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動画講座の種類&上達,完成に活用する方法【Youtube,SNS】

動画サイトのおすすめ欄に出てくる、チュートリアルや初心者向け講座の動画を誰もが一度は見たことがあるだろう。

動画サイトに馴染みのない者でもSNS上のリンクや、以下のように動画サイトで検索すると、必ずと言っていいほど多くの分野でチュートリアルや初心者向けの講座を見つけることができる。

ゲーム制作 上達方法
(ゲーム名) 上達方法
勉強方法 上達
プログラミング 上達方法
3Dモデル 上達方法

これらの動画を

  • ゲームプレイや勉強などスキルの上達を目的とした動画

  • 3Dモデルなど成果物の完成を目的とした動画

の二つに分けるとサムネイルとタイトル、内容に大きく違いがあると感じたので、それらの特徴と活用する方法を紹介する。

上達を目的とした動画

成果物として終わりが見えないスキルの上達を目的とした動画には、間違った方法を続けるリスク、成長の遅い初心者の特徴、上級者には追いつけない間違った方法、などについて教える物が多い。

サムネイルの特徴として「〇〇をすれば…?」という伏せ字で内容を隠し、サムネイルに、ぼかしが掛かっている事も多いので目立ちやすい。
サムネイルの半分はチャンネルの持ち主、切り抜きの場合はタレントの顔が大きく載せられ、タイトルもサムネイルと同じく、リスクと伏せ字を全面に出す物になっている。

「 プログラミング 上達方法」
「イラスト 上達方法」

総じて「動画を見ずに始めるリスク」を最大化することがサムネイルとタイトルの狙いになっている。

例:
勉強方法(受験勉強など)
筋トレ(足が太くなってしまう間違った筋トレの方法)
ゲームプレイ(ランクが絶対に上がらない理由)
プログラミング(成長の遅い初心者の特徴)
釣り、サッカー、Webデザインなど

完成を目的とした動画

ゲーム制作や3Dモデルなど「完成させる目標」がある動画は、サムネイルの巨大文字も「初心者最速」などがキーワードになり時短とスピードアップの方法が最優先される。

サムネイルとタイトルに何日で出来るという具体的な時間が入り、最速で完成させるという「誰でも作れる」「3日で完成」などが並んでいる。

サムネイルの画像もタレントの顔ではなく、完成した3Dモデルや3D背景など、完成物のクオリティを大きく見せる物が多く、画像のぼかしや〇〇系の伏せ文字は少ない。

初日と一週間後の比較をサムネイルに載せて、一週間後の方はぼかしたり?マークを被せたりする、というテレビ番組っぽいものは見られる。
初心者の練習方法を紹介するものもあるが、動画の数は少ない。

例:
漫画の描き方
3Dモデル制作(無料で使えるツール=blenderが多い)
ゲーム制作
作曲(何分で出来る、コードを理解できる)
料理(作り置き、たった10分で)
アプリの作り方(3分で作れる、2時間でマスター)

「3dモデル 作り方」

上達と完成の違い

「間違った方法」や「初心者が知らないと損する」系と、「初心者最速」系の動画に見られる違いとして、目的が上達なのか、それとも完成なのかという違いがあると考えた。

「上達」と「完成」、つまり期日や完成形の有無が違いになっている。
絵を一枚完成させる、魚を釣り上げるのが目的なら、達成するまで続けるのが手段なので間違った方法は無い。

しかし、そこに効率を求めようとすると「絶対にやってはいけない事」や「初心者の9割がやってしまうミス」などを気にするようになる。
初心者が効率を求めると、その多くがミスを恐れるようになり、彼らが動画をクリックしやすい仕組みを活用したものが、「上達を目的とした動画」になっているのではと考えた。

それに対して完成を目的にした動画は、「上達を目的とした動画」と同じく効率アップの方法をサムネイルやタイトルでアピールしている。
しかし、それは完成するまでの効率であるため、サムネイルやタイトルは完成物のクオリティが高い&かかる時間が僅かであることをアピールしたり、初心者でも簡単に入門できるという事を前面に押し出したものとなっていると考えられる。

これはネットの有料教材の見せ方とスタンスが近いので、Colosoなどのトップページを見て比較してもらいたい。

「完成を目的とした講座動画」のチャンネルは基本的に、サブスクライブやスーパーチャットではなく、プロが使用するブラシなどの有料素材や教材サイトへの誘導が説明欄に入っていることが多く、クリエイターが営業目的で運用しているチャンネルがよく見られる。
善意の元にタダで講座をやってくれる人の方が少ないというのは当然でもあるので、どのような人物が動画を公開しているかも内容と同じぐらい重要だと思う。

どう使うのか(活用方法)

上記の二つのタイプの動画があることについて述べたが、何かを完成させるのも小さい物の完成を目標にする、上達するにしても少しずつステップアップする目標を自分で決める、など自分で軸となる目的を決めておくのが大切である。

以前書いた記事で紹介した例だが、小型の輸送用ドローンを開発するベンチャー企業「Zipline」の創始者はルワンダ虐殺を生き延びた後、現地の全ての病院を回りつつMRIを無償修理する際に、MRI機器の知識をYoutubeで手に入れていたという(以下の動画参照)

この話を聞いて自分は、「MRIを修理したい」という目的が具体的だったことがYoutubeを見ながら各地のMRIを修理するといったことを可能にしたのではないか、と考えた。

たしかに専門的な知識を持ち合わせていないと不可能ではあるが、そもそも「各地を回ってMRI全部直す」という熱意と言って良いほどの目的意識が無いと、Youtubeで修理方法を調べるという所に辿り着かないように思える。
報酬のあった仕事でやった事か、熱意によって行ったことかは分からないが、最終的にベンチャー企業まで立てているので、本人にやる気と目的意識が有ったのは明らかだ。

そして、自己中心的であれ公益性を考えた結果であれ、「やる」という軸があってこそ、調べた情報を自分もしくは人の役に立てることが出来たのだと思う。

MRIの修理には専門知識が必要だが、そうでない初歩的な入門では目的意識だけで十分である。
それも、調べるためにスマホを触った瞬間に「なんだっけ」と忘れるようなものではない、気まぐれや思いつき以上の主軸が必要であり、それとセットにすることで講座やチュートリアルも更に役に立つと思う。

自分は何かビジネスを起こそうとは思っていないが、ぼんやりと動画を眺めて何かをやった気になるのを避けたいので、何かしらの軸を持って調べ物をした方が良いと、この記事を書きながら考えた。

自分が欲しい物ややりたい事がハッキリしている人間には、この辺は当たり前の事なのかもしれない。逆に自分はその迷いがあるので、このような記事をまとめることになったとも言える。


長々と書いたが、基本的には必要な動画だけ調べて真似すればいい。
上手くなりたいとぼんやり考えている人もいれば、作りたい物が先にある人もいる。人それぞれなので自分にあった物だけ取り入れるのが最善だと言える。

ただし、新しい物を作ったり、他人とは違うアイディアを試したいと思っている人は、目的まで他人任せにしてはいけない。
行き詰まった所だけ調べて素早く動くのが最善である。上で述べた通り、何を目的とした動画なのかを知った上で、必要なら金を払ったり手を動かしたりするべきだと思う。

そして、初中級者が誰でも引っかかる「間違えたらどうしよう」という不安が普遍的なものだからこそ、「上達が目的」タイプの動画が再生され、SNSやオススメ欄に大きく取り上げられる事も覚えておきたい。
みんなクリックするから作る方もホクホクしながら作る。そういうものだと知った上で、自分に必要なものを決めて取捨選択をできるようになることが必要だと考えている。

自己啓発や精神論ではなく、目的意識と調べる事はセットでありたい、そうした方が効率的ではないかという考えとして残しておく。


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