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34.[戦士は呪文を使えないようだ!]

【世界を眺めるソーキそば屋】

「努力すれば誰だってできるんだ!」

とても気持ちのいい言葉です!
こんな事言ってくれる人は
絶対いい人に決まっています。

しかし、この言葉を裏返すと…

「誰でもできるはずなのに
できないなんて努力不足だ!」
との誤解を生む可能性も秘めています。

信じたくないけど、この言葉が日本人に
多くの苦しみを与えている可能性がある。
また日本の長引く不況とも密接に関係がある。
…と考えています。

これは旧店舗で様々なスタッフを雇い
苦悩に苦悩を重ねて気づいた解答です。

飲食店とは…
お客さんはもちろん
スタッフもいろんな人々が入り乱れます。

若い人・年配の人
男性・女性
学生・社会人などなど…
価値観も能力もみんなバラバラ。

そして
店員さんの仕事はホールかキッチンの2択。
決まりきった事を全員やってもらいます。
これは当たり前ですよね。もちろんみんな
学校でも同等の教育を受けてきた人々です。

だから、努力し経験を重ねれば
飲食店スタッフ程度の仕事なら
誰でもこなせるはず…?


いやいや、違うんです!


ホールの仕事1つとっても、
実は誰でもできる訳じゃないんです!

①愛想良く振る舞う事・気遣いできる事
                  ×
②テキパキ作業・レジ打ちを素早く正確に

この2つ、まっったく違う能力が必要なんです!
だから①が素晴らしいのに②でモタモタする
ホールスタッフ。結構いました。
逆もまたしかり…

そんな事お客さんからしたら
知った事じゃないのかもしれません。
「店員なのに算数もできんの?」
と、コンビニで心無い言葉を投げ付けた
ホワイトカラー(仕事でワイシャツ着てる系)
の若い子達を見かけた事もあります。
彼らはきっと職場で、自分と同じような
大学卒の平均的な能力の人達に
毎日囲まれている為わからないのでしょう。

しかし、実際に世の中を構成する人間達は
タイプが色々あるんです。
能力も人さまざまなんです。
外から見えないだけで…

[例えてみたシリーズ]

ドラクエに当てはめるとよくわかります。
(4人チームで悪の魔王を倒す
ロールプレイングゲームとします)

1.勇者
(スポーツも勉強もソコソコ優等生タイプ)

2.戦士
(スポーツ大得意だが勉強は大の苦手)

3.魔法使い
(勉強大得意だがスポーツは大の苦手)

4.遊び人
(スポーツも勉強もイマイチ)


ゲームなのでそれぞれの能力値は
数字で見る事ができます。

戦士は最初からチカラの数値が高く
レベルアップ時の伸び率も高い。
しかし呪文はまったく…使う事すらできない。

魔法使いはまったくその逆。
チカラの数値を上げる事をできない事はないが
いくら鍛えても鍛えてもイマイチ伸びない。
なぜなら生まれつきそういう設定だから。

で、遊び人。
スポーツも勉強もイマイチな設定で 
生まれてきたタイプはいったいなんなのさ!
ただの役立たず⁉︎

いえいえ実は…
ある一定条件で脅威的に能力値が上がり、
重要イベントでは絶対必要な人物なんです!

戦士タイプが貧弱な魔法使いタイプをイジる。
子どもの世界あるある。

魔法使いが役立たずの遊び人タイプをなじる。
大人の世界あるある。

現実の世界に落とし込むと
本当によく見かける事例に気づきます。
ただ、現実の世界では見た目じゃわかりません。
能力値を数字で見る事もできません。
だから、みんなお互いに気づいてあげれません。

戦士タイプに一生懸命呪文を教えていないか?
魔法使いを無理矢理闘わせようとしていないか?
遊び人を役立たずと見下していないか?

例え家族といえど
持って生まれた能力は違うのです。

簡単な事なのに何故できない⁉︎
ではなく、
お互いの能力を認め合って補完しあって、
次のステージへ進む事を目指した方が
間違いなく合理的。

…という事に、
苦悩に苦悩を重ねた店主は
やっと気づく事ができた訳です。



日本人は横並びを良しとする国民性があります。 

また、今までは高度成長の名残りで
マスに向けたみんな同等の教育が
なされてきました。
しかし、
それは個人の能力を潰してきたともいえます。
それではイノベーションなど起こるはずもなく、
諸外国から遅れをとる原因にも。

これからはそれでは成り立ちません。
いい意味で
「努力してもみんな一緒ではない」事実に
早く気づく方がいいでしょう。

人口の大減少が前提のこの国では特に、
多様性を認め合って能力を高め合う事が
最低条件のように思えます。
もう他人を見下してる場合ではない…


早く日本人がこの事実に
気づいてもらえますように。

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