見出し画像

(アカウンティング④)アカウンティング ~マネジメントから会計を考える①

マネジメントと会計はお互いが関係し合っている。マネジメントの結果を会計で表し、会計情報からマネジメントの実態をみることができる。この双方向の関係性が、経営のサイクルとなって現れてくる。

マネジメントの章で、“これからのマネジメント” としてマネジメント2.0を思索探究してきた。このマネジメント2.0の視点から、“これからの会計”を探っていきたい。まずここでは、マネジメントの章でふれた、「マネジメントの課題は何か」と「これからのマネジメントとは」について、要点を簡単に纏めていくことにする。

「マネジメントの課題は何か。」

会計の限界でもふれたが、私たちの住んでいる世界は、「不確実な社会になった」と言われている。不確実とは何かと尋ねられたら、「あり得ないこと」と私は答える。政治・経済・そして自然などあらゆるところで、あり得ない不確実なことが起こっている。不確実な社会での問題はいくつもある。その中でも特に大きな問題が、一つある。

それは、不確実なことが起こることよりも、「起こってから、予測できた(していた)」と言ったり、「不確実にも関わらず、不確実性を測れる」と思い込んだり、“測れる” という誤った認識、思い込みをしていること。

変動性(Volatility)、不確実性(Uncertainty)、複雑性(Complexity)、曖昧性(Ambiguity)の頭文字をとった略語で、近年よく目に耳にするようになった「VUCA」の世界は、先がみえない状態である。
このVUCAの時代では、経営の意思決定が難しくなった。それは、思い込みからくる「管理統制のマネジメントは、有効である」のもとで、意思決定が成り立っているから。

VUCAの時代では、「管理統制は意味をなさなくなった」

そこで、今までの20世紀型マネジメントを “マネジメント1.0” と、これからの21世紀型マネジメントを “マネジメント2.0” と区別して比較しながら、マネジメントの章で思索探究してきた。

「これからのマネジメントとは。」

マネジメント1.0と2.0の違いがわかるように纏めると、表のようになる。

マネジメント1.0の目的は、会社が成長成功することにあった。そのため、組織(階層)を守るために管理統制して従わせる役割がマネジメント1.0にあった。

しかし、マネジメント2.0の不確実なVUCAの時代では、管理統制という役割が意味をなさなくなる。また不確実な時代で会社に求められるのは、成長成功ではなく、想定外の出来事に対応し変化に適応して、生き残ることに変わっていく。

先にふれたマネジメントの課題を解決する新しいマネジメントとして、マネジメント2.0へ変わる必要があることをふれた。このマネジメント1.0から2.0への変化の特徴から、会計の役割の変化を次に探っていく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?