瞑想日記⑧【魔について～魔物と聖者ミラレパの詩～】

魔物が歌う


「あなたの、その執着の魔は、あなたの心から生まれる。

あなたが、心の本性を認識しないならば、

いくらあなたが去れと言っても、わたしは去ってやらない。

あなたが心は空性であると悟らないのならば、

私は去っても、別の魔がつぎつぎと現われよう。

みずから心の働きをつかむことがないのなら、

逆境があなたの友となり、

あなたは魔物の奴隷となり果てよう。」

聖者が歌う


「おまえほどの、強力な魔も、すべては《私》という盲信から生まれたもの。

おまえほどの多数の魔も、すべては心の働きが生み出したもの。

おまえほどの悪習に染まった堕落の魔も、すべて思考が生み出したもの。

魔を外部の魔と勘違いすると、魔は害を及ぼす。

魔もまた心であると知るなら、解脱がおとずれる。

魔が空であると知ることによって、すべては断ち切れられる。」

魔物と聖者ミラレパの詩（チベット密教：虹の階梯より）