見出し画像

ようやく書ける「両親への手紙」

両親への手紙なんて、一度も書いた事がない。

会えば、私にも孫にも口やかましい事ばかり言う、ウチの母。

父は元々亭主関白だったが、歳を取るにつれ、段々と母の尻にしかれ、今や大人しくなっている。

そんな感じだから、伝えたい事があっても、話にならずに別れる日がしばしば。

私が実家を出て県外に住むようになってから20年近く経つので、今までに腰を据えて話す機会そのものが少なく、話してもすれ違いが多かったように感じている。

会えば衝突するので、手紙で気持ちを伝えようと思いつつ、はや10年…。

何度ペンをとっては書くのをやめただろうか。

何度パソコンで下書きをしては消去しただろうか。

今度こそ、という気持ちで今、noteを開いている。

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 

お元気ですか。

私たちは元気で暮らしています。

子供たちも随分大きくなりました。

子供が大きくなるまでの道のりは、本当にいろんな事がありました。

小さな我が子が、笑ったり、眠ったり、しゃべったり、立ったり、歩いたり…ただそれだけの事で、私たち夫婦は喜んだり、驚いたり、毎日大騒ぎしていました。

きっと、私が幼かった頃のお父さん、お母さんもそうだったのでしょう。

今ようやく、親の気持ちが分かるようになってきたところです。

家族とは、本当にありがたいものですね。

私は父親として、子供たちには、それぞれが自らの意思で生きる道を選び、悔いのない幸せな人生を送れるよう、寄り添いながら、時には道を示しながら育てていきたいと思っています。

しかしながら、まだまだ理想の父親像は程遠く、日々反省の連続です。

子供が宿題をしてない時、頭ごなしに怒る事がありました。

礼儀作法が出来ていない時や、ぼそぼそとしゃべる時にも、「ちゃんとしなさい!はっきりしゃべりなさい!」と、怒ってしまう事もありました。

仮病で学校を休みたいと言えば、本人の気持ちなど聞かずに怒鳴り、「ズル休みするな!!」と、親の思いばかりを押し付けた事もありました。

「スポーツは出来た方がいいから!」と、本人に合わないスポーツを、半ば強引に続けさせようとした事もありました。

成績が落ちていたら、「学校で勉強してないの!?」と責めた事もありました。

感情的に子供を怒り、気持ちも聞かずに否定するという事は、本人を深く傷つけ、自己決定する力を奪います。

分かっていても抑えきれない自分は、全く未熟な親です。

だからと言って、全く叱らずに、何でもかんでも自由にさせればいい、自分で選ばせればいい、というわけではありませんよね。

子供が物事の分別がつくまでは、親はしっかり、指導、監督し、まっとうな道を歩ませる義務があります。

必要なのは、親が描く将来像だけに子供を当てはめる事なく、子供が望む将来を一緒に考え、寄り添い続ける事だと思っています。

子供が幸せな人生を送れるように、サポートしてあげるのが親の務めなのだと、子育てから学びました。

だからもう安心してくださいね。

たまの休日に、じいじ、ばあばが我が家に来てくれる時、生活の事、家計の事、色々と気にかかるかもしれません。

私たち夫婦が、孫息子達にきちんとした教育をしているのか心配になるかもしれません。

でも大丈夫です。

私たち夫婦も、子供と一緒に成長しています。

間違える事もあったり、逆に子供に教えられる事もあります。

けれど、家族それぞれが、昨日より一歩でも前進できていればそれで良いと思いながら、日々を過ごしています。

だから、じいじとばあばは、安心して孫達を愛してあげてください。

口うるさく言うのは、私たち夫婦がやりますから(笑)。

二人の優しさに包まれ、可愛がられている時の子供たちの顔は、本当に嬉しそうで、「生まれてきて良かった」と言っているような表情をしているんですよ。

そんな光景を見ているとまた、家族のありがたみをひしひしと感じます。

私たち家族は、じいじとばあばが元気で幸せな生活を送れるように、いつでも、いつまでも手助けしたいと思っています。

今までは支えられてばかりでしたが、今度は私たちが支える番です。

支えっぱなしの人生にはさせません。

引き続き夫婦仲良く、楽しい人生を送ってください。  

かしこ

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 

私はこんな気持ちを両親に伝えたい。

たったこれだけの内容なのに、面と向かって話す事ができなかったから、これを手紙にするつもりだ。

両親への手紙なんて、今まで恥ずかしくて一文字も書いたことがなかったけど、noteのお陰で伝えたい事をまとめる事ができた。

きっかけをくれて、そして優しい気持ちを思い出させてくれてありがとう、note。

自己満足な記事で恐縮です。 かしこ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?