見出し画像

42.[黒字店舗やめて移転したワケ(実は料理苦手⁉︎編①)]

【世界を眺めるソーキそば屋】

店主は実は料理が苦手。
17年もオーナーシェフやってるのに。

え〜っ!詐欺じゃん!!?

いや…厳密に言えば  
苦手と言うか、
世間一般の料理好きの方々のように
"色々な料理を作りたくて仕方がない
といったタイプでは無い"
と言えば誤解が無いかな。
だから今だにハンバーグすら作った事も
無いんです。

自転車と音楽とインテリア
そのどれもが中途半端に好きなだけの
ただのオッサン。
逆に何か得意な事あるんだろか?

…あ、お酒飲む事と食べる事は好き。
(う〜ん…やはりただのオッサン)

そして食べる事の中でも、
沖縄料理はおいしくてヘルシーだから
本土の人間だけど昔から好きでした。

(でも「沖縄料理ってちょっとダメ」
ともよく言われました。
どうも好き嫌いが分かれるようです。
せっかくおいしいのにもったいないなぁ。)

あ、そうそう!
"お店やさんごっこ"も
子どもの頃から超ワクワクしました!

というワケで…

"沖縄料理" + "お店やさん" で
旧店舗の沖縄料理店が誕生したんですね〜!
とっても単純ですね〜!

ちなみに店主は
料理スキルは無いかもしれないけど、
懐石料理屋を営んでいた親の影響で
子どもの頃からおいしい物を
いっぱい食べさせてもらったから
おいしい食べ物の判断はできます。
だから、
味覚からたどって
その食べ物がナゼ美味しいのか?
という分析はできます。


おいしいはずなんだけどなんか物足りない?
心の底から自然と
「うん!」と声が出てこない?
その正体はたいがい"旨味"。

それは塩気や油を足しても満たされない。

(だから現zielのソーキそばは、こってり油や
化学調味料に頼らずともしっかりと旨い。
身体に必要な物だけで作られているから
汁まで全部飲み干しても大丈夫です。
むしろ、
飲み干せるように全体を調整しています。
店主は本土の人だけどほぼ毎日ソーキそば
食べています。だからカラダにやさしい食材しか使いたくありません。
お客様にも何回も食べてもらいたいから

それは同じです。)

話は戻って旧店舗オープンした頃。

おいしい上にヘルシーな沖縄料理。
少しでも本土の人に良さを知ってもらえるよう
本物の沖縄料理店にしなければ!
そうあるべき!!

だから、
店を始めてからは一生懸命
本場沖縄のマネをしようと努力しました。
料理はもちろんですが、文化面でも。
一時、三線教室にも通って沖縄の人になろうと
努力を重ねました。

ところが何年経っても…

寒〜い富士山のふもとで生まれ育った僕は
ど〜しても沖縄の人の感覚にはなれません。
南国に憧れているのに、感覚が違いすぎる!

ど〜してもなれんもんはなれん!

…だからその頃は本土のお客様に
「沖縄出身なんですか?」
と聞かれるのが怖かったです。
完全にコンプレックスでした。 

逆に沖縄の人から
「どうせナイチャーだろ?」
とコッソリ言われた事もありました。
(ナイチャー=本土の人、沖縄以外の日本人)

っったく!
なんなんだよもぉ〜…

(せっかく本土の人に沖縄好きになって
もらおうと努力してんのに!
確かにオレは沖縄人じゃないけど
その代わり本土の人の感覚はわかる。
だからどうすれば本土の人においしいと
思ってもらえるかわかるんだから!

オレが作った料理で
本土の人が沖縄好きになって
旅行に行ってくれたら
沖縄人だって助かるじゃんか。


っんだよぉ!)







あっ…







自分の方向性、それでいいんじゃん!!



やっと気づいた瞬間でした。

ラーメン屋やってるからって
中国人である必要ありません!
カレー屋だってインド人じゃなくてOK!
日本人のままで全然いいじゃないか。

その日から
沖縄リスペクトの土台の上で、
でもまったくのモノマネはやめて
 "自分のやり方で本土の方においしさを
知ってもらう事" 

と、目標を再設定しました。
沖縄ビギナー向けの入り口でいいんです。
それがお世話になっている
沖縄への恩返しにもなるから。

それからは「どうせナイチャーだろ?」
なんて気になりません。

目立つ才能は無くとも、
自分には自分なりにできる事もある。

そして、
それはもしかして
自分に "しか" できない事なのかもしれない。
よく耳をすませば、おいしいと言ってくれる
沖縄の方もまたいっぱいいる。

(今思えば、ちょうどその頃マナちゃんが
バイトで働いてて
「テンチョーのやり方でいいじゃないですか」
と言われたっけな。)

その
"自分にできる事"を
さらに突き詰めていくと、
大量のメニュー展開は向いてない。
お客様は「色々おいしい」と言ってくれるから
ダメではないんだろうけど…

逆に、1つのメニューを磨いて磨いて
尖らせる事は好き。

例えば極端な話、ラーメン一筋!
メニューはラーメンだけ!みたいなお店。
その方が自分には向いてるかもしれない。

…とは言っても、どうしても
居酒屋寄りになってしまう沖縄料理店では
メニュー絞ってしまったら
お客様から大ブーイングなんだよなぁ…

う〜ん。




…そんな中やってきたコロナ禍。








(43.へつづく)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?