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【即興力】


 
 出発を控えた前々日の今日は、各式や活動の進行、整列などのリハーサルを。

 当初、ここまで細かく事前にやっておく予定はなかったのですが、子どもたちからの声により少しだけ時間を取ることに。

 体験学習のときに、必ずしも大成功である必要はないのかと思います。
 実際に行ってみて、うまくいかないことに出会うかもしれませんし、より良い方法があることに気が付くかもしれません。

 うまくいくことばかりではなく、うまくいかないことも、失敗で終わることなく、いかに成長の材料に変えるかという点も極めて重要だからです。

 しかし、子どもたちは、できる限りの準備はしていきたいと、仮にうまくいかないことがあったとしても、できる限りの準備をし尽くして、うまくいかなかったことと、準備不足でうまくいかなかったこととでは、得られる成長のための材料のレベルが違うのだと。

 というわけで、「練習しておきたい!」「一回やってみて、見てもらって、修正して、当日をむかえたい!」となり、実際にやってみて修正を入れることに。
 
 ここでの、とりあえずやってみて、課題を出して、修正していく。という言葉が出てくるところに「磨く」「学ぶ」「力を伸ばす」といったときに「計画」「テスト」「分析」「練習」という「けテぶれ」が身についていることを感じました。

 早速、「じゃあ、出発式!集合場所は廊下。」とだけ伝えると、、、。

 「何の順だっけ?」「ん?どこ?次何?」と、バタバタ。笑
 
 教室から廊下にでて、活動班に並ぶだけで3分。

 課題点が見てきます。
 
 「次は、お昼ご飯だね!そろったらどうぞ!食堂は学習室。」「次は、入所式!場所は廊下」などと、場所を変えながら、実際に動きながら流れや進行を確認。

 初めは3分かかっていた整列も、32秒に。

 司会進行も実際にやってみます。

 ここで、もっとも素晴らしいなと感じたことは「即興力」です。

 コミュニケーション力こそ、頭の良さであると言われているこの時代。
 また、先の見えない不確実なこの時代。
 
 その場での即興力が求められます。

 子どもたちは「原稿」になくても、「この活動を振り返って、感想ある人いますか?」と問いかけたり、そこでスパッと手を挙げて感想をアドリブで話したり。
 
 セリフになくても「次は食事なので、食事係は15分に食堂に行きましょう!」「ナイトハイクでは、夜の音に注目して楽しみましょう!」など一言を添えるのです。
 
 いや、お見事。

 セリフ通りに話すのは、ロボットでもできます。しかし、目の前の状況や空気感で話す内容を変化させるのは、そこにいるその「人」にしかできません。

 今目の前にいるこの4年生にしかつくれない体験学習にこそ、大きな価値がある。こういった即興力はその象徴だと。

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