『新潟戦の勝利のカギ』について語り合うファジサポのAとB
B「あのさあ」
A「お、どした?」
B「すごい試合だったじゃない?新潟戦」
A「今シーズン一番面白かったね」
B「そうなんだ?」
A「この試合、木山監督にとって会心のゲームだったんじゃないかな」
B「それそれ!いや、実はね、監督の試合後のコメントを読んでてさ」
A「うん」
B「”前半は前に出られない状態が続いたが、そこで粘って2-1で折り返せたことは大きかった。”って木山監督が言ってるんだけどさ」
A「あー、これね」
B「2-1で粘れたことの何が大きかったのか?がわかんなくてさ」
A「たしかに、ここちょっと難しいかも」
B「ふつうに考えたら決勝点を決めた3点目が一番大事じゃないの?ってなるじゃん?」
A「たしかにそれもある」
B「なのにどうして1-2で前半を耐えたことが大事だったんだろうって疑問に思ってさ」
A「うん」
B「監督が何言ってるんだろう?って気になるじゃない?」
A「そうだよね」
B「だから、Aに聞いてみよと思ってさ」
A「うん。まあでも、監督の考えは監督にしかわからないからさ」
B「うん」
A「おれなりにどう考えたか?って話で進めるね」
B「お願いします」
A「リアルタイムで試合を観てた時、おれも前半は1-2で行けたらいいなと思ってたんだ」
B「じゃあ、監督と同じだったわけね?」
A「そういうことになるね」
B「どうして1-2でいいってAは思ったの?だってそのままじゃ負けちゃうじゃない?」
A「たしかに、1-2のままだと負けちゃうし不利なんだけどさ」
B「うん」
A「前半ファジが先制したあとからずっと新潟に攻められてたでしょ?」
B「なんか一気に逆転されちゃってビビった。首位スゲー・・って」
A「ファジは引いて守ってるけど、新潟はそこをこじ開けて点とってくる」
B「PA内でめっちゃバタバタしてたもんね」
A「新潟の攻勢に対してファジは有効な対抗策を打ち出せない状態だったわけよ」
B「厳しい・・・」
A「結果的に1-2で前半を終わることになったけど、もしかしたら別の可能性もあったはずなんだ」
B「別の可能性?」
A「実際きわどいシーンもあったように、前半に3点取られて1-3になる可能性もなくはなかったでしょ?」
B「いや、もう、ひやひやしてたよ・・・」
A「だからあそこには分岐点があったんだよ」
B「分岐点」
A「1-2で終わるか、1-3になるか、4とか5とかになるか、みたいな可能性もあったわけ」
B「でも、2-2になる可能性もあったんじゃない?」
A「可能性だけで言えばね。でも、現実的だったか?というと」
B「・・・たしかに全然攻めれてなかった」
A「でしょ?前に出れない。出させてもらえないなら点は取れない」
B「頼みのセットプレーも相手ゴール近くじゃないと点は狙えないもんね」
A「そういうこと」
B「じゃあ、前半でファジが同点にする未来は消えていたんだ」
A「可能性としてはめちゃ低かっただろうね」
B「じゃあもし、前半で1-3とリードされた未来だとどうなったかな?」
A「たぶん、その時点で大方新潟の勝ちは決まってしまってたと思うよ」
B「え?そうなの?」
A「もちろん、その時点で勝ちが確定するわけじゃないよ?」
B「うん」
A「だけど、可能性で考えると新潟が後半1-3の2点リードでスタートしたらファジが勝つ可能性はかなり低かったと思う」
B「えー?なんで?実際にファジは3点取り返して勝ったじゃん?」
A「うん」
B「だから、1-3で後半スタートしても3-3に出来る可能性もそこそこあったんじゃないの?」
A「何度も言うけど可能性はあったと思うよ。でもたぶんそれはかなり低かったと思う」
B「えー?なんでだろう?そこ知りたい!」
A「大事なポイントが2つあってね」
B「うん」
A「一つ目は”どういうシナリオだったら自分のチームがこの試合に勝てるか?”って考えてみることなのね」
B「ほう」
A「これを勝ちシナリオって呼んでるんだけど」
B「勝ちシナリオ」
A「もう一つは”チームのキャラを知っておくこと”」
B「うん」
A「新潟ってどんなチームだと思う?」
B「すごくボールをつなぐのが上手い」
A「それから?」
B「守備を固めた相手を崩して点をとれる」
A「ほかには?」
B「実は守備もリーグ屈指」
A「さすがに首位争いしてるチームだけのことはある」
B「うん、めちゃ強かった」
A「新潟はボールをつなぐのが上手いので、ボール保持率も高くなるよね?」
B「この試合でもかなり高かった」
A「ということは、新潟から点を取るにはボールを持つのが上手い新潟からボールを没収しないといけないでしょ?」
B「あ、そうか。奪わないとマイボールにならないもんね」
A「ところが、新潟は奪われない」
B「うん」
A「とくに前半の新潟ペースのときの感じとか見てみ?」
B「全然ボール取れそうにないね・・・」
A「この新潟が2点リードの余裕をもって後半にはいってくるわけだ」
B「うーん・・」
A「2点差あるので新潟は無理に点とらなくてもそのまま勝てる」
B「でもファジは負けてるから出ていかないといけないよね?」
A「そうなるね。新潟とすればファジをいなしながらカウンターで一刺しして、1-4にでも持ち込めばもうほぼ間違いない感じになるだろうね」
B「いやー-それは厳しい展開だなあ」
A「おれらはファジサポだからファジを中心に考えるじゃない?」
B「もちろん」
A「だけど、新潟の気持ちになって勝ちシナリオ考えてみるといいよ」
B「新潟の勝ちシナリオを考えるの?」
A「そう。ボールが持てて崩せて、得点が多く失点が少ない。これがざっくりとした新潟のキャラでしょ?」
B「うん」
A「新潟とすれば十分なリードがあれば比較的安全に逃げ切れる技術がある」
B「ボールを奪われずに持っていられるもんね」
A「ファジも実力があるし、パワープレーからアクシデンタルに失点という可能性も捨てきれない」
B「バイスとかデュークとか、柳とかいるもんね」
A「だから新潟とすればそういうごちゃついた展開を避けたり、余裕持っていなせるリードがあれば勝つ可能性は高まるよね」
B「なるほど」
A「可能性としてはそういう勝ちシナリオが理想的だと思うよ」
B「でも、実際は1-2で前半を折り返したもんね」
A「サッカーはなにがあるかわからないスポーツだからさ」
B「うん」
A「実力差があるチームの対戦でも1点くらいなら入っちゃうことがある」
B「ジャイキリとかおこるもんね」
A「ましてや実力差がそこまでないチーム同士なら1点のリードでは安心しきれないよね」
B「たしかに」
A「そういう意味では1-2から1-3に出来なかった新潟とすれば仕留めきれなかった感じはあっただろうね」
B「逆の立場で考えるとそういう景色がみえてくるんだね」
A「そういうこと」
B「じゃあ、ファジの方はどうだったんだの?」
A「新潟に1-3にされたら勝つのに3点必要になる」
B「45分で3点。しかも相手は首位・・・」
A「まあ厳しいわな」
B「だけど1-2の1点差なら、1点取り返せば同点。2点とれば逆転」
A「でしょ?」
B「でも、ファジは新潟みたいに上手なサッカーできるキャラじゃないじゃない?」
A「たしかにそうだね」
B「そういうファジが勝つための勝ちシナリオってどうなるんだろう?」
A「そう!そういうことを考えながら試合を観ると楽しいんだよ」
B「ほう」
A「たしかにファジはそこまでうまくない。だけど、この試合は夏の18時スタートのゲームでしょ?」
B「そうだね」
A「後半は体力的にかなり落ちてきてどっちも走れなくなってくる展開が予想される」
B「夏場はほんとにしんどいもんね」
A「そうなると、いわゆる”オープンな展開”になってくるわけだ」
B「ああ、なんかスペースめっちゃある感じのやつ?」
A「そうそう、間延びしてる状態ね」
B「ああいう感じになると、なんかどっちも攻撃して跳ね返してって応酬になるよね。いったりきたりの」
A「ノーガードで殴りあって、どっちがKOするか?みたいになるでしょ?」
B「すごくドキドキハラハラするねあれ笑」
A「そうなったら嫌なのは新潟なんだよ」
B「???」
A「だってさ、新潟はボール持って相手を崩せるチームだからさ。べつにオープンな展開にならなくてもいいわけだよ」
B「うん」
A「そういう展開になって得点のチャンスが増えるのはむしろファジの方」
B「うん」
A「だから最後に殴り合うような展開はなるべくスルーしたいはずなんだ。殴り合いにお付き合いしなくても勝てる方がいいからね」
B「なるほど」
A「でも、ファジはそういう展開にもちこめたらワンチャン一刺しできる可能性がよりでてくる」
B「ボールも行ったり来たりするから攻撃できるチャンスも増えるもんね」
A「そうそう。でもそのためには新潟に余裕を与えてしまってはダメなわけさ」
B「あー-ここで繋がってくるのか」
A「そういうこと」
B「もし1-3になってたら、新潟はそういう打ち合いを避けるゆとりをもてるわけだね」
A「まあ、完全には無理だけどそれでも2点リードがあれば余裕はあるよね」
B「そうか、じゃあやっぱり1-2で我慢した効果はあったんだなあ」
A「前半の新潟に傾いた流れはすごかったじゃない?」
B「いやーほんといつ失点するかな?とハラハラしたよ」
A「あの流れを断ち切るのはなかなか難しかったと思うよ」
B「ひたすら耐えるしかなかった?」
A「うん、ハーフタイムを挟んでチームで意思を統一しないと難しかっただろうね」
B「それだけ、ハーフタイムって大事なのね」
A「だから監督としてはなんとかこれ以上失点しないで戻ってきてくれ!という心境だったんじゃないかなぁ」
B「そっか、なんとなく監督の気持ちがわかった気がする」
A「まあ、ほんとのところはわかんないけどね」
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