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発がん性ってなんだろう?

こんにちは
最近、農薬の発がん性がどうだとかいう話をよくTwitterのタイムラインで見かけますが、少し勘違いをしている人も見受けます。

そこで今回は発がん性とは何なのか?
という点について書いてみようと思います。

申し遅れました、私は千葉で農業を営んでいるものです。
また工学修士であり、以前は某化学メーカーで開発をしていました。
なので、多少は皆さんに科学的なレクチャーができると思っています。
では始めていきましょう。

はじめに
農薬の安全性や発がん性については各メディアやyoutubeなどで議論されていますのでそちらをご覧ください。この記事では触れません。

・そもそもガンってなんだ?

ガンとは悪性新生物のことです。
人間の体は細胞という小さな物が集まってできています。この細胞は分裂して、増えることができます。あなたの体の中では細胞は活発に分裂していて、古い細胞が処理されて新しい細胞に変化しています。

例えば、転んで膝を擦りむいたとしても、消毒してばんそうこうを張っておけば、すぐに傷は無くなりますよね。新しい細胞ができて、傷がふさがってわからなくなるからです。

さて、我々の体は細胞が頑張ることで生きていますが、この細胞にはおっちょこちょいな所もあります。細胞には体の設計図があり、設計図通りに分裂して体の中で色々な役割を担っています。けれども、たまに設計図通りに分裂せず、変な細胞ができてしまうことがあります。
これが、がん細胞です。

諸説ありますが、がん細胞は正常な人間でも1日に数千個できています。1日は24時間で、1時間は60分ですから、1日は1440分になります。
大体1分に1個か2個はがん細胞ができている計算になりますね。
そうです。この記事を読んでいる今この瞬間にも、あなたの体の中ではがん細胞が生まれています。

・ガンってなんだろう?

安心してください。あなたの体の中にはガンと戦う力があります。それが免疫細胞です。免疫細胞は常にあなたの体を監視しています。あなたの細胞でない異物があれば、免疫細胞はそれを攻撃して撃退するのです。
常に警察が検問をしているイメージです。
例えば、あなたの体にばい菌が入ったとしても、免疫細胞が検知して撃退します。もちろんガンなどの異常が見つかればすぐに駆けつけ、それを撃退します。なのであなたの健康は維持されています。

( ゚Д゚)?じゃあ、ガンってどうやってなるの?

という話になりますけど、
皆さんはルパン三世をご存知ですか?
説明不要の国民的アニメですが、その劇中でお決まりのシーンがあると思います。

「おい、今俺を見なかったか?」
「はい?銭形警部?先ほど〇〇に行かれませんでしたか?」
「ばぁかもーーん!!そいつがルパンだー!!!」

という掛け合いはルパン三世ではお決まりだと思います。
余談ですが、バカモーン!って言っている方がルパンだったパターンもあったりしますね。
前置きが長くなりましたが、こんな事が体の中で起きるのがガンです。

つまり、加齢など免疫力が落ちてくると、体の中の警察である免疫細胞が、悪役であるがん細胞を見逃してしまい、がん細胞が好き勝手やることを許してしまうのです。
がん細胞は体の設計図がちょっとだけ変なだけで、元々は自分の細胞です。
なので免疫細胞も「あれ?普通の細胞なの?ガンなの?」という感じに、
ルパンなのか銭形なのかわからなくなってしまうのです。
このように、がん細胞が体内で自由に増殖している状態がガンという病気なのです。(ざっくり解説すると。という話ですよ?)

常に体は正常に動いていて、農薬などの悪い薬物が作用することで初めてガンという病気になる。
とお考えの人が多いですが、それは少し違っていて
常に免疫とがん細胞は戦っていて、そのバランスが崩れてがん細胞優位になった状態がガンという病気なのです。

・ガンとの付き合い方

従って、がんリスクとは常に付き合っていかないといけません。

(;´・ω・)<なるべく食事に気を付けないと…無農薬野菜を食べよう

という感じにお考えの方も多いと思います。
確かに農薬は怖いものです。
私だって農薬を使用する時は細心の注意を払います。
なるべく安全な物を食べたいと思うのは消費者の心でしょう。
けれども、農薬だけがガンを誘発させるわけではありません。
加齢、ストレスなどなど、日々の生活から常にがん細胞は発生しています。

今、この瞬間にあなたの体で発生しているがん細胞は、
農薬や化学肥料の影響なのか?
仕事で上司から怒られたストレスの影響なのか?
ジャンクフードを食べた影響なのか?
パチンコやオンラインゲームで負けたストレスが原因なのか?
または、加齢によるものなのか?
要因が多すぎてわからないんです。

国際がん研究機関はグリホサート(最も使われている除草剤)の発がん性分類を2A(おそらく発がん性がある)としています。
ですが、同カテゴリーには、赤身肉、60度以上のお湯など、普段から食べている物も含まれています。また、理髪店に勤務するなど、職業的な要因も含ませています。これらを口にしないように、避けるように生活するのはとても大変ではありませんか?
つまりがん細胞を発生させない努力をするより、もうガンになるものだと諦めて、ガン状態になったら早めに検知して治療するのが効率的ではありませんか?

今の時代、二人に一人はガンになると言われています。
私か、この記事を読んでいるあなた、どちらかはガンになります。
ですが、今は早期発見すればガンは治る時代です。
また、各自治体でがん検診に補助が出ている場合が多いので、低コストで検診を受けることができると思います。
安全な食べ物を選ぶのは大事ですが、それよりも大事なのは検診を受けて、ガンを早期に発見することではないでしょうか?

もちろん農薬や食品添加物、体に良いとは言い切れません。かと言って、それ自体を否定することはできません。
現在の飽食の時代は農薬や化学肥料を使用した高い生産性の農業によって支えられているからです。。
農薬が無くなれば、今の人口は決して養えないでしょう。
農薬や化学肥料の無かった江戸時代の人口は約3000万人くらいです。
もし、農薬や化学肥料を禁止したら・・・想像したくもありません。

農薬や発がん性は怖いものです。
私だって怖い。とはいえ、農薬はメーカーの安全試験を乗り越え、農家が使用法を遵守して使っています。
農薬のリスクは最小限に抑えられています。
そのリスクを受け入れるか、受け入れないかはあなた次第です。

この記事があなたの参考になれば幸いです。

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