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身体をメンテナンスするように、経営もメンテナンスが必要。

半年毎に、歯の定期検診をしている。小さい頃は虫歯が多く、健康な歯でありたいと思って、遅まきながら定期的に歯の健診に行っている。
同じように、毎月の献血や年一回の人間ドックなどで身体の状態を確認している、40代になってから。

以前かかりつけ病院の先生と話をしていて、年一回の人間ドックは予防にはならないと聞いた。それは、異常(結果)を早期発見するのであるからだと。なるほどと思ったが、年一回の定期健診に毎月の献血を組み合わせて、データから変化をみることで予防はできる。

定点観測をすることで、リスクを回避することはできる。

昔から家で軽い(?)ウェイトトレーニングというか腹筋をし続けている。以前は腹筋にはまり信じられない回数を更新し続けて、鼠蹊部ヘルニア(脱腸)になって手術をした。先生から「何を目指しているのですか」と呆れられるぐらいの回数だった。
術後は体型維持のための軽めに変えた。ただ年には勝てない。以前に比べ、腹囲が年々増えているのが悩みの種。特にここ数年、急激に増えた。横ばいだったのが、右肩上がりになったから、余計に気になる。
同世代の周りからみればスッキリしているが、今まで問題なく履けていた20年以上前のパンツがきつくなったことに最近気づいた。

そう、自分の身体の定期メンテナンスは、誰もが意識する。しかし、会社となると定期メンテナンスはしない。いや、そういう考えがないのもかしれない。成長ばかりを追い求めて、気づくと中身がスカスカになっている。

だから、監査(税務・会計・内部)が求められるようになっている。しかしそれだけでは、十分ではない。特に、会社の成長とともに組織の肥大化に対するマネジメントのメンテナンスが抜けている。私が以前勤めていた会社もメンテナンスが抜けていて、経営に失敗をした。

入社当時は業界では、リーダーでもチャレンジャーでもフォロワーでもなく、ニッチャーだった。オンリーワンの商品をつくり続けていた。
バブルが弾けたことで、先頭を走っていたリーダーが、チャレンジャーが、そしてフォロワーまでも脱落し、気づいたらニッチャーだった会社が業界トップ(代表)を走るようになった。
そのことに気づかず、自分たちの力でトップを勝ち取ったと誤解したことが、失敗の理由の一つだった。

一部の人は経営や組織に不安を感じていた。既存のマネジメントの仕組みのまま、成長を追い求めるようになったから。既存のマネジメントは、町工場のようなマネジメントに近い。組織を含めての既存のマネジメントの仕組みを変える必要があるのに、変えずに成長を追い求めた。
喩えるなら、エンジンやタイヤなどを変えずにF1レースに出るようなもの。途中で異常な音などが現れて、メンテナンスをしようとしたが間に合わず、エンストを起こし、レースから離脱。

肥大化に伴うメンテナンスが必要となった。しかしメンテナンスは、人員整理や事業縮小そして買収合併など、本来求められるメンテナンスとは違っていた。もっと早くにメンテナンスをすれば、レースを変えた時にすれば、異常が起こらなかったのに。

会社も人と同じで、ステージ毎にマネジメントの仕組みのメンテナンスが必要となってくる。

そのメンテナンスの必要性を確認するツールとして、企業レポートがある。会社の実態を報告するだけでない企業レポートが。次から少しそのことについてふれていきたい。

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