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相手がいることで、相手を想うことで、ココロの葛藤が起こる。|ドラマ感想

これは、以前使っていたブログに当時観ていたドラマ『明日、ママがいない』から感じたことを投稿した文章。読み返して今も大切だと思い、色あせない言葉が散りばめられたドラマだったので、改めてnoteに投稿することに。

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『明日、ママがいない』の第7回は、ココロの葛藤の変化についての話だった。相関図はこちらに。

今回は、いろいろな人の抱えるココロが見えてくる内容だった。特別なココロではなく、誰もが持っている、また持つ可能性のあるココロ。本人が気づいているココロと、気付いていないココロについて。

ポストちゃん(芦田愛菜)のクラスに、産休の先生に代わって新しい先生が赴任してきた場面から始まる。ポストちゃんは自己紹介で名前を聞かれて、名前をいおうとしたシーンで場面が変わる。どのような名前か気になった。

「自分で言うのは照れるよね、ドキュンだし」
「かわいいのに」
「僕も似合っていると思う」

ドラマは、3つの家族と3人の子どもたちとの関わりが中心で展開されていく。子どもたちと家族との関わり方で纏めてみた。

今回の中心ドンキちゃん(鈴木梨央)に何が起こったかから。

ドンキちゃんが、ココロの病を抱えていることがわかった。これは前回のラストからも気になっていたこと。前回ロッカー(三浦翔平)が暴力を振るった時に、一部始終をみていたのに何故ドンキちゃんが言わなかったかについて、魔王(三上博史)は叶(木村文乃)に言った。

「“わざと” ではなく、“あえて” 言わなかった」

そのココロを、他人を悪く思わせて自分の評価をあげようとする「シーソー」という表現で表した。そして、「心のヤミ」とも言った。確かに、ときどき見せる別の何かを見ているような表情にも気になっていた。それが今回クローズアップされることに。

叶やお弁当屋の人(魔王の元妻)に館長のことを告げ口
ボンビちゃん(渡邉このみ)の幸せを壊そうと園の双子の兄弟をそそのかす

しかし果たして特別な病なのだろうか、そしてヤミなのだろうか。

では、3つの家族と3人の子どもの関わりを纏めてみる。

● ボンビちゃんと憧れのジョリピ夫妻との関わり

男の子を探しに園にやって来たジョリピと一緒にいたいとの思いから、ボンビちゃんは髪の毛を切り男の子のフリをするという、思い切った行動にでた。いつかバレると知りながらも、ジョリピと長く一緒に居たいために。その嘘がバレて、園にも帰らずにいたところ、ポストちゃんが迎えにきた。

● ドンキちゃんと里親候補の夫妻との関わり
叶が、ドンキちゃんのココロの変化について里親候補の夫妻にすべて話した。夫妻の温かい、優しい言葉を廊下で聞いて、涙が止まらないドンキちゃん。その涙は偽りでもなく、本当の気持ち。奥さんの言葉が印象的だった。

「ココロにまだ傷をおっているなら、私たちが治します」
「両手に抱えきれないほどの“包帯”は用意しています」

そして、その言葉を聞いた叶は言った。

「あなたたちのような方に、巡り合いたかった」
「もっとあの子(ドンキちゃん)のような少女の時代に・・・」

叶にも悲しい過去があり、小さい頃に優しい里親に拾われたら人生どうなっていたかという想いから今の仕事をしているから。

● ポストちゃんと新しい先生夫妻との関わり
次回以降、この新しい先生夫妻との関わりが、ポストちゃんに影響を及ぼすと思う。この先生の家庭にも、お子さんを事故で亡くすという悲しい過去があり、その現実を受け止められず現実逃避を続けている母親。母親はなぜか、ポストちゃんを亡くしたお子さんと間違えている。


続いて、気になった3人(ドンキちゃん、叶、魔王)のココロの葛藤について。

● ドンキちゃんのココロ
ボンビちゃんが園に戻らない理由が、ジョリピ夫妻に事実を言った双子の兄弟にあり、そのことで双子と争うポストちゃんの様子を、ゆがんだ笑顔を浮かべてみているドンキちゃん。その顔に気付いたロッカー。実は、双子の兄弟をそそのかしたのはドンキちゃん。それを知った魔王がドンキちゃんに言い放った。

「友だち想いの芝居をよせ」

ドンキちゃんの弁解に対して、魔王はさらに「ウソはよせ」と言った。

ドンキちゃんは“ウソ”を言っていたのだろうか、と思う。ウソを言ったという認識がない気がする。実は、ウソというのも難しい。誰にとってかによって、ウソではないから。

● 叶のココロ
叶は結婚の報告を魔王とロッカーにする。結婚して、今の仕事を辞めると言ったとき、魔王は叶に向かって叫んだ。

「子どもたちが “自分で” 選ぶ、それができなくなる」
「子どもたちの居場所は、“子どもたち自身の手で” 見つけさせる」
「片手間に優しくすることは誰にでもできる」
「ずっとそばにおける訳ではない、だから時には突き放し、強い心を持たせて送り出さないといけない」

叶がクールを装っていたのも、子どもたちに対する深い優しさの裏返し。それは魔王にもあてはまる。叶は叶で、ずーっと自分と戦ってきた。今も戦い苦しんでいる。叶が結婚を選ぶのか、それとも子どもたちを選ぶのか

● 魔王のココロ
ドンキちゃんは、館長との言い争いの中で階段から落ちた。ケガをしたドンキちゃんはお弁当屋さんに会いにいき、2人が一緒に園に戻ってきた。そこで魔王の過去が明らかになった。

・ 二人は元夫婦(離婚したのかはわからない)
・ 警察を辞めた理由(他にもある気がして、なぜ足が不自由なのかが謎のまま)
・ 二人の間に起こった悲しい過去

子どもを産むのが難しい妻か、お腹の赤ちゃんのどちらかを選ぶかで、妻を選ぶ魔王。しかし自分よりも赤ちゃんを選ぶことを望んでいた妻。魔王は赤ちゃんよりも元妻を選んだことを悔やんでいる。妻から「施設を始めたのは贖罪のため?」と聞かれ、なぜ108人に拘るかを話した。その話を聞き、元妻から「自己満足」と言われた。

しかし、叶が「自己満足でここまでできない」という話をした。実際私も自己満足だけで、あそこまではできないと思う。この元夫婦のカベがなくなるのか気になる。ただそのカベを壊すのは子どもたちだとも思う。

最後に、ドンキちゃんはウソをついていないと思う。

本人が知らずに、いや気づかずにしている行動だと。二重人格ではなく、精神的にかなり不安定になっている気がする。ココロのバランスが大きく崩れかかっている気がしてならない。いろいろなことが起こり、それにココロが追い付かず不安定になっている気がする。予告でのポストちゃんの言葉から何となくそう思えた。

今回のラストは、先生夫妻の家に行くポストちゃんで終わった。ポストちゃんは、亡くなった子どもになろうと決めた気がする。自分が幸せになりたいというより、先生の奥さんに幸せになって欲しいと思う優しさが見え隠れする。

ドラマも残りわずかと佳境に。子どもたちと大人が関わり合うことで、どう変わっていくかを期待してドラマを楽しもうと思う。

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