【注目すべきトレンド】FTエアドロップ付きGenesis NFT解説
・どうすれば多くの人の注目を集められるのか
・NFTのフロアプライスを高水準で維持したい
・強固なコミュニティを形成したい
Web3事業者であれば誰しもが持つ上記のような悩みを解決できる可能性があるのが、ファンジブルトークン(以降FT)エアドロップ付きGenesis NFTの発行です。
本手法は、うまく活用できればマーケティング以外の側面においても事業を大きく加速できます。
最短で最大の成果を作るのであれば、このトレンドを使わない手はないと我々は考えています。
そこで本記事では、トレンドになりつつあるFTエアドロップ付きGenesis NFTの発行に関し
・事業が加速できる理由
・価格形成において重要なポイント
に加え、うまく取り入れた実例を解説していきます。
FTエアドロップ付きGenesis NFTとは?
本論に入る前に、FTエアドロップ付きGenesis NFTとはどのようなものなのかを簡単に整理します。
FTエアドロップ付きGenesis NFTとは、将来発行予定のFTをエアドロップするユーティリティを持ったGenesis NFTのことです。
Game-Fiプロダクトにおいて、発行上限があるGenesis NFTは初期ユーザーや貢献者に渡されることが多く、
・ベータ版への参加権(またはアーリーアクセス権)
・ゲーム内でFTを稼げる能力が高い
・NFT/FT/ゲーム内アイテムのエアドロップ
といったユーティリティを持っています。
FTのエアドロップ自体は最近始まったことではありませんが、直近でFusionistが高いフロアプライスを維持/大型の$ACEエアドロップを実施したことから、同様の手法を取るタイトルが続出しています。
FTのエアドロップで事業が加速できる理由
Fusionistの結果より、FTエアドロップ付きGenesis NFTはNFTフロアプライスやFT価格の維持/上昇に有効であるように見えます。
しかし、単にNFT/FTの価格を上げるだけでなく、以下のような理由から事業を加速する効果を期待できます。
・大手取引所への上場
・低コストで効果の高いマーケティング
・初期コアコミュニティの形成
・資金に余裕を持った開発/運営
それぞれについて解説します。
大手取引所への上場
BinanceやCoinbase、OKXのようなTierの高い取引所への上場のハードルを下げる効果が期待できます。
この理由は、大手取引所への上場に求められることが多い
・ユーザー数
・オンチェーンのトランザクション数
・NFTの販売実績
等の一定の良いトラックレコードをGenesis NFTで作り出せるためです。
具体的には、以下の観点でgenesisNFTへのFTエアドロップは有効な施策となり得る可能性があります。
・エアドロップの期待からNFT価格が高騰し注目銘柄となる
・エアドロップタスクの中で多くのトランザクションやユーザー数を確保できる
ユーザー数やオンチェーンのトランザクション数、NFTの販売実績において高い実績をつくることで、大手取引所への上場を狙えます。
低コストで効果の高いマーケティング
発行FTをGenesis NFTホルダーへのエアドロップに割り当てることで、低コストで効果の高いマーケティングを行うことも可能です。
NFTが高額になる期待から、アローリスト(AL)獲得のためのタスク(Xのリポスト等)による拡散が積極的に行われるためです。
なお、Genesis NFTホルダーに対するエアドロップのアロケーションは総発行枚数の10%以下※に設定されることが多いです。
※Fusionistは全体の1.72%(NexusBond Airdropへの割当:全体の3.4% × Alpha Prestigeへの割当:50.53%)
Web2ゲーム業界では広告宣伝に大きな予算が必要不可欠ですが、NFT/FTをうまく活用することで低コストで効果の高いマーケティングを行うことができます。
初期コアコミュニティの形成
FTエアドロップ付きGenesis NFTは、初期コミュニティの形成にも役立てることが可能です。
Genesis NFT保有者は将来の経済的インセンティブにより、NFT保有率が高く、プロダクトのコミュニティ形成に継続的に貢献してくれるためです。
NFTのホールド率をより高めるために、エアドロップしたFTにロックアップを設定し、システム的に売り圧を抑える工夫がされることもあります。
資金に余裕を持った開発/運営
初期売上を構築することで、取引所の流動性提供や上場費用にも使うことができ、資金に余裕を持った開発/運営が可能になります。
Age of Dinoでは、約8億円(0.59ETH×4,010枚)の販売実績があります。
Genesis NFT価格形成において重要なポイント
Genesis NFT の価格を形成する上での重要なポイントは主に7つあると考えています。
それぞれの要素がどのように影響していたのかを含め、次の章でFTエアドロップ付きGenesis NFTをうまく導入したタイトルを紹介します。
FTエアドロップ付きGenesis NFTの活用事例
Fusionist
1:プロダクト(ゲーム)の内容
Fusionistは、拠点建築、ターン制のシミュレーションバトル、4X(探索、拡張、開発、殲滅)の3種類のコンテンツが楽しめるシミュレーションゲームです。
2023年11月22日午前 1:00 - 12月13日午前 8:00 UTCに行われていた第2回βテストではメカ5体同士をターン制で戦わせるPvPが体験できました。
2:トークンエコノミクス
Fusionistでは、FTとして独自のチェーン(Endurance)用トークン$ACEが発行されています。
Genesis NFTとして「Alpha Prestige」が発行されており、1枚につき5,000$ACEが配布される予定となっています。
配布方法は一度に配布するのではなく、一定期間に亘って段階的に$ACEを配布します。
この方式を採用することにより、Genesis NFTを保持するメリットを作り、NFTの価格維持と$ACEの価格急落防止に繋がっています。
3:VC
・Binanceのバックアップを受けているBinance Labs
・ゲーム産業に深い知識を持っているFunplus
といったプロダクトの内容に即した有名で強力なVCが参入しているため、投資家やユーザーから見て、非常に期待ができる座組になっています。
4:上場先取引所
Binance(IEO)、OKX(IEO)、gate、mexc、bitget, bithumb などに同日上場を行なっており、上場日(日本時間 2023/12/18 15:00)は時価総額100位以内(現在200位前後)となるほど非常に注目度も高まりました。
Genesis NFT保有者でエアドロップタスクをこなし続けた上位ユーザーは、$ACEのエアドロップは数千万円分になっています。
5:チームの経歴
世界最大のゲーム会社の1つとしても知られているTencent出身のコアチームによって作られているため、プロダクトに非常に期待ができます。
Tencentのゲーム部門は、PCゲーム、モバイルゲーム、オンラインゲームなどの様々なプラットフォームで国際的なヒット作品を含む数多くのゲームを提供しています。
6:mint形式
Genesis NFTはフリーミント形式で、mint権利を獲得するためには、以下のようなタスクをこなしてポイントの上位500位に入る必要がありました。
・紹介
・ウォレット残高
・ブルーチップ保有状況
・Xアクティビティ
紹介やポストなどのタスクがあったため、ユーザーの獲得や広告・宣伝効果も伴わせる形でNFTが上手に活用された事例の一つです。
各ポストのURL
2022/10/29:https://x.com/fusionistio/status/1585552509036335106?s=20
2022/11/30:https://x.com/fusionistio/status/1587104183999668228?s=20
2022/11/01:https://x.com/fusionistio/status/1587464274925871104?s=20
2022/11/02:https://x.com/fusionistio/status/1587822254649376768?s=20
7:発行枚数
Genesis NFTの発行枚数は500枚と絞られており、ALに入りたいという需要と供給量のバランスにより、各エアドロップタスクが強力に機能していたと予想します。
8:その他
Genesis NFT以外にも保有していると配布される$ACEがあり、トークン生成イベント(TGE)後もNFTのフロアプライスが下がらないように、徐々にエアドロップされていく仕組みになっています。
Age of Dino
1:プロダクト(ゲーム)の内容
Age of Dino(AOD) は、多人数同時参加型オンライン(MMO)戦略ゲームです。
ゲーム体験には、パーク建設、恐竜への餌やり、資源収集、冒険、AI制御の敵やミュータント恐竜軍団との戦いなど多様なコンテンツの実装が予定されており、拠点やヒーロー(指揮官)、恐竜を強化することで、バトルに勝てるようになります。
バトルはPvPとギルド同士のGvGがあり、勝利すると報酬の獲得が可能です。
無料でプレイが可能なため、気軽に始められるのも良い点です。
2:トークンエコノミクス
AODではデュアルトークンを採用しており、ガバナンストークンとして$AOD(有限発行)、ユーティリティトークンとして$DAM(無限発行)が存在します。
AODにおけるGenesis NFTにあたるDinosty NFTは保有していると両トークンのエアドロップとゲーム内での特典が得られます。
3:VC
AODもBinance LabとFunplusに加え、
・Xterio
・animoca
・sevenX
・HASHKEY
と様々なVCが参入しており、プロダクトへの期待感が大きくなる一つの要因です。
4:上場先取引所
トークン上場予定の取引所は執筆時点(2024年2月)で発表されていません。
5:チームの経歴
Netease、Zynga、FunPlus、ByteDance など有名ゲームスタジオ系出身がコアチームとなっているため、プロダクトへの期待感が大きくなります。
6:mint形式
0.20~0.59ETHの間で好きな値段でbid 、同額の場合はFCFS(早い順)での落札といった上限付きオークション形式で行われました。
結果は4,010枚全てが上限値0.59ETHで落札されたため、mint費用で8億円近くの売上を立てることに成功し、上手くGenesis NFTを活用した事例の一つと言えます。
7:発行枚数
総発行枚数は5,010枚で、その内4,010枚は上限付きオークションで獲得したユーザーによってmintされ、残り1,000枚は優先購入権のあるサポーターに配布されました。
8:その他
AODはDinosty NFTをリスティングするとエアドロップを受け取れる量が減る、または受け取れない仕組(Dinosty Holding Rewards System)が導入されており、NFTのフロアプライス維持に一役買っています。
Dinosty NTF を保有していることで報酬が得られる期間が3つ用意されています。
各シーズン期間中はフロアプライスが付かない、または安定している傾向にあります。
本記事ではFTエアドロップ付きGenesis NFTを発行したタイトルの代表としてFusionistとAge of Dinoを扱いましたが、他にも我々が注目しているタイトルは多くあります。
まとめ
本記事ではGame-FiにおけるFTエアドロップ付きGenesis NFTの発行について解説しました。
事例に示したように、FTエアドロップ付きGenesis NFT発行をうまく活用できればマーケティング以外の側面においても事業を大きく加速できます。
$BTCの半減期を迎え、暗号資産市場が盛り上がるとされている今回のブル相場では、本手法は主流になると予想しています。
我々としてもWeb3事業を盛り上げるために
・これからトークンエコノミクス設計を行いたい
・トークンエコノミクス設計に行き詰まっている
といった事業者さまと共に、本事例を参考にしながら事業開発を行いたいと考えております。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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0x Consulting Group公式Xアカウント:https://twitter.com/0xc_web3
執筆:0x Consulting Group 二井俊也、田島
監修:0x Consulting Group Token Economics Director 新谷圭右(Xアカウント:@shinkei_pm)