なんて事ない3時間ドラマ。新春ドラマスペシャル「花のれん」の事。
3時間ドラマ。新春ドラマスペシャル「花のれん」。
テレビドラマデータベースによると、この3時間ドラマは1995年1月1日に放送されたようです。
監督は、本日(2014/10/08)亡くなった大山勝美さん。テレビ東京の元旦放送だったので、かなり力を入れた作品だと思っていいと思う。
主演は宮本信子さん、伊丹監督の主演映画をバンバン撮っていた頃だ、テキパキしたおばさんで、せっかちだ、明治44年から昭和19年までを、3時間で見せるドラマのせいか、衣裳変えが多く、もちろんセリフも多いし、心情の移り変わりも多い、大変だったと思う。
で、台本を見返してみて、スタッフ表に気になる人物を見つけた、同じ助監督だが、正直に言ってあまり記憶が無い、
助監督の一番下に和田竜とある・・・あの「のぼうの城」「村上海賊の娘」の和田竜だろうか、彼は助監督もしていたし、城戸賞という、脚本の賞もとっている。 それはまあいい、彼だとしても僕を覚えていないだろう。
1月1日放送の3時間ドラマの準備は10月13日に始まった、勿論、プロデューサーや監督はもっと前から動いていたと思うが、スタッフとしては、台本が無いと仕事にならない。
10月13日に準備稿と印刷された脚本が配られた、ぐったりする撮影の始まりだ。
10月15日の美打ちから、10月24日の決定稿まではそれぞれのパートに別れて調べ物などだ、そして10月25日に決定稿が出来ると忙しくなる、香盤表を作り、セットとロケの割り振り、昼と夜の区別、準備稿にはいなかった、新しく出て来た人物のチェックとか、まあ、やる事は山積み。
撮影開始、いわゆるクランクインの日は11月11日に決まっている、この2週間ほどの間に。ロケハン、衣裳合わせ、リハーサル、などが入っている。
記憶に残る準備の中では、台本の中に、安来節を踊るシーンが出てきて、僕は、僕の下につく助監督と二人で横浜のどこかまで、安来節の稽古をビデオに納めてきた事があった。(和田くんが踊ってるビデオも出て来た)
とりあえず、残ってる限りの、この準備から撮影終了までの資料を添付しておく。
まず、ロケハン、このドラマで大変なのは時代背景、当時の建物、農村にしても、遠くに鉄塔とか、写らない場所でないとダメだ。
ロケハンが終る頃には衣裳合わせのスケジュールを作ります。
ロケハン、衣裳合わせと来て、リハーサルになります。
リハーサルと並行して美術部さんからセットの図面が出来上がってきます、監督をはじめ、全スタッフが図面を見ながら、役者の歩ける範囲だとか、カメラ位置などをさぐり、{この壁は取り外せるようにして欲しい}とかの要求が入る。
リハーサルですごく覚えているのは、落語家さんたちが芸者遊びをする場面で、リハーサルに出られない、ある俳優さんの変わりに、僕が代役で、リハーサルに加わった。
誰かが、変わってそのセリフを言わないと、みんなのリハーサルにならないからだ、しかし、それが芸者さんの膝枕でセリフを言わなくてはならず、まだ若かった僕は、膝枕に照れて、ちょっと大変だった、まったく個人的な思い出で申し訳ないけど。
そして11月11日、いよいよクランクイン。
おそらく、この作品は予定どうり10日で撮り終ったと思う、3時間ドラマを10日で撮るのはかなり早いと思うが、ほとんどがセットなので、やりきれたと思う。
次にエキストラ表というものを付けておく、時代劇というほど古い時代ではないが、明治から昭和初期の物語、エキストラさんが私服で出られるドラマではない、あらかじめエキストラの人数、男女の別、おおざっぱな年齢、や、イメージの服装を、衣裳さんに伝えておかなければ、エキストラさんだけスタジオに来ても、衣裳が無くて出演出来ない、なんて事になりかねない。
最後に資料としてキャスト表を付けておきます。
元旦の夜、騒がしいバラエティに飽きたようなオトナに、ちょっとしっとり見るぐらいにはよく出来たドラマだったと思う。
過去記事です
① なんて事ない2時間ドラマ。金曜女のドラマスペシャル「弁護側の秘密」の事。
② なんて事ない2時間ドラマ。「映画三国志・映画に夢を賭ける男たち」の事。
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