 200×14=2800。

 子どもたちは、もうひと超えといった様子。

 というわけで、きり良く3000枚と設定。

 

 早速、3000枚を印刷してきました!! 

 量にするとえげつない。

 「これを、この3000枚を2週間でなくすよ。」とだけ伝えて、机におきました。

 試練の3番勝負。スタートです。

 やり抜き、拍手が起き、認め合って喜び合う。7月。もうひと伸びありそうです。

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