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#34.大好きなおもちゃを、もらわない選択

非常に悩ましいリフューズの話です。

3歳長男、いよいよ本格的なヒーローブームが到来しました。
これまでも謎の決めポーズやら決め台詞やら唱えて見えない敵と戦いまくっていましたが、具体的な戦隊シリーズの名前が出てくるようになってきました。
うちではいっさいテレビを見せていないのに、です。

元ネタはお下がりでもらったTシャツと、ヒートテックのヒーロー柄。現在小学生の甥っ子が着ていたものなのでそこそこ昔のシリーズ、ジュウオウジャーとキューレンジャーです。
Tシャツは長袖とかさねて、ヒートテックは下着なのにロンTとして、たたむ間もなく愛用しており、ほかの服を着たがりません。

先日はとうとう実家で母にジュウオウジャー最終回の録画を見せられ大興奮。それ以来、口をひらけばジュウオウジャー!と叫んでいます。
LGBTQのさまざまな可能性を考えて、できるだけジェンダーフリーに育てたいと思ってきましたが、少なくとも本人の性自認は男性で間違いなさそうだと確信させる、なりきりぶり。

そんな息子を見てわたしの妹が、まだ持っていたジュウオウキューブをくれると言ってくれました。このキューブはヒーローが使用する神アイテム。甥っ子が大好きで、アーアアーと雄叫びを鳴らしまくっていたのを思い出します。
その甥っ子ももう小学生。鬼滅の刃に夢中でとうにヒーローは卒業しており、不要なものをもらい受ける形。
しかし。熟考の末に断りました。

これまで妹からは、おもちゃはもちろん、様々な赤ちゃんグッズ、洋服、パジャマ、下着に至るまでお下がりをもらいありがたく活用してきました。自分で用意したものはほとんどないくらい。
お下がりを断ったのはこれが初めてです。

生まれた当初、わたしは子どもに電池を使わないおもちゃを与えたいと思っていました。しかしお下がりやプレゼントでなし崩し的に。
そしていま部屋はあらゆるおもちゃで溢れかえっています。
断捨離ミニマリズムの洗礼を受けたとはいえ、おもちゃはなかなか捨てられない。それであそぶ子どもを見たいという欲でしょうか。
自分が買ったりもらったりしたくせに、自分が使い倒せないものだから、どうも判断が甘くなるようです。
一方子どもは、一度手に入れたらなんでも取っておきたがる。当然だと思います。手放す理由がないし、すべてにときめく素直なこころを持っている。

ジュウオウキューブ、もしもらったら子どもは狂喜乱舞するでしょう。よろこぶ顔が見たくてたまらないけれど、そんな気分もおそらく一瞬。
これまでと同じように、執拗に鳴らされる騒音にいらいらし、布団に持ち込むなと叱り、そのくせ飽きて打ち捨てられているのを見てがっかりする流れ。

わかっていてなぜこのリフューズが身を切られるように辛いのか。(断る決心に丸一日かかりました)
突き詰めるとわたしは、親の判断でこのおもちゃを手にしないことにより、この子が楽しみを損するのではないかと案じているのです。
言い換えれば、このおもちゃがなくてはこの子は楽しめないと、子どもをみくびってもいる。

ここまで考えてようやっと、おもちゃを増やして創造性を阻む必要はないと、断る決心がつきました。
遊びを限定するおもちゃ、すぐに壊れるその場しのぎのおもちゃを与えない。
乱暴を黙認するような戦隊ものをよしとしない。

ゼロウェイストに目覚めてから考えていたことを、現実にはこんなにも必死で自分に言い聞かせています。
ゼロウェイストは一筋縄ではいかないところが面白い。と今回は見栄をはってみます。
その実、まだ子どもにかわいそうだったかななんて、ちょっとドキドキしています。

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