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(マネジメント⑧)新しい組織のカタチ ~組織の変化がマネジメントを変えていく①

新しい組織は、二つの方向から変わっていく。一つは、新しいマネジメント論などの研究を通して、組織を変えていく。もう一つは、現場で感じたことから実験を繰り返しながら、組織を変えていく。

前者は理論をもとに頭で考えながら、後者は体で感じて体を動かしながら、組織を変えていく。また、前者は創りたい組織の像を最初に描き、後者は創りたい組織の像はなく実験しながら像を描いていく。

これらの違い(理論と実験/頭(思考)と体(行動)/ビジョンとノービジョン)から生まれた新しい組織を、これからいくつか紹介していきたい。
新しいマネジメントと同様に共通するキーワードが数多くあり、それらを最後にピックアップし、マネジメント2.0のカタチを更に整えていく。

まず、新しい組織の紹介の前に、なぜ新しい組織のカタチを考えるのかについてふれることから始める。

組織の変化がマネジメントを変えていく

今いろいろな場所で、従来のピラミッド型(階層型)の慣れ親しんだ縦構造の組織から、新しい組織のカタチが生まれている。従来の組織にあった歪みを治すために、新しい組織が生まれていく

歪みの治し方の違いによって、新しい組織の呼び方は違う。代表的な組織として、最近よく耳にするホラクラシーやTeal(ティール)がある。今年1月に出版された『ティール組織』はメディアでも大きく取り上げられ、国会の働き方改革でも紹介されるなど、大きな話題になっている。
それだけ、組織構造に対する問題意識が社会全体で高くなっているともいえる。恐らく、まだ名前のない組織概念も生まれてくるだろう。いや、すでに産声をあげているかもしれない。

いずれにしろ新しい組織が会社に定着するには、働き方まで含めた会社のカタチを変えなければならない。その結果、変化に馴染めない人は会社を去り、変化に対応できない古い体質の会社は市場から淘汰されていく。これは、自然の摂理が働き新陳代謝が起こっていることを示している。

組織の大きな変化は、マネジメントのコントロール単位が変わること

「事業部-部-課-グループ」という縦型の事業部別から、社内横断型のプロジェクト別・社外パートナーとの共創協働チーム別に変わっていく。コントロール単位を変えると、組織から階層がなくなっていく。

階層があることで、社内に激しい競争が生まれた。階層があることで、人が人を支配(コントロール)するようになった。階層があることで、給与や待遇などの区別が格差を生んだ。階層があることで、多くのものが分断された。

階層図から組織化されているように一見みえるが、実は組織化されていない、逆に孤立が起きている。これは、何も会社内だけの話ではない。同じような問題(競争社会・官僚社会・格差社会・分断社会)が、社会全体で起きている。

これらの問題を解決する方法の一つとして、 “問題の根源である階層をなくした組織” が生まれた

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