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坂道。

坂道を見上げると、ため息をつく。
坂道を見下ろすと、ほっとする。

この違いは何だろうか。

会社に行くときの上り坂は、正直つらい。
汗をかいて、ぎゅーぎゅー詰めの電車に乗ると考えるだけで、
  嫌になってくる。
想像しただけで、坂を上りながら、家に帰りたくなる。
疲れきって会社に着くと、息を整えるところから仕事を始めたい。
でも仕事は待ってくれない、息を切らして仕事を始める。

だから、会社に行く時は、下り坂の方が精神的に楽だ。
となると会社から帰る時は、必然的に上り坂になる。

しかし、仕事で疲れ切った後の上り坂もしんどい。
晩御飯などの買い物した帰りは荷物を持つので、肉体的にこたえる。

一番こたえるのは、お酒を飲んだ帰り。
楽しく飲んで帰ったのに、坂道を見上げた瞬間、
  現実に戻され酔いが覚めてしまう。
いや待てよ、酔いが覚めるからいいのかもしれないが。

同じように、遊びに行くときと帰ってくるときもいろいろある。


見知らない場所に行って、
  上り坂を見上げると嫌になるが、
    きっと下り坂があることを信じて黙々と坂を上る。

下り坂のときは、浮かれ過ぎずに、
  下りた後に待っている上り坂を思い浮かべて、
    体力を使わないように降りていく。

上り坂には、先にあるものが見えないから、
  何が待っているかという楽しみがある。
下り坂には、先にあるものが何となく見えそうだから、
  楽しみがなく、つまらない気になったりする。


出発地点と目的地が変わると、状況が変わると、
  坂道の印象は大きく変わる。

人の印象も似たようなものだ。
好印象が悪印象になることも、悪印象が好印象になることもある。
その時の見た目で判断しないことが、大切だ。

そして、人生も坂道と同じ。
上り坂もあれば下り坂もある。
坂の向こう側をどう想像するかで、楽しくも悲しくも生きられる。
どっちがいいのかという判断をせずに、ただ想像だけしたい。

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