(デザイン④)なぜ、会計にデザインが必要なのか ~日本らしい会計
「日本らしさとは何か」「なぜ日本らしいアカウンティングが必要なのか」について考えていきたい。
欧米でマネジメント論が発展してきたことからわかるように、私たちが知っている/使っているマネジメント論は、西洋思考がベースになっている。
しかし近年、アメリカを代表する会社、特にIT会社が、禅や仏教などの東洋思想をマネジメントに取り入れている。日本の会社でもマインドフルネスを取り入れている。会社だけではなく一部のビジネススクールでも取り入れている。
そう、マネジメントに東からの風が緩やかに吹いている。これまでの西からの風に新しい東からの風が混ざり合って、新しいマネジメントの風が舞いつつある。
「なぜ、東洋思想をマネジメントに取り入れるようになったのか。」
一言で言うなら、西洋思考だけのマネジメントの限界を認識し始めたから。成長成功を追い求めた結果、社会や環境そして地球がどうなったかを考えるとよくわかる。またマネジメントの限界は、人や組織そして会社の疲弊となって目の前に現れた。
このままではダメだということに気づいた一部の経営者(リーダー)が、東洋思想をマネジメントに取り入れ始めた。
取り入れられた背景は、よくわからない。西洋思考の頭のマネジメントに心が悲鳴をあげ、東洋思想の心のマネジメントに安らぎを求めたのかもしれない。
成果が実証されていくと、日本の会社も取り入れるようになった。実に興味深いことは、日本に元々あった東洋思想が海外から逆輸入のカタチで入ってきた(戻ってきた)こと。
本人(会社・国)の良さをなかなか本人はわからない。自分じゃない他人だからこそ気づき、良さを本人に伝えることはよくある話だ。
日本文化には、この東洋思想をベースにし、他国にはない「余白という美」が在る。この余白にいろいろな意味が隠されている。余白そのものは見えるが、余白の隠された意味は見えず、感じないとみえてこない。余白を感じることから、隠れされた意味(可能性)を発見することができる。
海外の人は、日本文化にふれ、母国や知っている国にはない “日本らしさ” に驚く。日本文化に親しみを覚え共感し、日本が好きになっていく。日本人以上に好きになる。
何か好きになる前に、何かへの共感の心が芽生えている。会社の活動に共感してもらえると、会社を好きになって応援してもらえる。
このような共感を生み出せるような、余白をデザインする(意味を浮き上がらせる)日本らしいアカウンティングが必要になるだろうと考えている。
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