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新しい経営のカタチ、新しい資本主義のカタチ

2011年末に会社を退職し、ビジネスセクターからソーシャルセクターに移った。教育ビジネスの起業を模索していく中で、これからのマネジメントを研究するようになった。
そこでは、いろいろな気づきや発見があった。なかでもビジネスセクターの経営理論が、ソーシャルセクターでは意味を持たないこと。そこから、新しい経営や資本主義の概念を考えるようになった。
概念をカタチに顕したのが、フリーランスで起業した2015年始めに作った当時の活動説明書。今から遡ること4年前の文章を、改めてnote用に文章や言葉をリニューアルしてみることに。

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新しい経営のカタチ

新しい経営の考え方
● 経営の目的とは、「人や社会を豊かにし、そして幸せにする」
  ✓ 利益を上げて成長することは手段で、目的ではない
● 経営とは、「豊かさを幸せにつなげる仕組み」
  ✓ 経営は、想いを社会の価値に換える「橋(手段)」
  ✓ 経営は、社会を創り変える「仕組み(価値創造・意識変革)」
サスティナビリティな経営
『分配(思いやり・分かちあい)』と『再投資』の仕組み
事業で得た資本の一部を社会に分配することで、社会からえられた共感や信頼による資本が事業に再投資される(資本の循環)

ビジネス(事業活動)とソーシャル(社会活動)を営利・非営利と分けて考えがちではあるが、これからの社会では “区別する” ことに意味はなく、“つながっている” と考えるようになるだろう。つながりも、一方通行の関係性ではなく、双方向の関係性に。

「ビジネス → ソーシャル」の分配(売上の一部寄付など)はあっても、「ソーシャル → ビジネス」の再投資の “仕組み” は十分になく、ここが、サスティナビリティな経営を考える上での大きな課題になる。
再投資の仕組みがないために、毎回活動資金を他から集めること(資金調達)が必要となる。解決すべき課題が大きくなるほど調達資金が増え、資金調達にかなりの体力を使っている。

そこで解決策として、『資本が循環する仕組み(分配と再投資)』が必要になってくる。


< 分配 >
 事業活動でえられた資本の一部を、社会に還元・貢献
  ( Output → Outcome )

< 再投資 >
 共感や信頼からえられた資本を、事業活動に投資
  ( Outcome → Input )

資本が循環する仕組みとは何かと訊かれれば、次のように答える。

「いいことをしている組織を、社会全体で応援・支援する仕組み」

この資本が循環する仕組みから、新しい資本主義が浮かんだ。


新しい資本主義のカタチ

『 “共感と信頼” が、“資本” をよび、ともに “未来” を創る 』

この資本が循環する仕組みには、大きな課題がある。

「どのような状態になると応援・支援するのか。」

直観的にアダム・スミスの著書『道徳感情論』のエッセンスを汲んだ考え方が、解決策になると思えた。多くの経済学者や経営学者が、スミスの『道徳感情論』を引用しながら、経済(経営)において本当に大切なことを次のように語っている。

「道徳(倫理)、共感、社会的価値、幸せ・豊かさなど」

これが意味することは、「今から約250年前のスミスの考え方が、現在社会でも大切にしていかなければならないということ」。これは、経済(経営)における前提となる、“思想” にあたる。思想と書くと重く感じるかもしれないが、経営(企業)理念や行動指針などで経営者や会社の思想を表現している。そう、言葉の表現が違うだけ。

思想や価値観、経営者や組織のあり方そして未来を創るプロセスなどに、人は “共感” している。しかし共感だけでは、応援や支援の行動までは移らない。それは、いくら素晴らしいことを言っても結果や成果などが伴わいと、組織に対する不安や不信を抱き、応援や支援の行動の一歩を踏み出せないから。

この一歩を踏み出せない課題を解決するために必要なことは、社会から共感と信頼を得られ行動に移せる環境をつくること。共感と信頼を得ることで、様々な資本が組織に集まり、組織を中心にした社会が未来を創っていく。水が沸騰するときのように、至るところで、未来の息吹が噴き出していく。

従来のイメージにある一部の資本家がつくるのではなく、社会全体でつくるカタチが “新しい資本主義” となる。

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