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(マネジメント②)なぜ、新しいマネジメントが必要なのか ~マネジメントの課題

私たちの住んでいる世界は、「不確実な社会になった」と言われている。21世紀に入り、特にこの十年、“○年に一度” の出来事が頻繁に起こっている。昨日は十年に一度といい、今日は数十年に一度というぐらい、ある程度の周期で起こることが、周期とは関係なく起こっている。

不確実とは何かと尋ねられたら、「あり得ないこと」と私は答える。政治・経済そして自然などあらゆるところで、あり得ない不確実なことが起こっている。不確実な社会での問題はいくつもある。その中でも特に大きな問題が、一つある。

それは、不確実なことが起こることよりも、「起こってから、予測できた(していた)」と言ったり、「不確実にも関わらず、不確実性を測れる」と思い込んだり、“測れる” という誤った認識、思い込みをしていること

「果たして、この思い込みは本当に有効なのだろうか。科学は万能なのだろうか。」

近年、「VUCA」という言葉をよく目に耳にするようになった。VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった略語で、一言でいえば「先がみえない状態」「お先真っ暗」といえるだろう。
このVUCAをマネジメントでも耳にするようになったのは、経営における意思決定が難しくなったから。意思決定は、思い込みからくる「管理統制のマネジメントは、有効である」のもと成り立っている。

そう、VUCAの時代では、管理統制は意味をなさなくなった。世界的経営思想家のゲイリー・ハメルは、『経営の未来 マネジメントをイノベーションせよ』で、マネジメントの問題について次のように書いている。

あなたの会社は、20世紀初頭に「近代」経営管理のルールや慣行を生み出した人びと、とうの昔に亡くなった少数の思想家や実務家によって、今現在もほとんど動かされている。
( Pⅴより )
経営管理の手法がかってほど急速に進化していないのに対し、21世紀の企業を取り巻く環境は、かってないほど変化が激しくなっている。
( P10より )

ハメルがこの本を執筆していた当時は恐らくVUCAという言葉もなく、多くの人が認識していなかったと思う。しかし、気づいている人たちは、未来を視ていた人たちはいた。
その一人のハメルが、これから起こるVUCAの時代のマネジメントの問題を起こる前に的確についていることは興味深い。どのようにして “経営の未来” を視たのか、知りたい。しかし、ハメルのこの言葉を知らなくても、次の違和感を持ったことがあるのではないだろうか。

● 社会などの環境は大きく変化しているにも関わらず、マネジメントはほとんど変化していない
● 20世紀社会をもとにした経営管理を、大きく変わった21世紀社会に、無理にあてはめようとしている

「変化しなければいけない」や「新しいものは何でも使うべき」とは決して思わない。変わらなくてもいいものはある。無理して変えようとして、機能しなくなることもある。例えば、古いOSに新しいソフトをインストールしても動かない。

ただし、周りで起こっていることに無関心・無意識で、何も考えずに古いものを使い続けていることに、大きな問題がある。既に起こっていることから、これから起ころうとしていることから、これからの新しいマネジメントを思索していく。

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