見出し画像

『秋田戦で先制した後の木山ファジの謎』について語り合うファジサポのAとB

B「あのさあ」

A「・・・うーん」

B「あれ?A?」

A「うん?なんだBか」

B「なんだBか、じゃないよ。どうしたの?そんなうんうん唸って」

A「いや、秋田戦について考えててさ」

B「・・・悔しかったなあ。自動昇格も消えちゃったし、12000人もお客さん入ってたからほんとに勝ちたかったわ」

A「負けたこと自体は受け入れられてるんだけどね。どうも腑に落ちないことがあってさ」

B「腑に落ちないこと?」

A「秋田戦って先制して同点に追いつかれて逆転されたでしょ?」

B「うん」

A「秋田の1点目、つまり同点ゴールが決まるまでの岡山の戦い方が納得がいかないんだよ」

B「へえ。どういうこと?」

A「まず秋田のキャラクターを確認しておくと、ロングボール主体の攻撃。セットプレーや442でがっちり守ってからのカウンターが得意。少ない得点でもリードを守って勝ち切るチームということになるわけさ」

B「うん」

A「こういうチームって先制されるとめちゃくちゃ困るんだよ」

B「そうなの?」

A「秋田は自分から攻撃をしかけていくより、相手にボールを持たせてカウンターを狙う方が有利なんだ」

B「ほう」

A「だから秋田は絶対に先制されちゃダメだったはずなんだ」

B「だけど、岡山が先制した」

A「そうなると秋田の気持ちはどうなる?」

B「ヤベェってなる」

A「リードを奪われて焦るし、点を取りに行かなきゃいけなくなる」

B「うん」

A「いわば不得意なシナリオを演じなきゃいけなくなるわけだ」

B「ということは、岡山がかなり有利になったってことだよね?」

A「相当有利だね。秋田が攻撃に出てくるならしっかり守ってこちらがカウンターを狙えばいい」

B「なんかイグォンが活躍しそうな」

A「まさにそう。これまでも先制してしっかり守りつつカウンターで追加点を奪って試合を決める。それを勝ちパターンにしてきたわけだ」

B「戦い方が安定してたよね」

A「でしょ?岡山が先制した時点で、大きく分けて2つの選択肢があったと思うんだよ」

B「うん」

A「ひとつは"勝ちパターン"にハメこんで逃げ切りを狙いつつトドメを刺しに行く」

B「そうだね」

A「もうひとつはリスクを負ってさらに追加点を奪い試合を決めにいく」

B「守るか?攻めるか?みたいに、2パターンあったってことね」

A「まあ、簡単に言えばそういうこと」

B「いつもだったら守ってカウンターで勝ちパターンに乗せにいくのに、この試合はそのまま攻撃してたよね?」

A「そう、そこなんだよわかんないのは。普段のカウンター路線ではなく、なぜ秋田戦はリスク承知で2点目を取りにいったんだろう?」

B「あのさ、仮定の話で悪いんだけど」

A「どうぞ」

B「もし、先制したあと岡山が守ってカウンター路線を選んでいたらAはどうなってたと思う?」

A「たぶんかなりの確率でそのまま勝ってたと思うよ。しかも2-0とか追加点とって突き放すシナリオもありえたと思う」

B「あー、やっぱりそうよな?」

A「秋田は得点力の高いチームじゃない上に、カウンターとセットプレーが大きな比重を占めるしね。それにもっと攻撃力のあるチームでさえ岡山は封じて逃げ切ってきた実績がある」

B「たしかに」

A「だから、そこまで難しいミッションじゃなかったはずなんだ」

B「えー?じゃあ勝ちやすい方法を選ばないで、わざわざ難しい方を選んだってことになるの?」

A「うん、謎でしょ?」

B「そりゃあ謎じゃなあ」

A「岡山はあえて守ってカウンター路線を選ばずにリスクを承知で2点目を取りにいく」

B「うん」

A「このとき秋田側の気持ちはどうだったと思う?」

B「秋田の気持ちか、考えたことなかった」

A「たぶん、秋田は"やった!岡山が攻撃に出てきてくれるぞ!"って感じたんじゃないか?と思うんだよ」

B「あー、そうか。そのまま守られてしまうより、攻撃に出てきてくれた方がカウンターを狙いやすいもんね!」

A「そうそう。秋田からすれば狭まった得点の可能性を岡山がわざわざ広げにきてくれたようなもんなんだ」

B「ますますわからんなあ」

A「ホーム最終節、しかも12000人の大観客。さらに、勝てば自動昇格の可能性も残す試合」

B「うんうん」

A「そこで、勝つ確率の高い方法を選ばずにあえてさらに難しい道を選択したその理由はなんなんだろう?って」

B「うーん」

A「唸るでしょ?」

B「ほんまや笑」

A「試合後の監督のコメントを見てみるとこんなふうに言ってる」


1点を守りながらカウンターを狙って勝ちにいくとか、いろんな考え方はあったと思うが、チームとして意思統一して2点目を取りに行く、攻めるという姿勢をしっかり出そうと、ロングスローの時もセンターバックを上げた。準備をしていたが、相手のスピードが上回ってカウンターで失点して振り出しに戻った。

ファジアーノ岡山公式サイト


B「そういう戦い方をすると決めたって言ってるね」

A「そう、だから先制した時点で岡山は明確に2点目を狙う・守らないと決意してたことがわかる。なぜなんだ・・・」

B「でもさあ、いっこ思うんだけど」

A「うん」

B「なんかそっちの方が木山さんぽくない?」

A「木山さんぽい・・か」

B「Aも言ってたでしょ?"木山さんはこれまでの監督とタイプが違う。リスクをとってどんどんチャレンジさせる"って」

A「うん」

B「まあ、難しいことはわかんないけどあの場面でもチャレンジするってのは木山さんぽいのかな?と思った」

A「・・・そうかもしれないな。たしかに前任の有馬さんが積み上げた442ではなく、433をトライしたシーズンの序盤。そして開幕戦での大卒新人ダブル起用。まさかの本山遥のアンカーコンバート・・・」

B「うんうん」

A「そして、どうみても実力不足だった高卒ルーキー佐野航大の積極起用からの主力化。それまで一度もやってなかった横浜FC戦での3421の導入」

B「あったねえ」

A「思い返してみると''それは無茶じゃない?"って思うようなチャレンジを木山監督はこれまでどんどんやってきてるんだな」

B「そしていつのまにか3位まできちゃった」

A「そうか。ここまで木山さんは難しいと思えるようなことにどんどんチャレンジさせてチームを成長させてきたんだな。そして、それは秋田戦でもブレなかった。一貫してるんだ」

B「うん」

A「もし、これまでのチャレンジを避けて無難な戦い方でやってきていたら3位まで手が届くことはなかったかもしれない」

B「佐野航大も試合に出られなかったかもね」

A「今後の成長を見据えて、守備の固い秋田を相手にリスクを追って点を取りにいく。その経験をさらに積み上げたかったのかもしれないな」

B「うん」

A「B」

B「?」

A「たまにはいいこと言うんだな」

B「"たまに"は余計じゃ」

A「そうするとたぶん木山さんの頭の中ではもっと高い理想像があって、まだまだそこに近づく過程なのかもなあ」

B「じゃあもっと強いファジを見れるかもしれないってことか」

A「きっとそうだと思う」

B「どんなチームになるんだろう?楽しみだなあ」

A「それにしてもだよ」

B「うん?」

A「勝てば自動昇格の可能性が残る試合。1点リードで守れば勝ちは固いゲーム展開」

B「うん」

A「ホーム最終節。観客は12000人越えというシチュエーションだよ」

B「そうだねえ」

A「そこでやられるかもしれないリスクを承知で決断する肝っ玉って一体なんだろうな??」

B「おれ想像しただけで無理だわ笑」

A「監督の仕事は''決めること"と言われるけど、どんだけ大変なんだ!と呆れてくるね・・・」

B「でも、そんな肝の座った指揮官とPOを戦えるのはすごく楽しみ」

A「そうだな。木山さんもPOを勝ち抜いた経験はないから絶対にやり抜きたいと思ってるはずだ」

B「うんうん」

A「POに向けて準備も進めていることだろうし、勝ち抜いて絶対にJ1に行きたいな」

B「行こう!」

A「ところで、Bの用件はなんだった?」

B「忘れた」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?