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『木山監督とバイスはなにを語ったのか?』について語り合うファジサポのAとB

B「あのさあ」

A「お、どした?」

B「横浜FC戦みたでしょ?」

A「もちろん、みたよ」

B「悔しいよね・・・」

A「悔しいね。ビッグマッチだったし、直前にあんなことがあったし」

B「でもさ、試合観ててなんかこう・・・胸に来るものがあった。うまく言葉に出来ないんだけど。すごいもの観たなって」

A「サッカー観てるとたまに勝敗だけじゃなくて、なんかエモーショナルなもんを見せつけられたな!ってときがあるんだよ」

B「ほんとだね。なんか誇らしかった。チームが」

A「ホームで勝ったときとか選手たちがピッチからスタンドの声援に応えてるときとかさ、見てるとじんわり誇らしい気持ちになるときあるじゃない?」

B「あるね」

A「でも、不思議と試合に負けた後でも”誇らしいな”って思えるときがあって。そういうとき、なんかすがすがしい感じがするんだよね」

B「あー、わかるかもしれない」

A「ところで、Bは試合後のコメントって読んでる?」

B「うん、まあいちおう読んでる」

A「そこで語られてる内容って理解できてる?」

B「”へー、ふんふん”って読んではいるけど、正直な話なにについてしゃべってんのかよくわかんないとこもめっちゃある笑」

A「そりゃ、もったいないなあ」

B「あ、やっぱ重要なの?」

A「ひとによるかもしれないけど、自分は必ず読むよ。監督のも、選手のも、あと対戦チームのも読めるものは全部読むね」

B「ほお、対戦チームまで読んでるんだ。試合後のコメントを読むとどういういいことがあるの?」

A「試合後コメントは監督や選手が試合についてどう思っていたのか?ってのがわかる一番大きなてがかりなんだよ」

B「うん」

A「試合観てると”これなにがやりたいんだろう?”とか”どうしてこういう交代策にしたんだろう?”みたいに疑問がわいてくるときあるでしょ?」

B「あー!あるね」

A「試合後コメントとかを読むと、その答えをしゃべってくれるときがあるんだよ。だからそこで答え合わせをすることができるんだ」

B「なるほど、そういうことか」

A「この試合は直前にコロナの陽性者が6名も出る緊急事態だったし、自動昇格を目指すうえでの大一番でもあったでしょ?」

B「そうだね」

A「そういう特殊な試合をどう戦ったのか?を木山監督とバイスのコメントから探りつつ話をしてみたいなと思ってさ」

B「ええ?それおもしろそう!」

A「では、まず木山監督のコメントからいこう。ゲキサカに大変良い記事がでてる」

B「お願いします」


”悔しい”と思えることは簡単なことじゃない


木山監督「いろんな状態があったけど、選手たちは死力を尽くしてやった。横浜FCさんはいま首位で強いチームだけど、選手たちは立ち向かった。十分に勝つチャンスもあったと思うので悔しいの一言」

A「まず、最初にこれからいこう。木山監督は”悔しい”と言ってるね」

B「うん、サポーターもそうだったけどやってる選手や監督はそりゃ悔しいだろうなって思った」

A「でもね、ここで”悔しい”と思えることって相当すごいことなんだ」

B「どういうこと?」

A「サッカーってひとつのゴール、ひとつのシュート、ひとつのプレーで試合全体の流れがガラッと変わっちゃう可能性があるんだよね」

B「うん」

A「いま、自分たちはみんな”悔しい”って思ってるけどさ、可能性としては横浜FCが前半にあっさり2点リードとかしてしまう未来線もあったわけだよ」

B「あー-前半頭のところやばかったもんね」

A「この試合は勝たないと意味がないから、どんだけ失点してもファジは点を取りに行ったと思う」

B「うん」

A「となると、よりカウンターを食らいやすくなるので場合によっては5-0とかそういう大敗で終わった可能性も全然ありえた」

B「・・・それは想像してなかった。大敗したら得失点差も下がるし、なにより今以上に悔しくてたまらなかっただろうなあ」

A「一寸先は闇っていうけど、試合の中ではそういうトラップがゴロゴロ転がってたはずだよ」

B「あ、じゃあ、そういう展開にならずに行けたこと自体がすごいってこと?」

A「そういうこと。だって主力が半分以上いないんだよ?いても前半に失点する可能性も想定してたのに、前半0-0でいけたんだから」

B「なるほどなぁ」

A「ちゃんと渡り合って”悔しい”と思えるゲームができたこともそんな簡単なことじゃない」

B「そうなるとさ、持ちこたえるだけじゃなくて勝てるかもしれないってところまで持っていけたってスゲーな」

A「ほんとにそう思うよ」

大幅なメンバー変更をしてゲームに臨むことの難しさ


木山監督「(午後)1時までメンバーを決められず、準備が終わった後に選手が欠けたので、このメンバーでトレーニングすることもできなかった」

B「これって読んでて”大変だったんだなぁ”って思った」

A「実は、ここめちゃちゃ重要だからBには知っておいてほしいなと思ってたんだよ」

B「メンバーがいなくて決められなかったんだろうな、ってことはわかる。でも、そのあとがよくわからないな」

A「そこ、なんだ。ここで木山さんは”準備が終わった後に選手が欠けた”と言ってるでしょ?」

B「うん」

A「チームは練習-試合-練習-試合というサイクルで動いてるのね」

B「うん」

A「だから、練習では次の対戦相手を分析して戦い方を決めて、それに沿った練習をするわけさ」

B「ああ、政田でやってる練習ってそういうことなんだ」

A「そうそう。しかも、この横浜FC戦は今季一度も見せていない3421でのスタートを準備していた」

木山監督「(横浜FC対策として3-4-2-1の布陣で臨むことは)週の頭から決めていた」

B「これはびっくりしたね」

A「たぶん当初準備していたスタメンであれば、横浜FCに勝つために十分な力を発揮できるだろうと見越して練習を完了した。そして、よし!いこう!とメンバーを決めたあとに欠場者が大量に出た」

B「うん」

A「それが”準備が終わった後に選手が欠けた”の意味だと思う」

B「じゃあそのあとの”このメンバーでトレーニングすることもできなかった”はどういう意味なんだろう?」

A「みんなで同じトレーニングをやっていたと思うんだけど、たぶん主力組とサブ組とである程度メンバーを決めながら細かいすり合わせをしていたんじゃないかな」

B「試合に出たメンバーですりあわせしたわけじゃないってことか」

A「そういう意味だと思うね」

スタメンがごっそり変わると何が変わるのか?


B「いっこ質問していい?」

A「うん、もちろん」

B「スタメン発表があったとき、正直”やれるんじゃないか?”と思ったのね。意外と主力もいたし、他所のチームだとユースの選手を連れて行ってみたいな話もあったみたいだから」

A「そうだね」

B「スタメンはごっそり変わったけど、それがどうゲームに影響を与えるんだろう?」

A「実は自分の職場でもコロナの陽性者が続々と出てきててさ」

B「あ、うちも・・・」

A「主力の社員がバタバタ休むと仕事ガタついてこない?」

B「いや、もう、やばいよ?正直いつまで営業できるかわかんないぞ?ってレベルまで来てるもん」

A「うちも他所の部署から応援に来てくれて、もうなんとかごまかしながらじゃないけど、持ちこたえる感じでやってるんだけどね」

B「うん」

A「やっぱり思うんだよ。〇〇さんと△△さんがいればあの仕事まかせられるのになあとか。応援に来てくれたひとも頑張ってくれてるけど、普段のパフォーマンスから比べたらそりゃだいぶ落ちるよなって。本職じゃないから仕方ないんだけど」

B「そうなっちゃうよね」

A「サッカーも似たようなところがあると思うんだよ。グループでやる仕事だからさ」

B「あー・・・」

A「しかも彼らはそれぞれが代えのきかない個性を持ってたり、数人の息の合ったグループで力がアップします!みたいな世界だと思うのね」

B「そっかぁ」

A「チームのベースがあって、その上に数名のグループの良さや、個人の強みをてんこ盛りにして”チームの力”が構成されてるんだと思うんだよ」

B「ああ、それだと見込んでいたパワーよりだいぶダウンしちゃうのは仕方ないよね」

A「いっしょに練習もそこまでやってないし、同じ試合に出たことない人たちもごちゃまぜでいざ本番。はい、いっせーのーで!で試合してください、と」

B「うん」

A「横浜FC戦の状況ってそんな感じだったんじゃないかなあと想像するんだよね」

B「これが、もし、2.3人くらいの欠場だったら違ったかな?」

A「スタメンに欠場者がでるのか?ベンチメンバーなのか?っていう構成にもよるだろうけど、そのくらいの欠場は普通にけが人の蓄積とかであり得るからね」

B「6は多いか・・・」

A「サッカー解説者によっては”3人代わったらもう違うチームです”みたいなことを言う人もいるから、プレーする方としてはだいぶ違うんじゃないかな」

B「どうしても想像しちゃうんだけど、コロナの陽性者が出なかったらAはどうなってたと思う?」

A「勝てたかどうかはわからない。でも、もっとハッキリとやりたいことを表現できていただろうなと思うね。できることのクオリティがそれぞれ上がって、試合で出せる力がもう少しあがったんじゃないかな」

B「そうかあ」

木山監督「われわれとしては狙ったとおりのゲームができていた」

A「でも、木山さんがこう言ってる」

B「うん」

A「これはどういうことか?というと、ゲームプラン通りに試合を運べたよって意味なのね」

B「ゲームプラン?」

A「ゲームプランというのは、どういう風に戦って、どういう風に試合を運んで、どう勝つか?という試合の計画のこと」

B「なるほど。じゃあこの試合は計画通りに進んでたってことなんだ?」

A「そういうことだね」

B「あのメンバーで予定通りにいってたのかよ・・・」

A「そう思うでしょ?自分も前半0-0でいけてすげえ!って思ったもん」

B「あ、なんかすごさが遅れて伝わってきたわぁ・・」

A「ね?試合後のコメント読み込んでいくとおもしろいでしょ?」

B「ほんとだね。これはやらないと損だわ」

A「最初の話に戻るけど、出られるメンバーでギクシャクしながらゲームを戦って、運も味方して、なんとかゲームプランを遂行できた。しかも、先制できるチャンスまであった」

B「うん」

A「しかし、一歩及ばず負けてしまった。だから、”悔しい”って」

B「監督の言ってる悔しい感じがようやく伝わった気がするよ」

A「まあほんとのところはわからないけど。コメントからはそんな意味が伝わってくるね」

B「そうだね」

ヨルディ・バイスは何を見ているのか?


A「じゃあ、次はアニキのコメントにいこうか」

B「うん。うん?」

A「こちらはファジの公式HPからの引用。アニキはこんなことを言ってる」

B「いや、ちょっと待ってアニキて誰?」

A「そりゃバイスのアニキに決まってるじゃないか」

B「いや、知らんがな笑」

A「とにかくコメントを見てくれ。こんなん誰が読んでもアニキと呼びたくなるから」

ヨルディ バイス選手
「冒頭に何点か失点してもおかしくなかったが、その後、自分たちのリズムに戻ることができた。後半は自分たちの方が良かったと思う。
1人欠けようが11人欠けようが、それは関係ない。誰がいないとかは言い訳でしかない。言い訳は敗者のすること。我々は勝者になるべきなので、言い訳を言うことは無い。何人になってもプレーをし続ける。
残り試合はすべてタフな試合になる。簡単に負ける我々ではないが、簡単に勝てる試合もない。ファジアーノは絶対にあきらめない。さらに前に進んでいく。絶対に立ち上がる強い力が、我々にはある。

ファジアーノ公式より

B「これはあついな」

A「でしょ?とくにたまらないのは、この2行な」

B「かっこいいな・・・」

A「これまでもちょくちょくこういう考え方をバイスは示してくれていたんだよ」

B「うん」

A「だけど、なんだろうな、彼のメンタリティというか、勝つ日常に生きてきたひとだから語れる言葉、語らないといけない言葉というか」

B「なんかちょっと日本人でこういうのないよね」

A「そうだね。でも、過去にやっぱり岩政大樹さんが在籍してた頃は同じようなことを感じたんだよね」

B「というと?」

A「勝つ人、勝つ集団っていうのは、こういう風に考えるんだよっていう確たるものを2人は持ってると思う。勝つ人たちは負ける人たちがするようなことをしないんだ、という」

B「うんうん」

A「それは勝ってきた中で、彼らが目で見て、耳で聞いて、話して学び取ってきたことだと思うんだよ」

B「そうだろうなあ」

A「ファジはバイスが当たり前だと思ってる”勝つひとたちの流儀”に成れているだろうか?と」

B「うーん」

A「バイスだけじゃなくて、みんながそういうチームになったらきっとすごいことになる」

B「うまくいくチームって、なんかムードがあるもんね」

A「そうそう」

B「自然と助け合ったり、要求しあったり、どんどんできないことが減っていって前向きに挑戦していく感じになる気がする」

A「勇気があるよね」

B「うんうん」

A「バイスはすでにそういうものを持ってるし、チーム全体もバイスと同じ目線で考えられるようになったら、きっと残りの試合ですごいことが起きる」

B「ほんといい選手が岡山のために戦ってくれてるんだなあ。なんか泣けてくるな笑」

A「自分もサポーターだけどバイスのようなメンタリティを学びたいと思う」

B「バイスとチームを信じよう」

A「それしかないね」


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