【またもやモノを売るセンス】
七夕に短冊を販売したりだとか、一枚目を無料にするだとか。
要は、「モノが売れるときにはタイミングがあること」だったり、「一度経験させた後の有料が効果的であること」だったりを、自分自身の経験で感じているわけですが、またまたおもしろい動きがあった。
「当日無料券を100ピースで売る」という矛盾な戦略。
またまたおもしろいことを考えるなあと本当に感心する。
考えたのは「射的」を夏祭りにやるチーム。
この度、「当日無料券を100ピースで売りま〜す!!」と急に連絡の時間に広告を打ち出した。
周りからのリアクションは当然「いや、無料ちゃうやん!!w」的なもの。
僕自身も、それを聴いて素直に「それ成立するの??」と思ったが、ここからがお見事なところ。
よくよく聴いてみると、夏祭り当日に射的をするには「200ピース」かかるという価格設定なようだ。
ここで一気に「100ピース」はかかる「当日無料券」の価値が爆上がり。
そう、この仕組み「前売り券」です。
先行予約とか、前売り券だと当日券よりも安いことがある。
「前売り券」を売ることで、まず「売ている状態」で当日をむかえることができる。
ある一定のお客さんが確保された状態で当日をむかえられるのだ。
「今日、お客さんくるかな??」という不安がない。
つまり、「商品を準備し過ぎてしまった」「思いの外、お客が来て商品が足らない」というリスクを避けることができる。
商売をする上で、欠かせないのは「負けないこと」
そのためにリスクや無駄は極力抑えたい。
そうなったとき「事前に○人くらい来ることが決まっているよ」となれば、リスクを圧倒的に下げることができる。
もう一つは、当日の「前売り券」を売ることで、「当日券」を買う人が増えやすくなるということ。
どういうことかというと、「前売り券」を売っているということは、どういうことかというと、夏祭り前から「話題」になっており、「射的にいく」ということのみ、買った人のスケジュールには決まっているということ。
その「話題」が大きい。
当日も、射的屋さんは「前売り券を買った人」で賑わいを見せることは決まっている。
そこで働く心理が「バンドワゴン効果」ってやつ。
簡単にいうと、「並んでいるお店に並んでしまう」というあれだ。
そう考えると、夏祭りを開始します。「どうぞ」の瞬間から、射的屋さんは賑わいを見せる。
賑わっていた、並んでいたり、盛り上がっていたりするところに人は集まるので「僕も並んでみようかな」「私もやってみよう!」という「当日券」を買うお客さんを増やすことができる。
確かに「前売り券」は「当日券」の半額だけれど、まずは「数」を売ることが目的であるし、何より「前売り券を買った人達で賑やかにし、当日券を売るための「広告費」と捉えばよい。
確かに「安く」ものを売っているけれどそれは「広告」で。
その「安い前売り券」のおかげで、「射的面白かったよー!!」と勝手に宣伝してくれる仲間を増やし、賑わいを作ってくれる「お客さんを上手に使った広告」になるわけだ。
そしてその半額にした分をペイにできるくらい、当日券は売れるだろう。
子どもたちはきっとここまで考えていないと思う。だけれど、天然でやれるというのはモノを売るセンスがあるってことだ。
これらのことを「言語化」し、3年生も理解できる範囲で「フィードバック」を行うのが担任の仕事。
天然で経験したことが、社会に出たときどれだけ使える技術かを言語化して伝えていきたい。
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