見出し画像

訪問看護ステーションの目指すべき規模感とは? 大規模ステーションへと成長した背景や大規模ならではの強み、経営上のノウハウまで

ZEST

今回は静岡県を中心に展開する社会福祉法人 聖隷福祉事業団の訪問看護ステーション細江の所長兼静岡エリア訪問サービス統括所長の尾田様(以下敬称略)にインタビューさせていただきました。
聖隷訪問看護ステーションさんは、聖隷福祉事業団の訪問看護ステーション事業として1993年にわずか4名の職員さんで始まりました。利用者さんの要望に誠実に正確に応え続けることで、現在では全国18事業所、約270名の職員さんで構成される一大事業に成長しています。29年かけてどのように成長を遂げたのか、その背景や運営ノウハウについてお話を伺いました。

私たち株式会社ゼストは、在宅医療のスケジュール調整を自動化するクラウドサービスを展開しています。訪問看護における多くの経営課題に向かってきた私たちだからこそ、お伝えできるノウハウをお役立ち記事として配信しています。

すべては利用者さんのために。

 ゼスト 通常スタッフ5人以下のステーションが多い中、なぜ聖隷さんはどのステーションも大規模化したのか、なぜ実現できたのか教えてください。
 
尾田 大規模化した一番の理由は「利用者さんのニーズに沿う」ということが原点にあると思います。どのステーションも、利用者さんのニーズに寄り添い、5人で応えることが出来なければ6人に、6人でも応えられなければ7人にと徐々に大きくなっていきました。それを29年かけて、地域に密着し各エリアの利用者さんを取りこぼさないよう繰り返してきたことが大規模化に繋がったんだと思います。大規模化自体が目的ではなく、「利用者さんのニーズに沿う」ということが原点ですね。今では、高い医療レベルを求める方や生活に困窮している方など、他のステーションでは扱えないような利用者さんも聖隷なら受け入れてくれるという信頼も得られました。そうなると必然的に利用者さんが増え、スタッフも増員するという状況になります。
 
ゼスト 聖隷さんは、月間1,000訪問くらいのステーションが多いイメージですが、それ以上は難しい理由があるのでしょうか?
 
尾田 充実した管理やサービスを考えると、各ステーションの利用者数は200人ほどが限界だと感じています。それを超える場合、分家をすることを検討しています。ただ、高齢化が進む中で在宅でのサポートニーズはまだあるはずで、それをしっかり掘り起こすことも重要だと思っています。そう考えると、スケジュール作業にかかりっきりになっているわけにはいきません。新しいところに挨拶回りに行くなど、浮いた時間を使ってやりたいことはたくさんありますね。
 
ゼスト スケジュール作成時間を削減できた結果、「浮いた時間」をどのように活用されているのでしょうか?
 
尾田 聖隷グループとしての活動や報告書の作成を時間内に行うことももちろんですが、利用者さんやケアマネさん向けの広報誌を各ステーションで作成したり、ケアマネさんと連携した委員会活動にも時間を使っています。
 
ゼスト 広報誌はどのような内容が盛り込まれたものでしょうか?
 
尾田 看護師が作るものは、夏場であれば脱水への注意喚起、冬ならヒートショックに関する内容など季節ごとの健康管理に関わる情報が多いです。またコロナが流行った時にはデイサービスを自主的に休む方も増え、利用者さんがどこにも行けず心も塞いで、体が動かなくなってしまうことが心配でした。それに対してリハでは、家で出来る体操を考え広報誌に掲載し、利用者さんやケアマネさんに渡しました。また、利用者さんの中には絵や物づくりなど、手作業の上手な方も多いのですが、どこにも発表する場がない。そんな時には利用者さんの作品を掲載して、発表出来る場にしています。とにかく地域や利用者さんの役に立つような情報を意識しています。
 
ゼスト ステーションが大規模になると営業活動も大変だと思いますが、広報誌以外でも、何か工夫していることはありますか?
 
尾田 たとえば、障害のある方に医療が浸透していないという課題認識から、聖隷内で身体障害や精神障害を抱える方で訪問看護が足りていない方を相談員さんに繋げてもらったりしていました。そのほかにも介護保険業界と精神保健福祉業界の狭間にいる利用者さんがうまくサービスを使えていない現状を打破したいと思い、モデル事業を立ち上げるなど、浜松市に貢献できるよう活動しています。そういった活動も広報活動に繋がっています。とにかく「利用者さんのために」が結局は全てのベースです。

大規模であるからこそ「どんな利用者さんも受け入れられる」

 ゼスト 大規模事業所と小規模事業所の違いは、どんなところにあるのでしょうか?
 
尾田 小規模事業所の良いところは、利用者さんに対しきめ細かく対応できることです。スタッフが3人だったら、その3人でしっかり情報を共有できる。逆にデメリットは、経営上の採算がどうしても難しいことだと思います。

 ゼスト 逆に大規模事業所はいかがでしょうか?

尾田 大規模事業所の良いところは、採算性もありますが、どんな利用者も必ず受け入れることができるところです。平日、土日に関わらず夜でも対応できる。一人のスタッフが休みになってもその他に大勢のスタッフがいるので、必ず誰かがカバーして対応でき穴をあけることがありません。また、訪問していないスタッフもカンファレンスで意見を出してくれるので、色々な意見を集め、利用者さんのためにサービスの質を上げることが出来るのもメリットです。逆に大変なのは、利用者さんの情報をスタッフ間で共有すること。これをしないとサービスの質が下がってしまいます。質が低いサービスは絶対に提供したくないので、情報共有に各スタッフ努力をしています。
 
ゼスト 情報共有って大事ですよね。情報共有のために具体的にしていることってありますか?
 
聖隷 情報共有のためのシステム導入はもちろん、個人情報を出さない前提でLINEでのコミュニケーションも活用しています。また、カンファレンスを大事にしていて、週に1.5時間は必ずカンファレンスの時間を作り、その中で勉強会を行うこともあります。ZEST利用の勉強会もこの時間を活用していました(笑)
 
ゼスト ありがとうございます!ちなみに、小規模事業所でも多くの件数をこなせれば採算性は担保できるのでしょうか?
 
尾田 質と件数のバランスをどう考えるか次第です。訪問件数を増やせば、一時的には大丈夫だと思いますが、サービスの質を持続するのは難しいと思います。単に数を増やすとスタッフは疲弊するし、利用者さんにも迷惑がかかる。最終的には訪問看護の評判が悪くなる。それでは意味がありません。大規模のほうが安定的に経営することが出来るのは間違いないと思います。「持続」というのが大事です。ZESTを使うとスケジュール作成が楽になるだけでなく、効率性も上がるので残業時間もですが、スタッフの精神的な負荷も軽減してあげられるのが大きいと思っています。それも持続的に経営していくうえでとても大事なことです。

ステーションの環境作りと教育が、圧倒的に低い離職率を実現している。

ゼスト 聖隷さんほどの大規模事業所になると、採用や離職の問題も大変ですよね?
 
尾田 実は離職率9%と、全国平均に比べてかなり低い水準になっています。採用はナースセンターとしっかり連動し、紹介してもらう仕組が確立しています。一方で、いくら系列に総合病院があるとはいえ、異動が潤沢にあるわけではありません。やはり「スタッフを大事にすること」が大前提になります。そのための環境作りとして、勉強機会の提供や、意見交換できる場を作り、スタッフの仲の良さを大事にしています。
 
ゼスト 離職率9%は本当にすごいですね。「スタッフを大事にする職場づくり」について、他にも意識されていることはありますか?
 
尾田 必ず1日1回は全員の顔を見て声を掛けるようにしています。「髪型変わったね」「今日の服いいね」など、そんな何気ない声掛けだけでも職場の雰囲気は変わります。また、他の法人から来た方に言われるのは、研修・カンファレンス・勉強会の充実度や、パートさんも一人の看護師としてしっかり認め、やってもらうことを区別しないようにしていることです。さらには、カンファレンスをいかに活性化させるかも大事なので、何を言ってもいい、否定はされない、分からないことが恥ずかしくない環境作りを心掛けています。

ゼスト すごい。どんどん出てきますね(笑)
 
尾田 他にも、聖隷のステーションは難病を抱える方や小児など幅広く対象にしているので、スタッフの不安や相談したいことも多いはずです。だからこそ、相談しやすい環境作りを心掛けています。具体的には、忙しさを全面に出して声を掛けにくい、みたいなことがないようにしています。
 
ゼスト 職場の居心地の良さって本当に大事ですよね。
 
尾田 教育体制としては、1年でここまで目指していこうねという目標を設定したプログラムがあります。そこに必ず先輩がつき、日々のことはその人に聞けるような体制を整えています。そして毎月必ずプログラムを振り返り、翌月の目標確認を行うなどレビューを実施しています。途中から入ってくる方は、職場になじめるのか、本当についていけるのかに加え、教育体制について不安を抱える方が多いんです。訪問看護に新卒というのはあまり聞かないと思いますが、聖隷には現在4人の新卒がいます。 

ゼスト たしかに、訪問看護に新卒ってあまり聞かないですよね。
 
尾田 新卒の方に必ず聞かれるのは教育体制です。しっかりした教育体制を提供出来ないと、学生の方にも選んでもらえません。最初の1年がものすごく大変なので、そこをしっかりサポートするためのプログラムが大事になります。県内に11人の新卒の方がいて、4人が聖隷にいます。一番初めに入った新卒の方は今では係長です。訪問看護って野戦病院みたいな要素もあるので、既卒者でもどうしてよいかわからずパニックになる人も多い。そんな中での教育体制は本当に本当に大事です。

ゼスト 聖隷さんとミーティングさせていただくと、仲の良さが伝わってきますよね
 
尾田 私達怖くなかったですよね?(笑)
 
ゼスト 全然怖くなかったです(笑)リモートで違うステーションの方同士が仲良く話している姿や、偉い方がいじられている様子も本当に素敵でした(笑)
 
尾田 最初にゼストを導入するとき、コストの懸念があったんです。その時に各ステーションの所長たちと徒党になって担当部長に相談に行きました。ゼストを導入して残業を減らしたいと。一致団結ですね(笑)
 
ゼスト そんなこともあったんですね(笑)仲の良さのおかげでゼストも導入いただけたわけですね(笑)今日は、いろいろお話しいただきありがとうございました。

在宅医療の訪問スケジュール調整を自動化するツール「ZEST」

提供票、指示書、利用者とスタッフの相性、訪問先の住所・・・様々な条件を考慮して作成しなければならない訪問スケジュール。作成には毎日2~4時間もの時間を要し、管理者1人に大きな負担がかかるとともに属人化してしまっていることも多いのではないでしょうか。
ZESTはそんな複雑な条件を全て考慮した上で、最短ルートでの予定を自動で作成するスケジュール管理ツールです。ベースとなるスケジュールを自動で作成し、スタッフの急なお休みや利用者さんからの変更連絡など、微調整が必要な部分はホワイトボードのマグネットを移動させるように簡単に操作することができます。だからスケジュール作成にかかる時間を最大96%削減!「訪問件数が増えてきてスケジュールとにらめっこしている時間が増えたな」「訪問件数が増えて、スケジュール管理が大変!」と感じたらZESTを検討してみてください。
詳しくはこちらから!

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!