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社交不安障害(SAD)との向き合い方

35歳の時、仕事における対人関係や業務内容に悩み、心療内科を受診した。

当時の私は立場上、人前に出て話す場面が多く、それを苦痛に感じていた。

人に見られていると緊張して話す内容が飛んでしまったり脂汗をかいたり、笑顔が引きつったり、手や声が震えたり・・・。

そうなるとドツボにはまって、さらに失敗する。

そんな場面が続く事に疲弊してしまい、受診するに至った。

結果、「社交不安障害(SAD)」の診断を受け、まずは気分を落ち着かせる漢方薬の処方を受けた。

薬としての作用の他、「服用したから大丈夫」という気持ちの面でのお守りとして持ち歩き、頓服薬として常用しながら仕事をしていた。

しかしそれでも、緊張の症状が出てしまう事がやっぱりあった。

薬だけで解決できる問題じゃない事は薄々分かっていたが、失敗するとまた動揺し、気落ちする。

苦悩の無限ループに落ち込むようだった。

元々、子供のころから緊張しやすい性格だった。

調子が良い時や状況次第では、人前ではつらつと発言できる事もあったが、基本的には人前で話す事は苦手

それに人の視線も苦手で、電車に乗るのも大変な事があった。

発達の過程で性格が変わる人もいるが、私の緊張しやすい性格は変わらなかった。

小学校、中学校、高校、大学と、ずっとその性格のまま。

しかし、緊張しいで恥ずかしがり屋の割にはバンドに傾倒したり、おしゃれに気を遣ったり、派手な事を好む側面もあった。

今思うと、その根底には、自分を良く見せたい、という気持ちが隠れていたのだろう。

えてして社交不安症の人は、身の丈以上に自分をよく見せなければ、という気持ちが強いようだ。

その気持ちが、緊張を生んでしまう。

良く見せなくていい、ありのままで良いんだ、余計な事は考えなくていいんだ・・・と思えば思うほど、ぬかるみにはまる

社交不安症は、とてつもなくメンタルを悪くする

いつまでも悩みが晴れず、辛い。

この気持ちを改善するために有用なのは、服薬やカウンセリング、心理療法などであり、早めの受診は大変有効だと思う。

しかし、他にも対処方法が沢山ある事を治療の過程で学んだ。

例えば、認知行動療法で思考の癖を改善したり、規則正しい生活リズムを身につけて自立神経を整えたり、ストレス対策として運動習慣を身につけたりする、というもの。

また、緊張する場面に備えて準備を万全にしておき、少しでも不安を感じる要素をなくしておく事も、すごく効果がある。

社交不安症の人の悩みは、生活に支障が出てしまう位、重く、苦しいもの。

薬だけで完全に改善しない事もあるので、様々な対処法を知り、実生活に取り入れていく事で、社交不安症と共に生きられるようにしていく事が肝要だ。

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