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ひといきファンタジー(3分で読める短編小説)

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仕事の休憩時間、電車の中の暇つぶし、なんとなくでも、3分だけ冒険しませんか?長い文章を読むのが辛い人にもおすすめ。作者も実は体が弱く、長い文章を読むのが苦手。それでも少しだけ、皆…
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記事一覧

炎のジャヤ

栄えた都市はある日、炎に包まれた。 略奪、殺戮、そして邪悪なる勝鬨が響く真ん中で彼女の魂…

月光の獅子

月に照らされた牙と立て髪は工芸品とよく言ったものだ。 月光の獅子は月夜にのみ姿を表し、澄…

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沼さんぽ

ひどく痩せたな。 借金取りに追いかけられる毎日から抜け出すべく、私は沼地に住むようになっ…

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さめぼうず

いつもぼーっとしてんだ。  汚ねぇ海の砂浜で、朝から晩までぼーっとしてんだ。 なーんも変…

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ポイズンファット

そいつはかつて生物兵器として導入された。 人の顔をしているが、手足はやたら細いのに腹はま…

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ゴブリン行列

それは、とあるゴブリンの好奇心から始まった。 ゴブリンが見たのは近くにある人間の国に属す…

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女神の浮遊像

その像はいつも浮いている。 ちょうど大人が軽く見上げるほどに。 この像は町外れの遺跡に突如現れた当初からこのように浮いている。 煌びやかというほどでないが、汚れひとつなく見た目は白い女神と呼んでも差し支えない。 女神の浮遊像、私はそう呼んでいる。 私はいつも、仕事で通る途中ここでお祈りをする。 いつも平和でいてくれてありがとうと感謝を込めて。 そんなある日、妻が病気で倒れた。 ひどい肺炎であった。 我が子は妻のやつれゆく姿に大泣きする日々。 大泣きが続くほ

錆びた兵

この鉄臭さは本当に鉄の臭いなのだろうか。 背負っている新品のリュックに似合わない光景が広…

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