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木山ファジの新フォーメーション『4-3-3』について解説してみた

どうも、ゼロファジです。


新チームも始動しすこしづつ情報も出てきました。今年は木山新監督に代わったということでチームにも変化が表れていますね。なかでも今年はまず『4-3-3』に挑戦するということが明言されています。

これまでのファジでいくと、影山さんや長澤さん時代の3421あるいは3142。そして有馬さんのときの442というフォーメーションに親しんできました。しかし、433となるとファジサポになじみのない形ということになります。

そこで今回は、433のポジションの紹介やどういう特徴があるのか?など、433についてのガイド的な記事を書いてみました。来るシーズンの予習としてお楽しみいただけたら幸いです。

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433のフォーメーションの並び方


では、さっそく図で433の並び方についてみていきましょう。

黄色がGK(ゴールキーパー)で、その前にDF(ディフェンダー)が4人います。そしてその前に中盤が3人。さらに最前線にFW(フォワード)が3人いて、これで4-3-3という並びになっています。442なんかと比べると違いがわかりやすいですが、中盤が三角形になっていて、前線も大きく両サイドに選手が張り出していますね。このあたり特に目立つ特徴だと思います。

ちょっとおまけで、各ポジションの選手たちを線で結んでみました。できればこのように選手と選手を結んだ線を意識するクセをもっておくのがおススメです。というのも、サッカーは結構人が入り乱れるので、誰がどこにいるのか?というすごく大事な情報がさっぱりわからなくなることがあるんですね。ピッチを見ていて目線が迷子にならないためにもこういうイメージが大変役に立ちます。


433のポジションのなまえ


次にポジションのなまえをチェックしていきましょう。これまでの442や3421なんかと同じ呼び方で通じるところがあるんで、まずはそこを先に図にしてみると・・

ざっと見てもらえるとわかると思うんですが、GKがいてその前にCB(センターバック)がいて、サイドにSB(サイドバック)がいる。ここは442と全く同じですね。そして、最前線の真ん中にCF(FW)がいます。で、このCF(センターフォワード)についてですが真ん中にいるFWだから文字どうり”センター”フォワードと呼ぶんですが、433の場合サイドに開くFWがいるので、CFと呼んだ方が区別がしやすいのでおすすめです。

では、つぎに433で特徴的な呼び方をするポジションを見ていきましょう。ここはしっかりと覚えておいた方がいいです。

まず、MFの呼び方からいきましょう。CBの前にいる一人のMFこのポジションを「アンカー」と呼びます。このポジションは433で大変重要なポジションなのでここに誰がはいるのか?は大注目ポイントです。

そして、そのアンカーの前に2人左右に配置されるのが「IH」(インサイドハーフ)と呼ばれるポジションです。略して「インハー」なんて呼ばれることも。このポジションは左右に選手がいるので、左を「左IH」右を「右IH」というふうに呼び分けます。

それから、左右に大きく開いたFWのポジションのことを「WG」(ウイング)と呼びます。これはまさしく文字通り翼のような位置に立つポジションで、最前線のサイドのFWのことを指します。このウイングも左右に選手がいるので、「左WG」「右WG」と区別します。

433は攻撃向き?


433について一般的に言われる評価は「攻撃しやすい、けど守備むずかしい」というものです。

なぜ攻撃をしやすいのか?というと、442と比較してみましょう。

右SBがボールを持っていて、そこからパスをつないでいこうというところですが、パスコースは最寄りに3つあります。これが433になるとアンカーがいるので・・・

このようにパスコースが一本増えることになります。サッカーはボールを前に運んでいくスポーツなので、いかに前にボールを送るか?が大事なわけですが、そこへいくとパスの通り道を多く作れる方が有利ということなんですね。433ではSBじゃなくてもいろんなポジションでこのような現象が起こりやすくなります。また、サッカーではトライアングルを作ることが大事とよく言われるんですが、433はこのトライアングルが作りやすいフォーメーションと言われています。

433はトライアングルがつくりやすい

さらに、433はFWを3枚起用することができます。442でいくとFWが2枚までしか起用できませんでしたが、433では3枚配置できるので良質なアタッカーを多めにおける強みがあります。

中央に配置されるCFは体を張ってプレーできるタイプが特徴を出しやすく、サイドに配置されるWGは突破力やクロスなど、サイドからの打開力を問われやすいポジションです。現状の木山ファジだと、チアゴ・アウベス、ハン・イグォン、木村太哉あたりが務める可能性がありそうですね。

433は守備がムズい?


433は攻撃向きのフォーメーション。しかし、逆に守備では結構むずかしいと評価されることが多い形でもあります。とくに注目すべきポイントは4-3-3-の3の部分。MFとFWのところの3が難しいんですね。それはなぜか?

MFの3は両脇が空きやすい

「サッカーではピッチの横幅68mをカバーするのに最低必要な人数は4人」と言われています。そこへいくと433の中盤と前線の3は最低必要人数から足りないわけですね。

上の図のように、4-「3」ー3の中盤の3だと、横幅をカバーしきれないので、必然的に守り切れないスペースが大きくなってしまいます。

FWも3なので・・・

FWの3の方でも同様に、横幅を守り切るために必要な人数は足りません。したがって、上の図のように選手のスキマに大きなスペースができてしまう。じゃあ、中央によせてしまえ!とすると・・・

MFの3と同じ問題を抱えてしまうと。このように、守備時にはこの3のところをどうやってやりくりしましょう?という課題に直面しやすいんですね。したがって、引いて守るときは4141や442に変形して守りやすい形に変えてしまうというチームも少なくないようです。むしろ、433のまま守るのは非常に難易度が高いということをしっかり覚えておいた方がいいかもしれません。

余談になりますが、有馬ファジの442はどうだったのか?復習がてら見てみましょう。

442だとDFとMFのラインが4-4になるので、横幅をカバーするのに必要な人数はそろっています。そのかわり前線は一人減って2トップになるので、青いエリアのスペースはかなり大きくなっており、ここが442の弱点です。しかしながら、弱点は自分たちのゴールから最も遠いところにあって、4-4のラインは人が足りているので、他の並びに比べてもバランスよく守りやすいわけですね。

仙台サポさんのツイートに学ぶ「木山ファジの433守備の問題点」


以前木山監督はベガルタ仙台を指揮していました。当時も433にチャレンジした過去があるわけですが、そこではどういうことが起こっていたのか?仙台サポさんのツイートを参照しながら読み解いていきましょう。

せんだいしろーさんのツイートを参照させてもらいました。ちょっと言ってることの内容のレベルが高いので、「・・・どういう話??」となってしまう人も少なくないと思います。なんで、丁寧にひも解いて解説していきますしょう。木山さんの仙台433の守備はどういうものだったのか?非常によくわかるツイートになっています。

まず、理論値最強型433とはなにか?というと、これは守備でも433のまま守れるチームと読んでいいと思います。なぜか?というと433は攻撃に長けた並び方なので、433のままボールを奪って守備→攻撃に転じることができると、攻撃しやすい並びのまま攻撃になだれ込むことができます。これが442や4141でボールを奪って433に変わって攻めよう!となると手間が増えますからね。

では、433のまま守るにはどうしたらいいのか?というと、”ウィングの鬼プレスバックと3センターの鬼横スライドを強く要求”というところです。

青=相手選手

サイドにボールをいれられたとき、WGがプレスバック(戻ってプレッシャーをかける)ことや、中盤の3枚が侵入されるエリアにズルっとスライドしてプレッシャーをかける。サッカーの守備とは、ボールを上手に通せんぼしながらボールを奪うことですが、それを433で実現するためにWGが必死に戻って通せんぼしに来る。中盤が必死にスライドしてたちはだかる。こういう動作が必要になってくるよと。これを木山さんの433はしなかった。

するとどうなるのか?その答えが、”サイドのDFがサイドバックの縦迎撃だけになる”です。

相手のアタッカーがサイドに侵入してきました。しかし、WGのプレスバックもIHのスライドもないので、やむを得ず右SBが縦に迎撃に出ています。すると、当然右SBがつり出されたスペースは空いてくるので・・

CB横が空いちゃう問題が出現してくることになる。これは433がサイドの守備で直面する典型的な弱点です。したがって、

CBが守備で孤立ぎみになるシーンが増えるので、”CBの強度めっちゃ重要””ひとりで守れることが大前提”になってくると。さらに、木山433のもうひとつの特徴がボールホルダーに対する対応のところです。

仙台での433ではボールを持っている相手選手に継続的にプレッシャーをかけ続けるという考え方がベースだったようです。そうなると、持久力・球際の強さなど含めたフィジカルが求められますし、それをやり続けないといけない。夏場でも。一年通して。それはかなり高い要求になってしまうのでは?という話ですね。さらに、

最終ラインを押し上げてプレッシングに出ていくので、必然的にCBの裏のスペースは空いてきます。そこを狙って足の速いアタッカーの裏を突かれると鈍足のCBではスピードで負けてピンチを迎える可能性が高い。

で、おもしろいのがこちらのツイート。

前述のWGのプレスバックや横スライドなんかを標準装備として準備できれば守備のクオリティは向上すると。そのへんを仙台では突き詰めなかったので、ディフェンスを作るのに向いた監督じゃないのかもしれない、って話ですね。このあたり木山さん自身も「自分ではそういうつもりはないけど、守備の人っていわれるんだよなぁ」みたいなことを言われていたのと通じるものがあるかもしれません。

ということで、433の紹介と仙台での事例をチェックしてきました。

課題は出てくると思いますし、まあそうそう簡単には事は運びませんよ。J1に昇格しようっていうんならなおさらのことで。なので、試行錯誤は絶対にありますし、チームがどういう風に転がっていくのか?その変化を楽しみにしていきたいなと思っております。木山さんだって進化する。433は守備が難しいということで、はたしてどのように最適解を見つけてくるのか?そこを注意深くみていきたいですね。

さいごに、こちらのツイートを紹介して終わりにしたいと思います。


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