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『練習場で見たことをSNSにあげてもいいの?』について語り合うファジサポのAとB

B「あのさあ」

A「お、どした?」

B「こないだ練習場にはじめて行ってきたんだよ!」

A「おお、ついにデビューしたか」

B「めちゃくちゃ近くで選手を見られてテンションあがっちゃってさあ。写真とかもバンバン撮って」

A「確かにあの距離感はヤバいよな」

B「大満足して帰ってきたんだけどね。写真を整理してるときにふと思ったのよ」

A「ほう、何を?」

B「練習場で見たことってSNSにあげていいのかな?って」

A「あー・・・そこか」

B「なんかさあ、よくないよって話も聞くじゃない?そういうの」

A「そうそう、そこ気をつけた方がいいんだよ」

B「その辺よくわかんないからさ、ちょっとAに聞いてみようと思って」

A「そういうことね」

練習場でのマナーはクラブ公式から



B「やっぱり最初にやるべきは、クラブの公式サイトでマナーについて調べとくことでしょ?」

A「そうだね!クラブが"こうしてください"って案内してくれてるはずだからまずはそこをちゃんと守ることが大事」

B「ファジの公式はね、こんな感じに書いてあったよ」

・動画撮影はご遠慮ください。メディアの方も、クラブによる事前の許可が必要になります。
・静止画写真の撮影については、個人的にお楽しみいただく範囲でお願いいたします。営利目的で利用することは、選手およびクラブの肖像権・プロパティに関する権利の侵害となります。セットプレーなどの戦術的な練習時は、写真撮影をご遠慮ください。
ファジアーノ岡山公式

A「うん」

B「ここには特にSNSについては書かれてないからある意味サポーターの判断次第になっちゃうじゃない?」

A「そうだね」

B「だから、どうしようかなあ?と思って」

A「まあ、せっかく見にいったんだからほかのファジサポさんにも共有して楽しさをおすそ分けしたくなるよな」

B「そう、そうなんだよ!」

A「しかし、戦術的な練習のときは写真撮らないでって書いてあるけど、これもサポーターからするとどれが戦術的でどれがそうじゃないのかわかりっこないんだよね」

B「ほんまそれ」

A「Bが不安になったのもその辺じゃないの?」

B「そうそう。もし、SNSに写真とかあげて知らないところでチームの迷惑になってたりしたら嫌じゃん?」

A「いやだね、それは」

B「でも、これどうやって自分で線引きしたらいいのか?がわかんなくて」

A「おとなりのサンフレッチェ広島の公式なんかを見てみるとこんなふうに書いてある」

戦術的な練習や紅白戦のメンバー、練習試合などの詳細について、「Twitterやブログ、フェイスブックなど、ソーシャルメディアなどでの情報発信」はご遠慮ください。サポーターの皆さまの情報共有のみならず、相手チームへの情報提供にもなりかねませんので、ご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
サンフレッチェ広島公式


B「あー、これ読むと写真とかじゃなくて文章とかもやめてねって書いてあるね」

A「そうそう」

B「いずれにしても戦術的なことについては動画も写真も文章でもやめてね!感は伝わってくるね」

A「いいところに気がついたね。ここで考えたいことは、クラブは何を一番心配してるのか?ってことなんだよ」

B「うん」

クラブが一番心配していること



A「練習では次の試合に勝つための準備が行われるのね」

B「うん」

A「だから、その内容が相手チームに知れたら"ほう、岡山さんはそういう手で戦うつもりか!"とバレてしまう」

B「たしかにそうだね」

A「そうなると試合で不利になるから、どこのチームも戦術的な練習については外部に漏らさないでね!つまり、SNSにあげないでね!って言うわけだ。これがクラブが一番心配していること」

B「動画をあげないで!って言ってるのもその辺に理由があるのかな?」

A「そう思うよ。どういうグループでどういう内容の練習をやるのか?それ自体になんらかの戦術的な狙いが込められてることがある」

B「なるほど」

A「見る人が見ればそんなの見抜けちゃうから、そのまんま動画あげちゃったらモロバレするかもしれないじゃない?」

B「それはどう考えても足を引っ張るね・・・」

A「だから、練習場に見に行ったサポーターは、"これをSNSにあげたら相手チームの得になるかどうか?"ってのは絶対考えておかないといけないね」

B「でもさあ・・・」

A「うん」

B「さっきも言ったけど、何が戦術的な練習で何がそうじゃないのか?って線引きむずくない?」

A「難しいね。ある意味見る人次第だからなあ」

B「じゃあ具体的にどうしたらいいんだろう?これはやっていい、これは控えた方がいいって線引きを持っておかないと落ち着かないんだよねぇ」

相手チームが死ぬほど欲しがる情報とは何か?



A「これは実際にプロの指導者に聞いた話なんだけどね」

B「おお!」

A「次の試合に勝つために彼らは可能な限り情報を集めてきて、それをもとに考えるってことをやる」

B「うん」

A「そんな彼らにとって死ぬほど欲しがる1番の情報って何だと思う?」

B「1番欲しがる情報か、なんだろう・・・」

A「それは、次の試合に誰が出られそうか?ということなんだって」

B「へー!」

A「ケガとか病気とか、いろんな理由で練習できるひとできないひとが出てくるでしょ?」

B「リハビリのひととかもいるもんね。チームと別メニューだったり」

A「そうそう。練習に合流できてないならそのまま試合に出てこれない可能性は高い」

B「あー、そうか」

A「そのチームの重要な選手だったら、出てくるのか?出られないのか?でとるべき対策もだいぶ変わってくる」

B「うんうん」

A「だから、誰が出られるのか?を1番知りたいんだよ」

B「あ、じゃあ"誰がケガした"とか"誰が復帰した"とかもあげない方がいい?」

A「うん、それは絶対にやめた方がいいね」

B「わかった、それは覚えとく」

写真や動画の持つ説得力は異常



A「実は情報をどういう方法であげるか?も大事になってくるんだよ」

B「うん?どういうこと?」

A「もしBが対戦チームのコーチだったとして、ファジの情報を集めたいぜ!ってなっていたとする」

B「おれが相手チームの分析コーチね、OK」

A「とあるファジサポが練習場に行って、Twitterで"○○選手がケガったっぽい。次の試合出られるかな・・"みたいなツイートをしたとする」

B「うん」

A「それを読んでBコーチはどう思う?」

B「あ、もしかしたら○○選手は試合にでないかもしれないなって思う」

A「じゃあ、監督に○○は出ないみたいですって進言してそういう練習を組む?」

B「ん、いやまてよ・・・」

A「どした?」

B「そのTwitterの情報を鵜呑みにして動くのはどう考えてもマズイかなって」

A「そうそう」

B「どこの誰が言ってるかもわからないことだから、正直噂レベルでしかないな」

A「まさにその通り。噂話をもとにプロチームが対策するわけにもいかないから、そういうのはぶっちゃけどれも信頼できる情報とは言えないんだよ」

B「うん」

A「だけど、これが写真や動画だったらどう?」

B「あ・・・」

A「そうなんだ。写真や動画だと○○選手がいるのかどうかが動かぬ証拠として残っちゃうでしょ?」

B「あー・・・誰が撮っても証拠能力は変わらないもんなあ」

A「そうそう。だから、誰が練習に参加してて誰が練習に参加していないのか、これについて手がかりになるような写真は気をつけた方がいいね」

B「なるほどなあ」

ファンサとのバランスの難しさ


A「だけどこれまた難しいとこなんだ・・・」

B「というと?」

A「だって、Bは練習場行って写真撮れてうれしくなかった?」

B「めっちゃうれしかったよ!!」

A「でしょ?もし撮った写真をSNSにあげたら、相手チームに誰が練習に参加しているか?手がかりを与えることにもなりうる」

B「・・・ぐむ」

A「そんなこと言われたら撮った写真をSNSにあげるの無理じゃね?」

B「えええ、それは残念すぎる・・・」

A「練習場に行けない人もたくさんいる。誰かが撮ってくれた写真を見て、試合と違った表情を楽しむ人だっているわけだよ」

B「おれもそれ見ていいな!って思ったんだよ。だから自分が行った時もそうしたいなって」

A「ファン・サポーターの気持ちとしてはそうなるよね」

B「うん」

A「ホームゲームってひと月のうち数えるほどしかないからさ、選手を間近に見られる機会ってそんなに多くない」

B「そうだね」

A「サッカークラブとて人気商売だからさ。ファンサービスだって大事にしたい」

B「あー、そうか」

A「だから、クラブとしては情報が外に出るのはなるべく控えたいけどファンサも諦めたくはない。その間くらいでなんとかバランスとって・・・みたいな感じなんじゃないかなと思うんだよ」

B「写真撮らないで!って言ってしまった方が有利は有利だもんね」

A「普通に考えるとそうなるね」

B「でも、全面的に禁止しないのはファンのためでもあるのかな」

A「たぶんそういうことだと思うな」

練習場で撮った写真をシェアするときの工夫


B「あのさ、おれみたいに練習場で撮った写真をSNSにあげたいひとはどういう風にしたらいいと思う?」

A「ふむ」

B「クラブには迷惑をかけたくない。だってサポーターだからさ、足引っ張りたくないじゃん?」

A「それな」

B「だけど、写真撮ってみんなで楽しむのも諦めたくない。わがままだけどなんかいい方法ないかなあ?」

A「著作権とか肖像権とかはここではひとまず置いておこう。自分は詳しくないからそこは自分調べてみてね。うーん。そうだなー・・・思いつくのは2つあるかな」

B「おお、ぜひ教えてほしい!」

A「一つ目はね、クラブが出してるYouTubeを参考にするって手があるかな」

B「YouTube?」

A「ファジだと練習風景をクラブの公式チャンネルで配信してくれてるでしょ?

B「ああ、これね?」



A「そうそう。これってつまりクラブが誰に見られてもいいよ!って判断した動画じゃない?」

B「なるほどなあ!相手チームに見られてもいいよってことね」

A「そういうこと。だから、この中で姿が確認できる選手は"次の試合出られる状態だと考えてもらって構いませんよ"とクラブが言ってるようなもんだよ。ということは、ここに出てる選手の写真はSNSでシェアしてもいいかも?と判断することができるよね」

B「おお、その発想はなかった!」

A「ふたつめは、投稿日をズラすこと」

B「ふむ」

A「要は次の試合に誰が出るか?が1番アツいニュースなわけだから、練習場に行ったその日じゃなくて来週とかにズラして投稿すれば問題ない」

B「あー、そうなるともう直接関係なくなるもんね」

A「そうそう。撮った写真を寝かしておくというか。投稿するときも、撮影日を明記したりしてちょっと前の情報とわかるようにしたりするといいかもしれない。仮に次の次の対戦相手が見たとしても情報が最新かどうかは判別不可能だから、信頼できる情報としての価値は相当下がるよね」

B「なるほど。これはどのクラブのサポーターでもできそうだし、簡単だからいいね。すぐに出したい!って気持ちもあるけど、見て楽しむ方は最新の写真だけが見たいわけじゃないもんな」

A「そうそう」

その他メディアの情報について注意すること




B「あのさ、ほかに地元の新聞とかタグマ!の有料情報とかでもチームの情報が載ってるじゃない?」


A「うん」

B「ああいうのはどうしたらいいと思う?」

A「まず、有料で見られる情報をSNSにあげるのはやめた方がいいね。ひとの商売を邪魔しちゃうことになるし」

B「たしかに」

A「岡山の地元新聞やメルマガを対戦チームが購読してチェックしてるかどうか?はわかんない」

B「まあ、そりゃそうだよな笑」

A「だから、購読してないものとして考えたらいいと思うよ」

B「つまり、山陽新聞の情報とか、ファジラボの中の話とかはSNSに書かない方がいいってこと?」

A「そういうこと。対戦チームが購読してない場合、みすみす情報提供してしまうようなもんだからね。わざわざ得させてあげることはない」

B「山陽新聞とかだと前日にスタメン予想が出るでしょ?」

A「大本営発表ってやつな笑」

B「そうそう。あれはどうかな?」

A「正直、試合前日ともなると練習はほとんど終わってると思うので問題はないと思うよ」

B「山陽新聞はスポンサーさんだし、その辺りはクラブも承知しているかもしれないね」

A「そうだね」

B「ほかに注意点とかあるかな?」

A「そうだなあ、相手チームの分析担当になったとして離れた土地からどうやって対戦相手の情報を集めることができるだろう?って相手の身になって考えてみることが大事だと思うね」

B「というと?」

A「たとえば、ネットニュースみたいに誰でも入手可能な情報とかさ、クラブ公式が出したニュースとかはもうおおっぴらになってる情報じゃない?」

B「うん」

A「そういう誰でも手に入れられる情報は当然相手チームも知ってるものだと考えていいと思う」

B「ほうほう」

A「ほかにも例えば選手がケガして、全治2週間ってリリースが出てた場合。リハビリも込みで3週間か4週間後くらいには復帰してくるかな?って予想することはできるよね」

B「うん」

A「だから相手チームもそのくらいで復帰してくるからこれは試合に出てくるかもな!って予想を立てることはできる。これは秘密でもなんでもない」

B「たしかにそうだね」

A「でも、実際に直前の練習に選手が復帰してるかどうか?どのくらい強い練習をやってるかどうか?これはもう極秘なのよ。相手チームの分析担当が死ぬほど欲しがる情報だから」

B「なるほどなあ」

A「こんなふうに相手チームの分析担当になったつもりでどういう情報なら手が届くかな?欲しがるかな?ってことは考えておいた方がいいね」

B「ありがとう。ちょっとおさらいしていい?」

A「どうぞ」

1.クラブの練習見学マナーを守る
2.クラブは次の試合の準備内容を外に漏らしたくない
3.分析チームが最も欲しがる情報は「誰が試合に出られるか?」
4.ケガや病気の離脱情報、および復帰情報は極秘
5.相手チームの分析担当なったつもりで考えてみる



B「OK」

A「練習見学ってほんと楽しいよね」

B「うん、こないだ行ってすごくそれ思った」

A「だから、クラブの邪魔にならないようにサポーターが賢く振舞ってどっちもウィンウィンな形で過ごせるようになるのが一番だ」

B「情報の制限とファンサのバランス、ね」

A「次回練習見に行ったら今度はSNS通してじゃなくて、直でいろいろ聞かせてよ」

B「わかった。直で話すぶんには外に漏れないから話したい放題だもんね」

A「そういうこと笑」





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