「あの時休職してなかったら」と思うとゾッとすること。

休職する直前の私は、極端な気分の変動に悩まされていた。
元気ではつらつと仕事ができる日と、死んだような表情でこちらからは誰にも話しかけないような日…これを繰り返していた。

そのうち気持ちの限界が来そうだな…とうすうす感じながら仕事をしていた。

この気持ちの落ち込みの正体は分かっていた。

望まない異動により、仕事に身が入らず、徐々に自分を嫌いになっていった事が原因だ。

何とか状況を変えようと、退職の打診もしていたが、オーナーから引き止められ、退職は先延ばしになっていた。

何とか要望を聞き入れてもらい、希望の部署に異動する予定はたっていたが、それは半年以上も先の予定だった。

雇われの身である以上、異動命令はあって然り。

しかしながら、その半年間を持ち堪える事が出来なかった。

熱発によりダウンした日、今の精神状態を主治医に相談した。

休職を勧められ、すごく迷った。

・休んだらもう職場に戻れないのでは？
・精神疾患を持ってる人とレッテル貼りされる？
・家族にどう説明する？
・お金は大丈夫か？

数えるとキリが無いほどの不安がぐるぐると頭を駆け巡った。

1日猶予をもらい、考えた末、休職する事を決意した。

休職中の出来事や感じた事などは、別の記事に書いているので割愛するとして、結論から言えば、休職をして良かったと断言できる。

メンタルがボロボロのまま働き続けていたら、自分だけでなく、家族や他のスタッフにも大きな迷惑をかけ続ける事になっていたはず。

心は目に見えない為、判断が難しいが、心のダメージは放置すればするほど、状況は悪化していくのだ。

私は適応障害による抑うつ状態と診断されたが、主治医曰く、「早めの相談でよかったですよ。もっと我慢して、受診するのが遅れてたら、さらに重度の状態でウチに来る事になってたでしょうね。」との事だった。

さらに重度の抑うつ状態となっていたら、復職にはもっと時間がかかったかもしれないし、退職していたかもしれない。

場合によっては、最悪の選択もしていたかもしれない。

今思い返すと、本当にぞっとする。

自分の健康や家族、周囲の事を考えると、やはり休職をして良かったと心底思う。

また、休職して自分の現状と将来を、見つめ直す事ができた事もとても良かったと思っている。

仮に退職という選択をしたとしても、それはそれでよかったんだと思う。

人生は仕事が全てではない。

きっとあのまま働き続けていたら、仕事以外の人生の意義を見つけられずに、年老いていたかもしれない。

休職期間中は、良くも悪くも時間がたくさんある。

私はそこで、退職後の自分を体験できたと思っている。

「もし休職中の「今」が、老後の自分だったとしたら…絶対に後悔する。」と、何度も考えた。

仕事がなくなって、趣味も楽しみもないという事が、どんなに空虚な事か、身をもって理解する事が出来た。

今の私はもう、仕事中心の生活は送っていない。

より一層、家族との時間や自分の楽しみを大切にするようになったし、「～でなければならない。」という堅苦しさは捨てて、柔軟になることができた。

それが、ひいては子供達や私たち夫婦の豊かな人生につながるのだ。

人生は一度きり、自分を大切にしよう。