知らないうちに合作になってた話。
少し前に、「古い日本映画を見て悲しくなる事」という、日本映画のテロップ(スタッフ・キャストの表示)から思う事について書いた。
その後、思い出したのだけど、1989年、もう30年も前になるけど、僕はテレビドラマの撮影で中国にいた。
「さよなら李香蘭」というフジテレビの番組で、中国の中国中央電子台が前面協力という話だった、その事については「さよなら李香蘭」というマガジンに詳しく書いた。
そのマガジンに追記したい事があったの書いておく。
このドラマはフジテレビ開局30周年記念番組として製作され、監督は藤田明二、主演は沢口靖子。書く必要もないけど、スタッフ全員、監督の指示に従い、沢口さんを盛り立て、そういう番組という事で仕事をしていた。
それが、中国に来て1年ほどたった頃(3年ほど前)、ふと思い出して、中国の動画サイトで「さよなら李香蘭」を検索してみた、「さよなら李香蘭」の中国語タイトルは「别了李香兰」。それは製作当時、中国ロケの時から決まっていて知っていた。
「别了李香兰」検索
すると、完全な形ではないけどいくつかヒットした、一部はyoutubeにも上がっていた、中国のドラマがyoutubeにあるなんて想像もしていなかったので検索さえした事がなかった。
ドラマは中国語に吹替えられていて、それが尚更、自分が関わった作品が中国でも本当に放送されたんだという実感があって、少しうれしい。
それで、やはりテロップに自分の名前が出ているものか、ちょっと気になって見ると......
名前は出てなかった、というより、もう少しビックリした事があった。
この作品フジテレビの単独製作だと思ってたけど、なんだか合作みたいになっていて、監督は、日本側の監督として藤田さんがいて、中国側監督として于 黛琴さんと言う人がクレジットされている。
完全な合作って雰囲気。
と、言うより合作。
どうなってるのか判らない、中国で別撮りしたシーンがあるのか?
そのシーンを于さんが監督した?
確かに于さん(正しい発音じゃなけどウーさんと呼んでいた)はいたけど、中国側の演出助手的な感じで現場にいたりいなかったりの人だった。
ウーさんは日本語が出来る人だったけど、日本側の助監督に、特に指示した事は一度も無かったと思う、それに、もし中国側の監督としての立場を明確にしていたら、すごく言いたい事はいっぱいあった。
でも、ウーさんは、そういう存在ではなかった。
前にも書いたかも知れないけど、ウーさんとの一番の思い出。
羊鍋を食べるシーンの準備をしていた時の話。僕と沢口さんとウーさんがテーブルを囲んで、段取りの確認をしていた、その時、沢口さんが鍋の何かを取ろうとしたのか、鍋の熱湯が跳ねて、沢口さんの手に当った。
「アチッ!」沢口さんが思わず叫ぶ、でも、大騒ぎするほどではないのは状況から判った、食事中によくあるような事、熱い水滴が飛んできただけだ。
その時、ウーさんが「お醤油つけて、お醤油」と火傷の所に醤油を付けろと言う。
思わず沢口さんと顔を見合わせてしまった、なんとなく民間療法で{火傷に醤油}は聞いた事があるような気がしたけど、大スター沢口靖子に醤油は塗らせられない、でもウーさんが親切で、心配して言ってくれてるのは判る。
そのあとの記憶は定かではないけど、製作部さんに消毒液を持ってきてもらったと思う。
それがウーさんとの一番の思い出。
話を戻そう、ナゼ中国では合作に?
どうしてこういう事になったのか、フジテレビは知っていたのか。
30年も前の事だし、どうでもイイけど、作品がちゃんとした形で伝わらないのは少し悲しい。
中国のドラマは全部同じか判らないけど、作品の冒頭に名前が出た、沢口靖子や、監督の名前はエンドクレジットに含まれず。
最後だけ見た人は、監督が誰かも判らず、主演が菊池桃子だと思いそう。
☝︎☝︎☝︎☝︎☝︎ 一番最初が菊池桃子、次に清水ミチコ、秋本奈緒美...... どういうドラマ?
下は一応、日本のエンドクレジット。頭から5分ぐらいから始まります。
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最後に流れる玉置浩二が歌う「行かないで」は中国でかなりヒットしたらしく、色んな歌手が歌ってる。
周星驰も映画の挿入歌として歌ってる。
張學友 (ジャッキー・チャン)も歌ってる。
そして、玉置浩二のオリジナル。
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