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デフレを起こした言葉。

言葉に、敏感になったのはいつからだろうか。

いや、いつからではなく、昔からだった気がする。
ただ、無意識であるか、意識しているかの違いにすぎない。

たまに言われる。
「細かい」「五月蠅い」「それぐらいいいやん」

いつからか、言葉を雑に乱暴に使われると、
  「う~っ」と心で唸るようになった。


昔はよく使い、最近使わなくなった、正しくは使いたくない言葉がある。

それは、「正義」。
過去にも、このことについて触れたかもしれない。

誰もが、安易に使うようになった。
誰もが、正義を振りかざすようになった。

振りかざした正義のためなら、
  何をしてもいいと思うようになってしまった。
振りかざした正義を、降ろすことすらできなくなってしまった。

気づくと、正義という言葉の重みがなくなった。
正義という言葉が、羽のように軽くなった。


他に、「レジェンド」も。

ちょっとしたことでも、レジェンドを使っている。
そのせいで、本当にレジェンドと呼ばれる人たちが隠れてしまった。

挙げれば、きりがない。
でも、最近の言葉のあふれ方にはいろいろと思う。

言葉が軽くなったから、乱発しまくっている。
乱発から乱暴に姿を変え、暴力へと変わっていく。


昔は、言葉を発することが難しかった。
だから、その言葉に耳を傾けていた。

今は、誰もが言葉を勢いで乱れ打つ。
散弾銃のように放たれた言葉が、人に突き刺さる。
撃った本人は、誰かを傷つけていることに気づかない。


言葉の意味、重み、想いが軽くなった。
このことに、何人の人も気づいている。
誰もが薄々気づいている。

今一度、言葉を発する前に、ひと呼吸したい。
ひと呼吸することで、立ち止まりたい。

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